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住宅ローンの変動金利と固定金利はどっちが得か

記事作成日:2018年8月14日
最終更新日:2022年7月24日

住宅ローンの変動金利と固定金利はどっちが得か

住宅ローンで変動金利と固定金利(一定期間型、全期間型)のどっちを選ぶと得になるかについての考え方・選び方についてです。どちらが最終的に得になるかは借入時の金利水準、借入期間の長さ、借入期間中の金利変動によるため、金利がどのように動くとみているかが重要になります。

変動金利を選ぶと金利変動リスクがある代わりに、相対的に低い金利で借りられます。固定金利を選ぶと金利変動リスクを無くせる(全期間固定)あるいは減らせる(一定期間固定)代わりに、相対的に高い金利で借りることになってしまいます。変動金利と固定金利のどっちが良いのかについての考え方について説明します。

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住宅ローンの金利の種類

住宅ローンの金利の種類は大きく分けて、変動金利型、一定期間固定金利型、全期間固定金利型の3種類があります。変動金利は名前の通り金利が変動するタイプ、一定期間固定金利型は2年、5年、10年など一定の期間は金利が固定され、その後は再び金利タイプを選ぶタイプ、全期間固定金利型は借入期間の全期間にわたって金利が固定されるタイプです。

金利水準は、通常「変動金利<一定期間固定金利<全期間固定金利」となり、変動金利の金利は低く、全期間固定金利の金利は高くなります。

  • 変動金利
  • 一定期間固定金利
  • 全期間固定金利

住宅ローンの金利は何に連動しているか確認する

住宅ローンを借りる時は借り入れ金利が何に連動して変化するかを確認しておくことが重要です。

変動金利型

変動金利型は、通常日本銀行の政策金利に連動する金利に連動するため、政策金利に連動すると考えて良いのですが、一部の金融機関の変動金利型の住宅ローンは市場の短期金利など政策金利以外の要素によって変動することがあります。

市場の金利は変動が大きくなることもありますが、日本銀行の政策金利の変動は相対的に小さい、あまり動かない傾向があるため、政策金利に連動する変動金利型は、市場金利上昇時にも大きく上昇しない可能性もあります。

固定金利型

一方、固定金利(一定期間型、全期間型)は基本的に対応する年限の市場金利に連動するため、市場の金利変動の影響を受けやすくなります。ただし、全期間固定金利型は、最初に選択した後は借入金利が固定されるため、借り入れ後は変動しません。

  • 変動金利型:政策金利か市場の短期金利に連動
  • 一定期間固定金利型:市場金利に連動(借り入れ後は固定だが期間経過後再選択)
  • 全期間固定金利型:借入時のみ市場金利に連動(借り入れ後は固定)

金利が低い時は固定金利で金利が高い時は変動金利

変動金利と固定金利を選択する時は金利の負担と金利変動のリスクについてバランスよく配慮することが大切です。そして、金利が低い時は将来金利が上がる可能性が相対的に高く、金利が高い時には将来金利が下がる可能性が相対的に高くなると考えられます。そのため、金利が低い時は金利上昇リスクを回避するため固定金利、金利が高い時は金利低下のメリットを得られるよう変動金利を選ぶという考え方が基本となります。

金利が低いなら、金利が上がる可能性があるため固定金利にして、金利上昇リスクの影響を受けないようにします。金利が低い時は、固定金利を選んでもそれほど金利が高くならないため、家計への負担も抑えられます。

金利が高いなら、金利が上がる可能性は低く、金利が下がる可能性があるため変動金利にして、金利低下の恩恵を受けられるようにします。金利が高い時に金利を固定してしまうと高い金利で利息を支払い続けることになるため、できれば避けたいところです。

ただし、これはあくまで基本的な考え方であって全ての場面で必ず最善となるという訳ではありません。日本の金利環境は低金利が長期間継続しているためです。

低金利が長期間続く場合に固定金利は損をする可能性

金利が低いなら固定金利、金利が高いなら変動金利という基本的な考え方が当てはまらないこともあります。例えば、日本でも見られた低金利が返済期間のうち大部分を占めるほど長期間続くような場合です。

変動金利には金利上昇リスクがある代わりに、金利水準は固定金利より低くなる傾向があります。そのため、低金利が長期間続き、金利が上がらないにも関わらず、相対的に高い金利の固定金利を選ぶと、多めに利息を支払わなければいけなくなってしまい損をすることがあります。

低金利ならば固定金利を選べばよいとは必ずしも言い切れません。そのため、金利水準、金利上昇リスクをどこまで負担できるか、将来金利が上昇する可能性を総合的に考慮しなければいけません。

一定期間固定金利型はいいとこ取りでもあり中途半端でもある

一定期間固定金利型は、変動金利と全期間固定金利型の良いところ(メリット)を組み合わせた性質がありますが、悪いところ(デメリット)も組み合わさっており、中途半端なタイプでもあります。

一定期間は金利が固定されますが、変動金利よりは金利水準が高くなります。そして、一定期間が経過した後は金利タイプを選択しなおします(選択肢がなく決められている場合もあります)が、その時までに金利が上がっていれば、変動金利と同様に金利上昇の影響を受けてしまいます。つまり、固定金利でありながら、変動金利の性質を帯びています。

一定期間固定金利型は、中間型・折衷案であるため、変動金利型と全期間固定金利型のどちらも選び難い場合に選択肢となることがありますが、中途半端になってしまうこともあることに注意が必要です。

変動か固定かを決めるためには金利の水準や見通しを考慮する

変動金利と固定金利のどちらにするかを決めるためには、現在の金利水準が高いかどうかということと、政策金利や市場金利の見通しがどうなるかを考慮しなければいけません。

金利水準については、「市場金利=潜在的経済成長率+期待インフレ率+リスクプレミアム」の考え方が役に立ちますが、長期間にわたる政策金利や市場金利の見通しを予想するのは極めて難しい部分があります。

日本でゼロ金利政策が始まったころに長期間低金利が続くことを正確に見通すことは困難であったと考えられます。金融市場のプロでも正確に見通すことは難しいです。そのため、複数の可能性を考えた上で、どのくらいリスクを負うのかを考える必要があります。

変動金利と固定金利はどっちが得か

住宅ローンで利息負担を少しでも減らしたいなら借入金利が低い変動金利を選ぶということになりますが、変動金利には金利上昇リスクがあります。そのため、金利水準と金利変動によるリスクをバランスよく考える必要があります。

住宅ローンの基本的な考え方は、金利変動のリスクを考慮して、金利が低い時は固定金利(全期間固定金利型)、金利が高い時は変動金利を選ぶということになりますが、金利の見通し次第では修正する必要があります。

例えば、全期間固定金利型を選ぶことで、金利上昇リスクを排除することができ、将来の住宅ローンの支払い金額が確定するため家計の見通しが立ちやすくなります。ただし、金利負担は大きくなります。

しかし、金利が低い状態が長期化する可能性がある場合、金利水準が低い変動金利を選んでもよい場合があります。仮に金利上昇が小幅であれば、全期間固定金利型よりも低い金利水準を維持することがあるためです。

ただし、変動金利の場合には、金利が上昇しても家計が破綻しないように一定程度の金利上昇を織り込んでおくことが重要です。また、想定以上の金利上昇が発生した場合、家計のやりくりが困難となるリスクがあることも考慮しなければいけません。

また、家計の安全性の観点から見ると、支払いの変動を抑えたい、保守的に考えたい、安全性を重視したいという場合には、金利変動のリスクがない全期間固定金利を検討することになります。繰り上げ返済を活用していくため、当初の支払いをできる限り抑えたいという場合や借入期間が比較的短い場合には変動金利型を活用した方がよいこともあります。

  • リスクを負ってでも今の借入金利を低くしたい、当初の支払いを抑えたい→変動金利(リスクあり)
  • 借入時の金利が低く将来の金利上昇リスクを抑えたい→全期間固定金利型
  • 借入時の金利が高く将来金利低下のメリットを得たい変動金利型(リスクあり)
  • 金利が低い状態が長期間続くと予想→変動金利型もあり(リスクあり)
  • 利息負担が増えても将来の金利上昇による支払い増加リスクをなくしたい→全期間固定金利型

まとめ

  • 住宅ローンの変動金利と固定金利のどちらを選ぶべきかについての基本的な考え方は、金利が低い時には全期間固定金利型などの固定金利を選んで低い金利を固定し、金利が高い時には変動金利型を選び金利が下がった時の恩恵を受けられるようにするというものです。
  • しかし、変動金利型よりも固定金利型(一定期間固定型、全期間固定型)の方が金利水準は高いため、金利が低い状態が長期間続くという場合には変動金利型を選んだ方が家計への負担を減らせる場合があります。ただし、金利の将来予測は難しいため、金利変動による利息負担増大のリスクがあります。

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【住宅ローンの変動金利と固定金利はどっちが得かの記事は終わりです】

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