20代の借金の平均額・借金理由
記事作成日:2016年10月8日
20代で借金がある人の割合や20代の人の借金額の平均値や中央値、20代の人の借金理由について紹介しています。公的な借金の統計では総務省が実施している全国消費実態調査と金融広報中央委員会が実施している家計の金融行動に関する世論調査のデータがあるため、両調査を基に20代の借金のデータを紹介しますが、全国消費実態調査の数値を中心に説明します。
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20代で借金している人の割合
20代の人で借金がある世帯の比率についてのデータです。まだ住宅ローンを抱えている人は多くありませんが、借金をしている人はそれなりにいます。
全国消費実態調査による20代で借金がある人の割合
20歳代 | 借金あり | 借金なし | ||
---|---|---|---|---|
住宅ローン あり | 住宅ローン なし | |||
総世帯 | 11.0% | 26.2% | 62.8% | |
単身世帯 | 男性 | 11.0% | 21.3% | 67.7% |
女性 | 1.7% | 32.5% | 65.8% | |
2人以上世帯 | 18.9% | 28.4% | 52.7% |
(注)2014年11月末時点の調査です。調査では30歳未満とされているため10代が一部含まれますが、20代が中心であることから便宜的に30歳未満を20代とみなしています。ここでの住宅ローンとは住宅の購入・建築・増改築、土地の購入に関する借入を広く意味しています。項目は分かりやすさの観点から、調査の表現から別の表現に言い換えているものがあります。四捨五入の関係から各項目の合計と全体の合計が一致しない場合があります。
(出典)総務省統計局「平成26年全国消費実態調査」を加工して当サイトが作成
20代の借金の有無の特徴
20代の人で借金がある人は総務省統計局の「平成26年全国消費実態調査」によると、総世帯で37.2%(世帯ベース)となります。分割払いなども含んだ数値なので多いように感じるかもしれませんが、4割近くの世帯が何らかの借金をしていることになります。特に2人以上世帯で借金がある世帯の割合が多くなっています。
20代では住宅ローンを借りている世帯の比率は多くはないですが、夫婦の世帯が含まれる2人以上の世帯では2割近くが、住宅関連のローンを借りています。単身世帯では男性の1割程度が住宅関連のローンを借りていますが、女性はほとんど借りていません。
(参考)家計の金融行動に関する世論調査による20代で借金がある人の割合
20歳代 | 借金あり | 借金なし | |
---|---|---|---|
住宅ローン あり | 住宅ローン なし | ||
単身世帯 | 0.4% | 15.3% | 84.3% |
2人以上世帯 | 10.9% | 12.7% | 76.4% |
(注)2015年6月から7月時点の調査です。住宅ローンの有無については、借入金有無を回答した世帯のうち借入金額が無回答だった世帯を除いた上で、住宅ローン残高について0と回答した世帯と無回答の世帯を住宅ローンがない世帯とみなして推計して作成しています。項目は分かりやすさの観点から、調査の表現から別の表現に言い換えているものがあります。四捨五入の関係から各項目の合計と全体の合計が一致しない場合があります。
(出典)金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査] 平成27年調査結果」、「家計の金融行動に関する世論調査[単身世帯調査] 平成27年調査結果」を加工して当サイトが作成
20代の借金額の平均値
20代の人の借金額の平均値のデータです。平均値だけだと極端な数値によってデータが偏る可能性があるため、一部中央値も併せて紹介しています。
全国消費実態調査による20代の借金額の平均値
20歳代 | 借金額 | 内訳 | |||
---|---|---|---|---|---|
住宅 | 住宅以外 | 分割払い | |||
総世帯 | 355 | 318 | 23 | 14 | |
単身世帯 | 男性 | 440 | 405 | 27 | 8 |
女性 | 82 | 55 | 19 | 8 | |
2人以上世帯 | 456 | 407 | 18 | 31 |
(注)2014年11月末時点の調査です。調査では30歳未満とされているため10代が一部含まれますが、20代が中心であることから便宜的に30歳未満を20代とみなしています。ここでの住宅とは住宅の購入・建築・増改築、土地の購入に関する借入を広く意味しています。項目は分かりやすさの観点から、調査の表現から別の表現に言い換えているものがあります。分割払いとは乗用車や電化製品などの耐久所費財や衣類などを月賦(月ごとの分割払い)や年賦(年ごとの分割払い)で購入した場合の未払い残高を指しています。住宅以外には住宅の購入・建築・増改築、土地の購入、分割払い以外の借金の残高で生活資金のほか、事業の開業や運転に必要な資金の借金が含まれています。四捨五入の関係から各項目の合計と全体の合計が一致しない場合があります。
(出典)総務省統計局「平成26年全国消費実態調査」を加工して当サイトが作成
20代の借金額の特徴
20代の借金額は総世帯で350万円程度となっていて、300万円強が住宅関連で残りが住宅以外の借り入れや分割払いの未払金になっています。借金が最も多いのが2人以上世帯で平均で450万円程度となっています。続いて単身世帯の男性も440万円と多くなっていますが、単身世帯の女性は約80万円と少なくなっています。単身の20代の女性は住宅購入をほとんどしないからと考えられます。
また、20代の2人以上世帯では分割払いの金額が他の世帯よりもやや多くなっていますが、結婚をした夫婦が自動車や家具家電製品などを分割払いで購入することが多いためと考えられます。住宅以外の借金(分割払いを除く)では単身世帯の男性がやや多くなっていますが、生活費や交際費などで利用が多い可能性があります。
(参考)家計の金融行動に関する世論調査による20代の借金額の平均値
20歳代 | 20歳代全体 | 借金ありの人だけ | ||
---|---|---|---|---|
平均値 | 平均値 | 中央値 | ||
単身世帯 | 19 | 133 | 71 | |
2人以上世帯 | 284 | 1,202 | 195 |
(注)2015年6月から7月時点の調査です。借金ありの人だけは借金がある人だけで集計した結果です。結果は中央値と記載がないものは全て平均値です。項目は分かりやすさの観点から、調査の表現から別の表現に言い換えているものがあります。四捨五入の関係から各項目の合計と貯蓄合計は一致しない場合があります。
(出典)金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査] 平成27年調査結果」、「家計の金融行動に関する世論調査[単身世帯調査] 平成27年調査結果」を加工して当サイトが作成
20代の借金の目的
家計の金融行動に関する世論調査による20代の人の借金の目的・理由・使い道に関するデータです。
家計の金融行動に関する世論調査による20代の借金の目的のデータ
借金の目的・理由 | 単身世帯 | 2人以上世帯 |
---|---|---|
医療費・災害復旧 | 2.7% | 7.7% |
子どもの教育・結婚 | 1.8% | 7.7% |
住宅取得・増改築 | 3.6% | 46.2% |
生活費 | 30.0% | 15.4% |
耐久消費財購入 | 9.1% | 30.8% |
旅行・レジャー | 18.2% | 0.0% |
金融資産投資 | 0.9% | 7.7% |
実物資産投資 | 0.9% | 0.0% |
相続税対策 | 0.0% | 0.0% |
その他 | 48.2% | 23.1% |
(注)2015年6月から7月時点の調査です。3つまでの複数回答で無回答も含まれた割合です。項目は分かりやすさの観点から、調査の表現から別の表現に言い換えているものがあります。
(出典)金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査] 平成27年調査結果」、「家計の金融行動に関する世論調査[単身世帯調査] 平成27年調査結果」を加工して当サイトが作成
20代の借金理由の特徴
20代の借金理由は単身世帯と2人以上世帯ではかなり傾向が異なっています。まず単身世帯で多いのは生活費や旅行・レジャーなどのための借金が多くなっています。また、その他が多くなっていますが、交際費や遊ぶためのお金などに用いられているとみられます。
2人以上世帯では住宅取得など住宅のための借り入れが多く、続いて耐久消費財購入となっています。結婚の新生活のために、借金を利用しているとみられます。
全国消費実態調査と家計の金融行動に関する世論調査の貯金データの違いについて
全国消費実態調査と家計の金融行動に関する世論調査では調査対象数や調査方法が異なっているため、必ずしも同じ結果となっていません。そのため、調査の結果については幅を持ってみる必要があります。
まとめ
- 総務省統計局の「平成26年全国消費実態調査」によると、分割払いも含めて20代で借金があるのは総世帯のうち37.2%となります。また、20代の借金額の平均は355万円(世帯ベース)となっています。
- 金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査] 平成27年調査結果」、「家計の金融行動に関する世論調査[単身世帯調査] 平成27年調査結果」によると、20代が借金をしている理由として単身世帯では生活費や旅行・レジャー、交際費などのためで、2人の世帯では住宅取得や自動車や家具家電など耐久消費財購入のためという傾向があります。