債務整理をする時に気をつけたいこと
記事作成日:2016年2月15日
最終更新日:2023年11月21日
多重債務などによってどうにもならなくなり、債務整理を行うような場合、債務整理後の生活が上手くいくように借金をしてしまった原因を解決することが重要です。債務整理をすることによって借金はなくなるか、減額されますが、常にお金が足りなくなってしまうような家計の状況では再びお金で苦しんでしまう可能性があります。債務整理を行う時は、借金をしてしまうことになった原因を解決しておくことが重要です。
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債務整理で借金は減るか無くなる
自己破産や民事再生(個人再生)、任意整理、特定調停などの債務整理や過払い金返還などによって借金は減るか無くなります。しかし、債務整理で借金が減るあるいは無くなることで問題がすべて解決するわけではありません。借金をして多重債務になってしまった原因が解決していけなければ、時間をおかずに再びお金に苦しむことになる場合があります。
借金には理由がある
借金が膨らんでしまう理由は様々ですが、住宅や自動車、教育費などによる家計の収支の悪化、遊びなどでの浪費、事故や病気での医療費の支出、リスクを取り過ぎた投資での失敗、身内の借金の返済、詐欺、収入の少なさ、多過ぎる生活費など、借金をしてしまった原因があるはずです。
あくまで一時的な原因であって債務整理をする時点では既に問題ではなくなっているという場合ならば良いのですが、慢性的な原因の場合、債務整理後もあまり状況が変わらない危険性があります。
例えば、収入が少なくて生活費が足りないから借金をしてしまったという場合に、一度債務整理を行って、借金がなくなるか、減った場合でも生活費が足りないのは変わらないため、やがて再びお金に困る可能性があります。お金を使い過ぎてしまうような浪費癖がある場合も同様で、またお金を使い込んでしまう可能性があります。
債務整理をしてもお金に苦しんだら意味がない
せっかく債務整理を行っても、借金の原因が解決していなければお金に困ることになります。自己破産や民事再生(個人再生)、任意整理、特定調停など債務整理が行われている場合には、再びカードローンやキャッシング、クレジットカードを利用することは困難な場合が多く、お金が無くなると本当に困ってしまうことになります。債務整理をしたのにお金でまた苦しむことになったら債務整理をした意味がなくなってしまいます。
債務整理をするなら借金をした原因も解決する
債務整理をするなら、必ず借金を増やすことになってしまった原因も解決するようにすることが大切です。借金をしてしまった原因を解決しなければ、本当の意味での借金の問題の解決にはなりません。借金の返済に追われて余裕がなくなると、そこまで頭が回らないかもしれませんが、債務整理の後の生活を立て直す上でとても重要な事です。
対応方法としては、家計の圧迫要因になる支出を削る、遊ぶお金を抑える、収入を増やすために職を変える、などが考えられます。病気やけがなど自力では解決できない原因ならば、公的な機関の支援を受けるか、生活保護を活用するなど、公的な援助を求めた方が良い場合があります。
債務整理の専門家は家計の専門家とは限らない
債務整理は弁護士に依頼することが多く、場合によっては司法書士に依頼する場合もあるかもしれません。弁護士や司法書士は法律や制度に関する領域では専門家であっても、家計の専門家でない場合があることに注意が必要です。債務整理を強みとしている弁護士や司法書士の人は債務整理後のことまで考えて、業務上の経験から親身にアドバイスをしてくれることが多いと考えられます。しかし、弁護士や司法書士の人は法令に基づく対応、つまり、債務整理によって借金を減らす、無くす、という部分が弁護士や司法書士の人の仕事の中心となり、通常債務整理後の家計の改善まで責任を負っているわけではありません。
債務整理がきちんとできて、借金が減る、借金がなくなることは重要なのですが、再び借金をしないように借金をしてしまった原因が解決しているかどうかも考えなければいけません。弁護士や司法書士の人は家計の専門家ではない場合があるということは意識しておかなければいけません。
まとめ
- 債務整理を行うのであれば、借金を増やしてしまった根本的な原因を解決しておくことが重要です。
- 債務整理で借金は減るか無くなりますが、借金を増やした原因が解決していなければ、再びお金で困る可能性があるからです。