クレジットカードの利用限度額の適正な金額の目安
記事作成日:2018年3月15日
最終更新日:2022年9月3日
クレジットカードの利用限度額の枠をいくらに設定すべきか、という問題についてです。当サイトとしては支払いを無理なく安全に行う、不正利用の被害を抑えるという考え方からクレジットカードの利用限度額は抑制的に設定すべきと考えています。クレジットカードの利用限度額の適正な金額の目安は、利用の面からは毎月の平均的な利用金額の3か月分、支払い能力の面からは年収の15~20%以内を目途に設定すると良いと考えられます。また、頻繁に海外旅行に行くなど特殊な場合や高収入である場合を除いて、100万円を超える利用限度額が必要になることは少ないと考えられます。
なお、本記事で紹介している目安は実際に審査で付与される可能性がある利用限度額ではなく、無理なく安全に使うための控えめな目安ですのでご注意ください。
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利用の面から考えると適切な利用限度額は毎月の利用額の3か月分
クレジットカードの一括払い(1回払い)は、毎月締め日が設定されていて前回の締め日の翌日から締め日までの1か月分の利用金額を締め日から基本的に1か月以内に訪れる支払日にまとめて支払うことになります。クレジットカードで購入をしてから代金を支払うまで1~2か月の猶予があることになります。
利用金額を支払日に支払うまで、利用残高が残ることになるため、クレジットカードによる購入から利用金額の支払いまで最大2か月程度かかる場合があるため、利用限度額は最低でも毎月の平均利用金額の2か月分(2倍)は必要になります。
しかし、それではぎりぎりとなってしまいますし、毎月の利用金額は多少の変動があるため、余裕をみて毎月の平均利用金額の3か月分程度あると良いと考えられます。毎月の利用金額の変動が大きい場合、高額の買い物をすることが頻繁にある場合、ボーナス払いを使う場合などで余裕を持つ場合は4~5か月分まで確保することが考えられます。
利用限度額の目安 | |
---|---|
通常 | 毎月の平均利用金額の3か月分 |
余裕を持つ場合 | 毎月の平均利用金額の4~5か月分 |
支払い能力の面から考えると適正な利用限度額は年収の10~15%
カードローンでは総量規制として年収の3分の1という目安がありますが、クレジットカードに関しても利用限度額が大きすぎると支払いが難しくなってしまう可能性があるため利用限度額は控えめにした方が良いと考えられます。また、不正利用、盗難・紛失のリスクに対応するためにも、利用限度額は控えめにした方が良いでしょう。
利用限度額が高額の場合、使い過ぎてしまって、一括払い(1回払い)での支払いが困難となり、あらかじめ分割払いやリボ払い、ボーナス払いを利用するか、後から分割払いやリボ払いに変更して、やり過ごそうとしてしまうことがあります。
そうなると、クレジットカードからリボ払いなどの借金が溜まっていくことになりかねないため、家計が苦しくなってしまうことがあります。
支払いの面から利用限度額の適正額を考えると、貯金の状況、収入の安定度合い、勤務形態(正規雇用・非正規雇用)、ボーナス(賞与)の有無にもよりますが、およそ年収の10~15%程度が安全と考えられます。
手取りは年収の80%前後、ボーナスが年間で毎月の給料の3か月分だとすると、ボーナスを除いた毎月の手取りは、「手取り80%」×「1/15」(1年=12か月、ボーナス3か月分、12+3=15)≒5%となります。慎重に見積もった場合、毎月の手取りの2~3か月分程度であれば、支払いに対応できる目安になる考えられるためです。
なお、ボーナスがない場合、雇用が不安定で収入が突然途絶える可能性がある場合などは、控えめに考えて利用限度額は年収の5~10%程度にとどめておいた方が安全です。
年収 | 利用限度額の目安 |
---|---|
100万円 | 10~20万円 |
200万円 | 20~30万円 |
300万円 | 30~50万円 |
400万円 | 40~60万円 |
500万円 | 50~80万円 |
600万円 | 60~90万円 |
700万円 | 70~100万円 |
800万円 | 80~120万円 |
900万円 | 90~140万円 |
1000万円 | 150万円 |
100万円を超える利用限度額は通常必要ない
日常的な利用にとどまる限り、クレジットカードの利用限度額は100万円以内で十分で、100万円を超える利用限度額が必要となるのは、高収入の場合、クレジットカード決済が中心となる海外旅行に頻繁に行く場合、日常的な支払いはすべてクレジットカードで行うような場合、クレジットカードで頻繁に高額な買い物をするような場合などです。
年収が著しく高い場合を除いて、分割払いやリボ払いなどを利用せず通常の利用をしている限り、100万円を超えて利用限度額が必要になることほとんどないと考えられます。高収入である場合や一時的な場合を除いて、100万円を超える利用限度額が必要となる場合はクレジットカードの使い過ぎがないか見直した方が良いと考えられます。支払いの面からも100万円を超える利用限度額はリスクを伴います。
また、利用限度額100万円までであれば、一般的なカードでも設定が可能であるため、ゴールドカードやプラチナカードなどの高級カード(上級カード)に申し込まなくても済みます。ゴールドカードなどは利用限度額が大きくなり、付帯サービスも充実しますが、年会費が高くなるため、一般的なカードで済むのであればそれに越したことはありません。
なお、カードによってはゴールドカードでなくても100万円を超える利用限度額が設定されることがあります。
使い勝手がいい適切なクレジットカードの利用限度額の金額の目安はいくらか
使い勝手の良さと支払いの容易さ、安全面を考慮すると、クレジットカードの利用限度額は、年収の15%以下で、毎月の平均的な利用金額の3倍となるように設定することが良いと考えられます。また、100万円以内で設定するとよいでしょう。
毎月の平均的な利用金額の3倍が年収の15%を超える場合はクレジットカードの使い過ぎが考えられるため、利用状況を確認することが重要になります。毎月の平均的な利用金額の3倍が年収の15%を超えるということは、毎月の平均的な利用金額が5%以上となりますが、5%×12か月=60%となり、1年間で年収の60%分だけクレジットカードで支払うという計算になります。
身の回りの全ての支払いをクレジットカード(最終的にクレジットカードで決済する設定にしている電子マネーやコード決済等を含む)で済ませている場合はクレジットカードによる支払い比率が極端に大きくなることも考えられますが、現金決済や口座振替など他の支払い手段も一定程度あることを考えると、1年間で年収の60%の金額をクレジットカードで支払うというのは現時点の社会情勢を考えると使い過ぎの可能性があります。
まとめ
- クレジットカードの利用面から考えると、クレジットカードの利用限度額は毎月の平均的な利用金額の3か月分(3倍)は確保したいところです。
- 一方で、支払いが困難とならないように安全を考えて利用限度額を設定するのであれば、年収の10~15%を上限の目安と考えて利用限度額を設定するとよいでしょう。利用限度額を抑えることは不正利用があった時の被害軽減にもつながります。