家族カードのメリットとデメリット
記事作成日:2022年8月27日
クレジットカードで家族カードを作るメリットとデメリットについてです。家族カードとは、本人のカードとは別に本人の信用状況を元に家族用に作ることができるクレジットカードで、基本的に家族の利用の請求は本人に行われます。家族カードを作ることで本人の信用による利用限度額を家族で共有できるというメリットがある一方、家族の利用状況は本人が把握できるため家族の関係が良好でないと家族のトラブルとなってしまうリスクがあるほか、家族がカードを使い過ぎてしまう場合があることもデメリットです。
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クレジットカードの家族カードとは
クレジットカードの家族カードとは、クレジットカードを持っている本人の家族のためのカードで本人のカードとは別に家族の為に家族カードが発行されます。作ることができる家族の条件はクレジットカードによって異なります。
家族カードの利用限度額は本人の利用限度額と同額となり、利用限度額は本人と家族の利用金額の合計に対して適用されます。本人と家族の利用限度額が50万円であった場合、本人と家族合わせて100万円使えるのではなく、2人合わせて50万円使えます。
家族カードの利用による請求は本人にまとめて行われ、支払いも本人の口座などから一括して支払うことになります。
家族カードのメリット
クレジットカードで家族カードを作るメリットについてです。
本人の信用を家族に共有できる
家族カードは基本的に本人の信用を家族に共有する形となっています。クレジットカードを作ることができる人の利用限度額を家族に使ってもらうということになります。
専業主婦・主夫、成年している無職子供(大学生など)などは収入がないか、少ないためクレジットカードを作れないか、作れたとしても利用限度額が少ない場合があります。そのような場合に、収入がある本人のクレジットカードで家族カードを作り、家族に使ってもらうということが考えられます。
家族カードの発行には審査がありますが、自分の利用可能額を家族に使ってもらえるということがメリットとなります。
利用金額の支払いを一元化して管理しやすくなる
家族カードで利用した金額の請求は本人に対して行われ、本人が本人の利用分と家族の利用分を一括して口座などから支払うことになります。そのため、家計の支払いを集約して一元化することができるため、口座の残高不足などを防ぎやすくなり、家計を管理しやすくなります。
支払う口座が増えるほど、思い違いなど何らかのミスで残高不足などを招く可能性が高まるため、管理する口座や支払い対象はできるだけ減らすと家計管理がしやすくなります。
家計の状況を把握しやすくなる
家族カードを使うことで家族のクレジットカードの利用状況の情報を集約することができるため、家計の状況を把握しやすくなります。もし、家族がそれぞれクレジットカードを保有して自由に利用していると、どこでどんな買い物をしているかお互いに把握せず、家計全体での無駄遣いが膨らんでしまうことがあります。
家計のやりくりを適切に行うためにはお金の流れを正しく把握することが前提となりますが、家族全員で家族カードを使ってクレジットカードの利用状況を把握しやすくすると、家計管理がやりやすくなることがあります。
基本的に本人の信用状況が審査されるため作りやすい
家族カードの発行にも審査があります。家族カードは基本的に本人の信用状況が審査されることになるため、本人が適切にクレジットカードを利用していれば家族カードは比較的作りやすいと言えます。
家族の収入が少ないなどクレジットカードを作ることが難しいと考えられる場合でも、家族カードであればクレジットカードを使うことができることになります。
ポイントを集約し管理しやすい
クレジットカードを利用すると利用金額などに対する還元として一定の割合でポイントが付与される場合があります。ポイントには有効期限が設定される場合があるため、別々のクレジットカードでポイントを分散させていると使いづらかったり、使わないまま執行させてしまったりすることがあります。
基本的に家族カードの利用は本人に請求が行われ、本人にポイントが集約されるため、家族カードを利用することでポイントを集約でき、管理しやすくなることがあります。
年会費の負担を抑えやすい
カードによっても異なりますが、家族カードの年会費は新しくクレジットカードを作る場合と比べて低額に抑えられている場合があります。そのため、敢えて新しく家族が自分の名義でクレジットカードを作るよりも、家族カードを作った方が年会費の負担を節約できる場合があります。
付帯する保険などの特典を受けられる場合がある
カードによって異なりますが、家族カードにも本人のカードと同様に旅行保険などの特典を受けられる場合があります。クレジットカードの保険などの特典は自分でクレジットカードを作れば得ることができますが、家族カードで年会費の負担を抑えつつ各種特典を受けることができるのであれば、節約になる場合があります。
家族カードのメリット
クレジットカードで家族カードを作るデメリットについてです。
家族の関係が良くないと使いづらい
家族の関係が良くない場合、家族カードは使いづらいと考えられます。例えば利用状況(利用明細)を家族に知られたくない、ポイントは自分が貯めたい、支払いは自分で行いたい、使い過ぎなどと指摘されたくない、お金のことを家族と話したくない、といったようなことがある場合には家族カードを使うことが難しくなります。
また、今は家族との関係が良くても、将来家族との関係が悪化した場合に、家族カードがトラブルの原因となってしまうことがあります。
家族のカード利用で自分の利用可能額が少なくなる
家族カードは原則として、本人の利用限度額の範囲内で本人と家族が利用するものです。そのため、家族がカードを多く利用すると、本人の利用可能額が少なくなってしまうことがあります。特に本人の利用限度額がそれほど多くない場合、家族のカード利用が多い場合などに問題となる場合があります。
カードの使い方を巡って家族間の関係が悪化してしまうリスクや、本人が支払い不能となるリスクがあります。
家族の使い過ぎで支払いが難しくなる可能性がある
家族カードは基本的に本人の利用限度額と同額の利用限度額が設定され(実質的には共有され)、本人と家族がこの利用限度額の範囲内で利用することになります。
家族が本来必要としているよりも過大な利用限度額が利用できるようになってしまい使い過ぎてしまったり、家族が使い過ぎて本人が支払えなくなったりすることがあります。
特に家族の使い過ぎで支払い不能に陥るリスクには注意が必要です。家族が家計の状況や支払い余力などを十分把握しないまま、家族カードで高額の買い物などをしてしまう恐れがあるため、家族カードを作る場合は使い方について事前によく話し合うことが大切です。
家族カードの利用限度額を自由に設定できない
カードによって異なりますが、家族カードの利用限度額は基本的に本人カードの利用限度額と同額となり、かつそれぞれのカードに利用限度額が適用されるのではなく、利用限度額は本人と家族合わせた合計の利用金額に対して適用されます。
そのため、本人の利用限度額が変わらない限り、家族カードを作ったからといって2倍利用できるわけではなく、本人カードと家族カードを合わせて今までの利用限度額の枠内で利用する必要があります。
また、本人カードと同額の利用限度額となる家族カードの利用限度額は家族にとって大きすぎる場合もあります。
家族の信用状況が高まらない
家族カードでの利用の請求は基本的に本人に対して行われ、支払いを期日通りに行う信用は本人に対して蓄積していきます(いわゆるクレジットヒストリー)。もし、家族が自分でクレジットカードを作ることができる程度に収入がある場合、家族カードを作って自分のカードを作らない場合、家族の支払いを適切に続けることによる信用は高まらないことになります(クレジットヒストリーができない)。
もし、将来、自分の名義で各種ローンの利用、クレジットカードの作成などを考えている場合、家族カードではなく自分の名義でクレジットカードを作り、信用を高めた方が良い場合があります。
カードの紛失や不正利用の可能性が枚数分だけ増える
クレジットカードに限りませんが、管理するものが増えれば増えるほど紛失など管理上の問題が発生しやすくなります。クレジットカードの枚数が増えると、クレジットカードの紛失のほか、クレジットカードの情報を不正に読み取られ利用されてしまう不正利用などのリスクについても高まることになります。
もし、カードの管理などに自信がない場合は家族カードの枚数を増やさらない方が良い場合があります。
まとめ
- クレジットカードで家族カードを作れば、本人のクレジットカードの利用限度額を家族に共有して使ってもらうことができ、支払いも一元化できるため、家計の管理がしやすくなります。
- ただし、家族の関係が良くないと家族カードが家族のトラブルの原因となってしまうことがあります。また、家族カードがあることで家族がクレジットカードを使い過ぎてしまうリスクもあります。