借金とは時間を買うこと
記事作成日:2022年9月24日
借金とは時間を買うことだと言われることがあります。返す当てがないにもかかわらず借金をしてしまうことは問題ですが、返済する計画がきちんと立てられていて、借金による利息の負担が時間を買うための代償として合理的な範囲内であれば、借金は人生を豊かなものになる手段となり得ます。
しかし、計画性がない借金で返済が苦しくなってしまうと、心のゆとりがなくなってしまうばかりではなく、返済のことばかり考えるようになってしまい、逆に大切な時間を失ってしまうことがあるので注意が必要です。
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お金がなければ何もできない
お金がなくてもできることはたくさんありますが、お金がなければできないこともたくさんあります。今何かをしたいと思っていてもお金が足りないことで実現ができない場合、お金が貯まるまで何もできなくなってしまうことがあります。
例えば、起業やスキルアップなどが当てはまりますが、折角良い事業のアイデアがあってもお金がなくて何もできないのであれば、お金が貯まるまで動けなくなってしまい、無駄な時間を過ごさなければいけなくなってしまうかもしれません。
キャリアチェンジやキャリアアップの為に新しいことを学びたいと思っていても、お金がなくて学ぶことができないのであれば、お金が貯まるまでは何もできなくなってしまうかもしれません。
貯まるまで待っていると時間を失う
欲しいものがあるならお金が貯まってから買えばいいじゃないか、とよく言われます。これはある意味では正しく、ある意味では間違っています。
まず、お金がないなら買わずに我慢して諦めるべき場合があります。一生で手に入れられるお金は限りがあるので、何でも買えるわけではなく、選択が必要となります。
しかし、お金が貯まってからでは遅いものがあります。例えば、住まいですが家を買うためには数千万円のお金が必要ですが、若いうちは収入も低くなりがちで、もし住宅ローンがなければ多くの人が家を買えるようになるのは人生の中盤以降になってしまいます。
もちろん例外的に若い頃から家が買える経済状態の人もいますが、多くの人は40代~50代にならないとゆとりを持って家を買えるようにはならないでしょう。収入が少なければ40代でも厳しいかもしれません。
もちろん、どこに住んでいても幸せに過ごすことはできると思います。しかし、もし結婚や子どもの出産などによって新しい家族ができた時に新しい住まいで生活を始めたいと思っているならば、お金がないことでしばらく我慢を強いられてしまうと、より幸せに過ごせたかもしれない貴重な時間を失ってしまうかもしれません。
貯まるまで待っているとチャンスを失う
人生にはタイミング(時機)が重要なことがあります。例えば、結婚ですが、子供が欲しいと考えた場合、生物学的には高齢になる前に結婚した方が良いと考えられます。結婚生活のためには、ある程度お金のゆとりがあった方が良いですが、お金が貯まるまで結婚しないとなると、結婚のタイミングを逃してしまうかもしれません。
もっと極端な例では大学への入学を挙げることができます。大学に入るためには基本的にお金が必要で、お金がなければ通常は大学に入ることができません。奨学金や教育ローンがなければ、お金が貯まるまで大学に入ることができませんが、年齢が上がってしまうことで学ぶべき適切なタイミングを逃してしまうことになりかねません。
もちろん、社会人になってから大学や大学院で学ぶということも可能なのですが、就職する前の時期に学ぶ、20歳前後に同年代の人と大学で学ぶ、ということが人生にとって大きな意味を持つ場合もあります。
その時にやった方がいい、というものをお金が貯まるまで待っているとチャンス・機会を失ってしまうことがあるのです。
借金で時間を買う
借金をすることで将来手に入るはずのお金を前借りして今使うことができるようになります。つまり、借金をすれば時間を買うことができるのです。
住宅ローンを借りることで数十年待たなくても、今家族と過ごす家を買うことができます。奨学金や教育ローンを借りれば数年待たなくても、今大学に入学することができます。事業の為に借り入れをすれば、事業を始めることができます。
やり方を間違えてしまうと借金は人生を狂わせてしまいますが、上手に使えば借金は人生の選択肢を増やし、人生を豊かにしてくれる1つの方法となり得ます。
借金をすることで、お金が貯まるまでの時間の無駄を省くことができ、時間を買うことができるのです。
利息は時間を買う代償
借金をすると、基本的に借入金額や借入期間、借入金利に応じて利息が発生します。今、先にお金を使うための手数料として利息が発生します。
ただし、利息負担が重すぎると、一生涯で自分が自由に使えるお金が発生してしまうため、どの程度の利息負担なら許容できるのかを慎重に考える必要があります。
借金によって発生する利息は、時間を買う代償となるものです。借金をして時間を買うことによって得られるものに見合う範囲内の利息負担であれば合理的だと考えられますし、借金によって得るものよりもはるかに重いと感じるような利息負担であれば、借金をすべきかどうか再考が必要です。金利水準には注意する必要があります。
借金は返す当てがあってこそ
借金は計画的にする必要があります。返す当てがないのに高額の借金をしてしまうと返済ができなくなってしまう可能性があります。返済が苦しくなってしまうと、返済のことで頭がいっぱいになってしまい精神的なゆとりがなくなってしまい、家族や友人などとの人間関係を悪化させてしまうことがあります。
また、借金返済に奔走しなければいけなくなってしまうと、折角時間を買ったはずなのに、借金返済で時間を浪費してしまうことになりかねません。借金返済で身動きが取れなくなってしまえば本末転倒です。
借金は返す当てがあってこそのものです。返す見通しが立たないのであれば、どれだけ今借金をしたいと思っても、慎重に考えなければいけません。
まとめ
- 借金とは時間を買うことでもあります。お金が必要な時に借金をすることで、その時にお金を使うことができます。借金をすることによって時間を浪費することなく、適切なタイミングでお金を使うことができます。
- しかし、返す当てがない借金をしてしまうと、返済できなくなってしまい、かえって時間を失ってしまうことになります。計画的に借りることが重要です。また、過大な利息負担を負ってしまうと、返済が苦しくなってしまう恐れがあります。