借金返済時は貯金や投資をすべきか
記事作成日:2015年5月10日
借金の返済を続けている時に貯金や投資・資産運用をするべきかどうかについて説明しています。貯金については、最低限の非常用のお金は持っておいた方が良いですがなるべく借金返済に回しましょう。投資については、借金を返すということはその借入金利分の利息を支払わなくて済むということですが、借金の金利はとても高いためほとんどの場合で投資よりも借金返済を優先した方がいいということになります。
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貯金は最低限で借金返済を優先
借金返済をしている間は、奨学金や住宅ローンなど金利が低い借金の返済の場合を除いて、多額の貯金をすることを目指すより、借金返済を優先しましょう。
金利が高い借金の場合
クレジットカードの分割払い、リボ払い、キャッシング、カードローンなどの借金の金利は多くの場合10%を超えていると思います。そのため、多額の貯金をするくらいなら、借金の返済に回した方がいいです。
ただし、いざという時のための備えがあった方がいいと思いますので、10~20万円位は緊急時、非常時のためのお金として貯金しておくのがいいと思います。
また、カードローンやキャッシングの場合は、返済分は限度額を減らさなければ再度借り入れができるため、出来る限り返済してしまって、いざという時は借りるという割り切り方もできるかもしれません。
再度借りなければ金利は発生しないので、何も起きなければ貯金よりぎりぎりまで返済するということがお得になりますが、借入枠よりも実際に貯金があった方が安心できるということと、いつでもまた借りられるという心理状態があまり良いとは思えないので、積極的にはお勧めはできません。
金利が低い借金の場合
金利が低い借金の場合は、繰り上げ返済をしないで、100万、200万という単位の貯金を作っても問題ありません。
ある程度手元にまとまったお金があった方が様々な事態に対応できますし、金利が低い借金は奨学金や住宅ローンが想定されますが、再度借り入れるということを想定する借金ではないからです。
その場合、繰り上げ返済で手元のお金を減らしてしまうことが逆に家計のゆとりをなくしてしまう場合もあります。金利分がもったいないのは確かですが、手元にある程度まとまったお金があることも大切です。
金利負担と手元のお金の残高のバランスを考えながら返済を進めましょう。住宅ローンや奨学金の返済時は数百万円単位で貯金があってもいいと思います。
投資・資産運用より借金返済
借金返済をしている間は、奨学金や住宅ローンなど金利が低い借金の返済の場合を除いて、投資や資産運用を考えるよりも先に借金返済を優先しましょう。
金利が高い借金の場合
クレジットカードの分割払い、リボ払い、キャッシング、カードローンなどの金利が高い借金は返済を優先します。
例えば借金が100万円、借入金利が15%の場合を想定します。手元に100万円の資金が手に入ったとすると、借金は1年で利息が15万円発生します。借金を返済すると15万円の支出をなくすことができます。一方、100万円で借金を返済せずに投資、資産運用を行う場合は利息の15万円以上、つまり借入金利の15%以上の利益を1年で得られないと損することになります。
投資や資産運用で年率15%以上のリターンを狙うのはなかなか大変なことです。株式市場の環境が良い時は年に10%、20%のリターンは簡単に稼げてしまう時がありますが、株式市場は下がることもあります。
投資で年率10%以上のリターンを安定的に得るのは結構しんどいです。また、まとまった資金がないと利益の額は大きくなりませんし、まとまったお金があればやはり借金に苦しんでいないでしょう。
借金返済をしていれば確実に借入金利15%分の家計の改善効果があるのに、投信や資産運用ではどちらに転ぶか分かりません。借金がある場合は、借金返済こそが一番の資産運用になります。
借入金利が高い借金を抱えている場合、基本的には投資や資産運用を考えるよりも借金残高を0にすることを考えましょう。
金利が低い借金の場合
奨学金や住宅ローンなどは借入金利が1%前後の極めて低い場合があります。手元にまとまったお金が入った時は、借入金利を大幅に上回ることが見込める環境なら投資、資産運用に踏み切っても良いかもしれません。
ただし、投資、資産運用は思うような成果が上げられない場合があることに注意が必要です。
また、借入金利が変動金利となっている場合は、金利が上昇し、借入金利を大幅に上回る成果が期待できなくなることが見込まれる場合は、その時点で資産運用していた資金を返済に回しましょう。借入金利と運用利率の大小を意識すると判断がしやすくなると思います。
住宅ローンは何十年にも及ぶものですが、住宅ローンを借りている間は投資や資産運用をしないとなると、人生の長い期間、投資や資産運用をしないということになり兼ねません。借金があっても、投資や資産運用の方が合理的な行動となる場合もあります。