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住宅ローンの頭金が多い・少ないのメリットとデメリット

記事作成日:2016年4月21日
最終更新日:2022年8月4日

住宅ローンの頭金が多い・少ないのメリットとデメリット

住宅ローンでは頭金を多く入れる方が良いと言われます。頭金が多いと利息負担や毎月の返済金額が少なくなるというメリットがありますが、頭金を支払うと手元のお金が少なくなってしまうというデメリットがあります。逆に頭金が少ない、あるいは頭金ほとんどなしの場合にはお金が貯まっていなくても買えるというメリットがありますが、利息負担や毎月の返済金額が多くなってしまうということや、売却をしようとしても住宅ローン残高よりも売却代金が少なくなってしまい売却できない可能性が高まるというデメリットがあります。

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頭金が多いメリット

頭金を多く入れるメリットについてです。

審査に通りやすくなる

住宅ローン借り入れの審査では、頭金が多くなるほど審査に通りやすくなります。物件価格に対する自己資金の比率が高いこと、借入金額に対する物件の担保価格が高いこと、毎月の返済金額の収入に対する返済比率が低くなること、借入金額が少なくなることなどが審査でプラスに働くことになります。

借入金額が少なくなる

頭金を増やせばその分借入金額を減らすことができます。

毎月の返済金額が少なくなる

借入金額が少なくなるほど毎月の返済金額は少なくて済むため、毎月の家計の負担は軽くなります。

利息負担が少なくなる

住宅ローンは借入金額が少なくなるほど利息負担が少なくなります。

金利上昇による影響が軽くなる

借入金額を減らせばその分変動金利などで金利が上昇した時に受ける影響が小さくなります。

売却時に住宅ローンを完済しやすくなる

住宅ローンの返済途中で購入した住宅を売却しなければいけなくなった場合に、借入金額を少なく抑えることができていれば借入金の残高を上回る金額で売却できる可能性が高まり、売却したお金で住宅ローンを完済しやすくなります。

頭金が多いデメリット

頭金を多く支払うデメリットについてです。頭金は増やせば増やすほど利息負担は減少しますが、家計のやりくりにとって全く悪い点がないかとそうではありません。

手元のお金が少なくなる

頭金を増やすと、住宅ローンの毎月の返済額が少なくなり、利息の負担も減りますが、手元のお金が少なくなってしまいます。手元のお金のほとんどを頭金につぎ込んでしまい、お金が残っていないという状況になると、何か急にお金が必要になった時や進学でまとまった教育費が必要になった時などに困る可能性があります。家計にゆとりがない場合は注意が必要です。

頭金が準備できるまで住宅を購入できない

住宅を購入する時は頭金が2割以上、3割以上といったように考えていて、頭金が貯まるまで家は絶対に買わないと決めていると、頭金が十分貯まるまで住宅を購入できないことになります。もちろん、頭金が貯まるまで買わないということは、慎重な行動で望ましい部分もあります。しかし、タイミングを逃してしまうことにもつながります。

市場の好タイミングを逃す

住宅にも価格変化の波があり、後から振り返ってみると、買い時と買い時ではない時があります。頭金が貯まるのを待っていると不動産市場の好タイミングで望む物件が買えないかもしれません。金利の動向や不動産価格の動向を見て最適なタイミングで買うということが難しくなる場合があります。

条件にあった物件を逃す

住宅は住むという意味でも、売却を想定した場合でも、立地が非常に重要です。しかし、条件が良い土地には限りがあり、都市部では条件が良い土地には何かの建物が立っていることが多いです。立地が良い住宅を手に入れたい場合には、自分が望む立地で購入したいと思う不動産が売りに出なければいけません。

そのため、条件が良いと思う物件は売りに出た時点で購入できた方が望ましいです。頭金が貯まるのを待っていると、自分の希望に沿った物件の買い時を逃してしまう可能性があります。もちろん、今後人口が減少していく中で空き家が増えていくとみられるため、より良い立地を求めやすくなる可能性はありますが、条件が良い物件はすぐに売れてしまうかもしれません。

人生での買い時を逃す

住宅購入で重要なものに人生での購入タイミングがあります。若いうちに住宅を取得した場合と、定年前後に住宅を取得するのでは、利用できる期間が変わってきます。住宅購入に何を求めるかは人によって違いますが、結婚して子供が生まれたら、家族みんなで自分の家を買って住みたいと考えている場合、結婚や出産のタイミングで購入する方が満足度は高くなると考えられ、子供が成長して自立していた時点で購入しても希望とはずれていることになります。

わざわざ住宅ローンを借りてまで家を購入するのであれば、購入した家で人生の満足度が高まった方がいいのですが、お金が貯まるまで買ってしまうと望んだタイミングを逃してしまうことになりかねません。

頭金が少ない・頭金なしで住宅ローンを借りるメリット

頭金が少ない、あるいはほとんど頭金を入れないメリットについてです。

頭金が貯まっていなくても物件が購入できる

頭金が少ないメリットは頭金のお金が貯まっていなくても物件を購入できることです。極端な事を言えば自己資金がほとんどなくても最低限の申し込み証拠金を支払うだけで購入できてしまう場合があります。

好きなタイミングで購入できる

頭金を貯めなくても購入できるため、欲しい物件が見つかったらお金が貯まっていなくても買えます。そのため、タイミングを逃すことなく希望する物件を購入できます。

手元にお金を残せる

頭金を支払えるだけのお金が手元にあっても、敢えて頭金として支払うのではなく手元に残すことで、急にお金が必要になる場合や教育費など大きな支払いに備えることができます。ライフプランを考えて近いうちに大きなお金の支払いが発生する可能性があるなら手元にお金を残すことは重要です。家計にゆとりがあまりない場合は大きなメリットとなり得ます。

金利が低い住宅ローンを活用できる

頭金に回すお金を頭金にしないでその分住宅ローンを借りることで、別の借金をしなくて済むことがあります。例えば、教育費の支払いのお金が無ければ、教育ローンや奨学金を借りてしのぐ可能性がありますが、住宅ローンの頭金を少なくして住宅ローンを多めに借りておいて、手元に残ったお金で教育費を支払うということが考えられます。住宅ローンの金利は教育ローンの金利よりも低くなることが多いため、返済タイミングなどを上手に工夫すれば利息負担を無駄に増やさなくて済むかもしれません。

頭金が少ない・頭金なしで住宅ローンを借りるデメリットやリスク

頭金が少ない、あるいはほとんど頭金なしで借りる場合のデメリットやリスクについてです。

審査に通りにくくなる場合がある

頭金が少ないと住宅ローンの審査に通りづらくなり、希望する金融機関で借りられないかもしれません。物件価格に対する自己資金の比率が低いこと、借入金額に対して担保価格が少なくなりやすいこと、毎月の返済金額の収入に対する返済比率が高くなること、借入金額が増えてしまうことなどが審査でマイナスとなる可能性があります。

借入金額が多くなる

頭金が少なくなるとその分だけ借入金額が増えてしまいます。

毎月の返済金額が多くなる

借入金額が多くなるほど毎月の返済金額は多くなってしまうため、毎月の家計の収支を圧迫してしまいます。

利息負担が多くなる

住宅ローンは借入金額が多くなるほど利息負担が多くなってしまいます。

金利上昇による影響が大きくなる

全期間固定金利の住宅ローンを除き、借入金額が増えた場合には、変動金利などで金利が上昇した時に受ける影響が大きくなります。金利上昇をより心配しなければいけなくなります。

返済途中での売却が難しくなるリスクがある

頭金が少ない場合の最大の問題は購入した住宅を売却したくなった場合に、売却価格が住宅ローンの残債務を下回ってしまい完済ができず抵当権が抹消できない可能性があることです。何らかの事情で引っ越しをしようとしても、身動きが取れなくなってしまうリスクがあります。

売却時に売却価格が残債を下回ることの問題点

購入時の住宅ローンの借入金額、物件の状況、不動産市況などによっては、自宅の売却金額が住宅ローンの残債を下回ってしまい、自宅を売っても住宅ローンが完済できない場合があります。転勤や家族の都合などで自宅を売却しようと思った時に、売却金額を全て返済に充てても住宅ローンが残ってしまうということです。

頭金が少ないと「住宅ローンの残債>売却金額」になりやすい

購入時の頭金が少ないということは当初の販売価格に近い金額の住宅ローンを借りたということになります。特に新築の場合はデベロッパー、建設会社、販売会社など関わる会社の利益が乗って販売されていることや、住んでしまうと中古となるため新築と同じような価格では売れなくなることから、戸建て・マンションともに買った瞬間に売却できる金額が大きく下がることがあります。

そうなると、買った直後から「住宅ローンの残債>売却金額」となってしまい、売るに売れなくなってしまう可能性があります。住宅ローンが完済できないと住宅の抵当権が消せないことから、普通は買い手が現れないためです。

借金の残額分も融資を受けられる場合も

ただし、買い替えなどの場合は収入などの条件次第では、借金の残りの部分と次の住宅の購入金額を合わせて融資してくれる場合もあります。しかし、さらに借金残高が購入価格に対して膨らむことになってしまいます。何とか引っ越しはできるかもしれませんが、住宅ローンの返済の負担が重くなってしまいます。

賃貸に出すのも難しい

どうしても引っ越さなければいけないものの、売却が難しいという場合は賃貸に出すことを考えるかもしれません。しかし、住宅ローンは基本的に自分が住むことを目的とした融資のため、契約内容にもよりますが基本的にそのままでは賃貸に出すことはできないと考えられます。そのため、金融機関に確認し、賃貸に対応できるローンに借り換える等何らかの対応が必要になってくると考えられます。また、住宅ローン控除の適用も受けられなくなってしまいます。

賃貸は空室のリスクがあるほか、修繕やリフォームの負担が発生する場合があります。もう戻ってくることがない家であれば、賃貸の収益性がよほど高くない限り、無理して賃貸する方法を模索するよりも売却してしまった方が良い場合があります。

買った当初は売る気はなくても事情は変わる

住宅ローンを借りる時点では自宅を売る気が無い人も多いと考えられます。もちろん、いつかは引っ越すかもしれないと考えていても、数年以内に売却するというような具体的なイメージを持っている人は少ないでしょう。

しかし、人生何が起こるかはわかりません。売る気はないと当初は思っていても、売らなければいけない状況に陥ることは良くあります。特に近い将来に自分の仕事や家族の状況が大きく変わる可能性がある場合は、焦って住宅を購入しない方が良い場合があります。仕事の都合で引っ越さなければいけなくなるかもしれませんし、家族が増えたり減ったりすると適性な広さや間取りが変化します。子どもが産まれ成長していく過程で子どもの教育のために引っ越しを考える場合もあります。

住む地域は生活だけではなく、自分の仕事や子供の教育にも影響します。ある時突然仕事に対する考え方が変わり、都会ではなく地方で、あるいは逆に地方ではなく都会で働きたいとなるかもしれません。家族の関係から突然地元に戻りたいと思うかもしれません。子どもの教育に対する考え方が代わり、子どもを育てる環境にこだわりが出てくるかもしれません。

人生と住む場所は密接に関係しています。ある程度は柔軟に対応できますが、引っ越さないとできないこともあります。

住宅購入時は終の棲家にすると思っていても、5年も経たないうちに気が変わっているかもしれません。そうなったときに頭金が少ないと引っ越しが難しくなることがあるのです。

頭金の金額は売却の可能性も考慮して決める

住宅を購入する時から売却のことまで考えている人は多くないと思います。夢と希望のマイホームなんですから、最初から売ることなんで考えないかもしれません。しかし、家族構成の変化、仕事や教育に対する考え方の変化など様々な理由から引っ越したくなる可能性もあります。そういうリスクが高い場合は頭金が少ないまま住宅購入に踏み切るのはとても危険です。住宅購入は価格や金利などタイミングもある程度大切ですが、もう少しお金が貯まるまで待った方がいいかもしれません。頭金の金額は売却できるかどうかも考えて決めることが大切です。

まとめ

  • 住宅ローンで頭金を多く入れると借入金額が少なくなるため、利息負担や毎月の返済金額は少なくなり、売却時に売却代金で住宅ローンを完済しやすくなるというメリットがあります。一方でが、手元のお金が少なくなってしまうというデメリットがあります。
  • 一方、頭金が少ないかほとんどない場合には、お金が貯まっていなくても住宅ローンを組んで住宅が購入できるというメリットがあります。一方で借入金額が多くなるため、利息負担や毎月の返済金額が多くなってしまうということや、売却時に売却代金で住宅ローンを完済できないリスクが高まるというデメリットがあります。

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【住宅ローンの頭金が多い・少ないのメリットとデメリットの記事は終わりです】

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