おまとめローン等の借金の一本化のメリットと注意点やデメリット
記事作成日:2015年5月6日
最終更新日:2022年10月1日
おまとめローン、一本化ローン、借り換えローンなどの名称で、多重債務に陥っている人などの借金をまとめて一本化するため、複数の借入先への返済資金を融資してくれるローンがあります。利用限度額の大きいカードローンなども借金の一本化のための借り換えに使われることがあります。おまとめローンなどによって借金の一本化をすることによるメリットと注意点やデメリットについてです。
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おまとめローンとは
おまとめローンとは、複数の借金を1つの借金に借り換えることで借金を一本化してまとめるためのローンです。一本化ローン、借り換えローンなどと呼ばれることがあります。通常、おまとめローンは1度借り換えた後は返済だけを行うようになっていて追加の借り入れができないようになっています。借金の一本化専用のローン以外にも、借り入れ限度額が大きく金利が低いカードローンなどを利用して借金の一本化を行うことがあります。おまとめローンを利用することによって、借り入れ金利を下げることができ、毎月の返済負担を軽減することができます。
おまとめローンやローンの借り換えの特徴やメリット
おまとめローンなどの特徴やメリットについてです。
金利が下がる
借り換えでどのようなローンを選ぶかによって異なりますが、通常はおまとめローンなどで借り換えを行うと金利が下げることができます。借入金利が下がるので毎月の利息負担を減らすことができ、返済の負担が軽くなります。ただし、金利の低下幅や毎月の返済額の設定次第では利息の総支払額が借り換え前よりも増えてしまうことがあるため注意が必要です。
多重債務者でも借りられる場合がある
多重債務に陥っていても、おまとめローンは総量規制の対象外となる場合があり、既存の借金の返済を条件に融資が受けられる場合があります。審査があるため必ず利用できるとは限りませんが、債務整理などを利用せずに返済を行っていきたいという場合に役立つ場合があります。ただし、多重債務に陥っていて返済が苦しい場合は、おまとめローンで借金の一本化をしても元本が減るわけではないので、債務整理を先に検討した方が良い場合もあります。
毎月の支払金額が減ることも
おまとめローンなどで借り換えを行う場合、通常は毎月の返済金額が借り換え前よりも少なくなります。おまとめローンなどに借り換えることによって減った利息分だけ返済が減るようにする場合もありますが、元本の返済も以前よりも少なくして毎月の返済金額を減らすことがあります。例えば、毎月元本は5万円、金利は4万円、合計9万円を返済していたけども、借り換えて一本のローンにしたら元本が4万円、金利が3万円、合計7万円の返済になったというようなイメージです(イメージのための適当な数字です)。
毎月の支払い金額がおまとめローンなどの利用で減ると家計負担は軽くなりますが、借金の返済期間が伸びてしまい、利息の総支払額が増えてしまうことがあるため注意が必要です。
もちろん、借り換え後のおまとめローンなどで返済期間をどのように設定するかによって、毎月の支払い金額が借り換え前とほとんど変わらない場合や、借り換え前よりも増える場合もあります。
毎月1回の返済となり管理が楽になる
おまとめローンなどによって複数の借入先を一本化すると、毎月借入先ごとに行っていた返済が一本化され、返済は月に1回となるので、管理が楽になります。返済を忘れてしまったり、うっかりミスで口座が残高不足になってしまったりするリスクを減らすことができます。また、借入先が一つになることで、住所や電話番号の変更などの諸手続きを行う場合の負担も減らすことができます。
おまとめローンなどの注意点やデメリット
おまとめローンなどの注意点やデメリットについてです。
審査がある
おまとめローンなどで借り換えを行う場合、新しくローンを借りることになるため審査があります。審査の結果によっては断られる場合もありますし、新たにローンを借りるために書類の準備を行う必要があるほか、職場への在籍確認の電話など心理的に負担がかかる場合もあります。
ショッピングの分割払いやリボ払いが対象とならない場合がある
借金というと基本的にはキャッシングやカードローンというイメージがあるかもしれません。しかし、クレジットカードなどのショッピングの分割払いやリボ払いはキャッシングやカードローンと同様に借金の性質があるため、分割払いやリボ払いを一本化したいと考える場合があります。
おまとめローンなどの中にはキャッシングやカードローンの借り換えには対応していても、ショッピングの分割払いやリボ払いには対応していない場合があるため、キャッシングやカードローンよりもリボ払いの負担が重くなっている場合は借り換え先のローンがショッピングに対応しているか確認が必要となります。
金利がほとんど下がらない場合も
おまとめローンなどで借金を一本化する場合、通常以前よりも金利が低くなるように借り換えを行います。しかし、おまとめローンなどにも審査があるため、金利が低いおまとめローンを借りられず、金利が高いおまとめローンを借りざるを得ない場合があります。
借り換えによって金利があまり下がらない場合、おまとめローンを借りてもメリットが少ない場合があります。
毎月の返済額の設定によっては借り換え前よりも利息の総支払額が増えてしまうこともあります。
追加借り入れできない場合も
カードローンは利用限度額の範囲内であれば基本的にいつでも追加で新たにお金を借りることができますが、借金を一本化するためのおまとめ専用のローンは基本的に追加で新たに借り入れることはできないようになっていることに注意が必要です。例えばカードローンの返済なら返済した分はまた借りることもできるので、ぎりぎりまで返済して厳しかったら少しだけ借りるということができますが、おまとめローンは返済していくだけになるので計画的な返済が重要となってきます。
ローンの借り換えをどのようなローンで行うかによって行うかによって異なりますが、おまとめローンを利用する場合は追加で借り入れができなくなっても困らないように家計の見直しを行うとともに、緊急時に備えて手元にお金を残しておく必要があります。
完済したローンを解約しないと再度借金してしまう
おまとめローンなどで借金を一本化する場合、通常は借り換え前のローンを完済するだけでなく解約して再び利用できないようにします。しかし、借り換え時に借り換え前のローンの解約まで求められなかった場合、解約しないで利用限度額の枠だけ残しておくと、再び借金できてしまう場合があります。
折角おまとめローンなどによって借金を一本化しても、完済した借金の利用限度額の枠を残しておくと、家計が苦しくなった時に再び借金をしてしまうことがあります。借り換えで借金を一本化する時は、今までの借金の利用限度額を全て利用できなくないようにすることが重要です。もし、それでは家計のやりくりができそうにないと感じるのであれば、家計の見直しを行うか債務整理を検討する必要があります。
元本の減りが遅くなり利息総額が増えることも
おまとめローンを借りる場合、基本的には金利が下がるように借り換えを行うことになりますが、毎月の返済額が少なくなりすぎることによって元本の減りがおまとめ前よりも遅くなってしまうことがあります。借金の利息は・残高・金利・借入期間に左右されるため、借入金利が下がっても元本の減りが遅くなってしまい借入期間が伸びると総支払利息が以前よりも増えてしまうことがあります。
おまとめローンによって借り換えを行う場合は、毎月の返済額が変化すると返済期間がどのように変わるかを確認し、おまとめする前と後で利息の支払総額が増えないかどうか注意することが必要です。
過払い金を先に処理しないと損をする
いわゆる過払い金がある場合には、過払い金やグレーゾーン金利の問題を未解決のままの残高で借り換えてしまうと、必要以上の金額の融資を受けることになります。借り換えた先は、通常過払い金とは無関係となるため、過払い金の請求を行う場合は今まで借りていた相手に行うことになります。
手続きなどの面で面倒になりますので、過払い金などの請求が可能な場合は過払い金の請求を行って残高を減らすことを先に考えた方が良い場合があります。
まとめ
- おまとめローンなどを利用して借り換えを行い借金の一本化をすると、借入金利を下げ、毎月の返済金額を減らすことができます。借入先が1つになるため管理も楽になります。
- ただし、毎月の返済金額を減らし過ぎてしまうと、元本の減りが遅くなってしまい、借り換え前よりも利息の支払い総額が多くなってしまうことがあるため注意が必要です。