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住宅ローンで金利上昇前に変動金利から固定金利への切り替えは難しい

記事作成日:2015年7月30日
最終更新日:2022年7月30日

住宅ローンで金利上昇前に変動金利から固定金利への切り替えは難しい

住宅ローンによっては借り入れ後に、金利の種類を変動金利から固定金利に、あるいは固定金利から変動金利に切り替えられるものがあります。また、別の住宅ローンに借り換えてしまえば金利種類を変更することができます。

住宅ローンの借入時には、変動金利は固定金利よりも低い借入金利となっていることが多いため、目先の返済の負担を軽減するため変動金利で住宅ローンを借りることがよくあります。そして、変動金利で借りても金利が上昇しそうになったら、金利の種類の変更か借り換えによって固定金利に変更すれば大丈夫と思われていることがあります。しかし実際には、タイミングを上手くとらえて変動金利を固定金利に切り替えるのは、かなり難しいことなのです。

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変動金利より固定金利が先に上がる場合がある

住宅ローンの変動金利は日本銀行の政策金利か短期の市場金利に連動して変動しますが、短期の市場金利も日本銀行の政策金利の影響を受けやすい傾向があります。一方で、固定金利は、固定金利は国債市場の長期金利の影響を強く受けます。

そして国債市場の取引は日本銀行の金融政策の動向を見越して行われるため、日本銀行の金融政策の変更に先立って国債市場の長期金利が大きく変動することがあります。

つまり、金利水準が大きく変化する時には固定金利の方が先に大きく動いてしまうことがあるのです。特に日本銀行の政策金利に連動する変動金利との比較では、変動金利は固定金利に遅れて動く可能性が高いと考えられます。

金利動向はあまりなじみがない世界

日頃から日本銀行の金融政策や10年国債利回りなどの動向を追っていれば金利変化を敏感に察知できますが、住宅ローンを借りている多くの人にとって、金利の動向はあまりなじみがない世界かもしれません。

株式投資をしている人であっても銘柄の分析は行っていても、金融政策動向にはあまり注意を払っていない場合があります。市場金利を左右する債券の流通市場は基本的に機関投資家の市場であって、個人投資家が直接関わるような市場ではないため、資産運用をしていても日本の国債利回りをあまり意識をしていないことがあります。

株価や為替レートは一般的なニュースで伝えられることも多いですが、市場金利の動向はニュースなどで伝えられることは多くありません。急激な変化があった時や金利水準が節目に到達した時にはニュースとなりますが、普段は話題になることは少ないと考えられます。

金利の変化は、どちらかといえば変動金利の人は金利が変わったという通知が来た時、全期間固定ではない固定金利で借りている人は固定されている期間が終わりに近づいた時に意識することが多くなります。そのため、金利の変化を察知するのが遅れることがあります。

「金利が上がりそうなら固定金利に」は実際には難しい

変動金利で住宅ローンを借りていても、金利が上がりそうになったら、金利が上昇する前に固定金利に変更すれば、金利上昇リスクを負わなくて済むと考えてしまうかもしれません。しかし、実際にはタイミングを上手く捉えて変動金利を固定金利に変えるのはとても難しいです。

金利の動向はあまりなじみがなく、変動金利よりも先に固定金利が上がる傾向があるため、変動金利が上がったからといって固定金利に変更しようとしても、既に固定金利は高くなってしまっていることがあります。そうなると変動金利から固定金利に切り替えてもメリットがほとんどない場合があります。

元々固定金利は金利変動リスクが抑えられる分だけ高い金利水準となっていますが、その上で固定金利が変動金利に先だって上がってしまっていると、固定金利に変えても返済負担が大きく増えてしまうだけ、ということになりかねません。金利上昇が既に終わってしまっている場合、固定金利に変えることそのものが不利です。

金融政策と10年国債利回りをチェック

もし、変動金利で住宅ローンを借りていて、金利が上がりそうになったら上昇前に上手く固定金利に切り替えたいと思うのであれば、金融政策と金利動向を日頃からチェックしておくことになります。

そうなると最低限、日本銀行の金融政策と10年国債利回りの動きをチェックすることになると考えられます。日本銀行は一定期間ごとに開催する金融政策決定会合で金融政策の変更を決定します。金融政策決定会合の日程や結果は日本銀行のホームページに掲載されていますので定期的に確認しておくと良いでしょう。

また、日々の金利の変化は日本の10年国債利回りの動きを確認すると把握できます。金融市場の動きがまとめられたウェブサイトや銀行や証券会社のウェブサイトなどで情報を得ることができます。また、財務省のウェブサイトでも10年国債利回りの情報を確認することができます。

まとめ

  • 住宅ローンの固定金利は市場金利の影響を強く受ける一方、変動金利は日本銀行の金融政策の影響を強く受けるため、変動金利よりも先に固定金利が変化する傾向があります。また、金利の動きはなじみが薄いため変化に気づくのが遅れる可能性があります。
  • そのため、金利が上昇しそうになったら、金利が上昇する前に変動金利から固定金利に切り替えて金利上昇リスクを回避しようとするのは実際にはかなり難しいと考えられます。

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【住宅ローンで金利上昇前に変動金利から固定金利への切り替えは難しいの記事は終わりです】

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