生活に役立つお金の知識と情報です。
※本サイトは広告を掲載しています。

多くの奨学金は借金であることに注意する

記事作成日:2015年11月20日
最終更新日:2022年7月11日

多くの奨学金は借金であることに注意する

奨学金とは文字の通り学業を奨励するお金で、主に大学進学のための学費や教材費、生活費などのために用いられます。しかし、奨学金はタダでもらえるお金とは限らず、奨学金には返済義務がない給付型と、返済義務がある貸与型があります。そして貸与型には借りた額が返済額となる無利子型のものと、利息が付く有利子型のものがあります。さらに有利子型のものには固定金利のものと変動金利のものがあります。

日本では、貸与型の奨学金が一般的で、給付型の奨学金は限られていて、学業が優秀など本人の能力が著しく高い場合に支給されることがあります。しかし、返済義務がある奨学金であっても、借金と認識されていない場合があります。

スポンサーリンク

日本の奨学金の多くは借金

奨学金は学業を奨励するお金ということで印象が良い言葉かもしれませんが、貸与型の奨学金はただの借金です。分かりやすく言えば学生がする借金、学生ローンです。貸与型の奨学金は借金なので返済しなければならず、大学卒業後に長い期間をかけ、30代から40代頃まで返済が続くことになるため、家計や生活の状況を左右してしまう場合があります。

奨学金は借りる意味がある借金

利息負担がある借金はできるだけするものではありませんが、奨学金は借りてもよい借金です。

奨学金は通常大学などに通うために活用されますが、大学に通う場合はほとんどの場合、高等学校を卒業した後、社会人として働き始める前に通うことになります。つまり、人生で通う時期に目安があることになります。必ず高校卒業後、社会人になる前の18歳頃から20代前半でなければならないということではないのですが、この時期に通っておいた方が都合の良いことも多いです。

そのため、お金が無いからお金が貯まるまで待ってから通うという訳にもいかないのが現状です。また、大学に進学することで、実際の大学教育にどれだけの効果があるかは別として、教育によって仕事に必要な能力が高まる(人的資本の蓄積)ことや、大学に通う能力があることを示す(シグナリング効果)などから生涯の賃金が高まる効果があると考えられるため、教育投資は収入を増やす手段として合理性があります。

つまり、大学入学には適した時期があることになります。通常は借金をして利息負担のマイナスの分を抱えて通った場合でも、一生涯で返ってくるプラスの部分が大きくなると考えられ、人生で時期をずらせないこともあって、借りても良い借金だと考えられます。

4年後の卒業時の返すあては分からない

借金は返す当てがなければ借りてはいけないものです。奨学金は大学などの卒業後に返済が始まりますが、借りる時点と返し始める時点が異なるため、将来の返済能力が分からないまま借りることになります。つまり、大学進学のための借金は、4年後の卒業時からどのように返済をしていくことになるのか、借りる時点での予測が困難なのです。

奨学金を借りるという決定をするのは通常大学入学前ですが、どんな職業が世の中にあるのか、働くとはどういうことなのかをしっかり理解している人は極めて少数だと考えられます。

また、大学在学中に、学業や社会に対する見識を深めることによって、関心がある分野や就きたい職業は変わっていく可能性があります。さらに大学は通常4年間ですが、経済や社会の状勢、新卒の採用状況は入学時からは変わっている可能性もあります。

そのため、借りる時点で、4年後の返済開始時点の収入や返す当てを想定するのは極めて難しいのです。そのため、借金の借り入れはなるべく抑えるようにするのが本来は望ましいのです。

貸与型の奨学金の返済負担は大きいが大学進学のメリットは大きい

貸与型の奨学金を借りると4年間の大学卒業後には数百万円程度の借金を抱えることになります。多く借りた場合、1千万円を超える借金となる場合もあります。奨学金は過度な経済的負担にならないような配慮がされていて、低金利となっていたり、返済期間が長期間になっていたりするのですが、それでも家計の負担になることには変わりありません。毎月1万円から2万円程度の返済金額であっても、収入が低い場合にはかなりの負担感になります。

そのため、学びたいことがはっきりしない、大学に行く目的が分からない場合には進学しないで、働いたほうがいいのではないかと考える場合があります。わざわざ多額の借金をして大学に通わなくても、働けばいいのではないかという考え方です。一理ある考え方なのですが、そもそも大学に進学するような10代後半の時期は、長い人生の中で成長する過程にあります。10代後半の時期に、自分の将来の姿がしっかり描けているような人は逆にほとんどいないのではないでしょうか。

大学での学業や大学生としての生活、アルバイトやサークル活動など、人生のモラトリアム(猶予)的な期間を通じて、社会について徐々に接する機会が増えて、自分が進む道が漠然と感じられるようになってくるのではないでしょうか。

もちろん後から大学に通うこともできますが、日本では多くの人の流れからは外れてしまうため、通常の働き方をしようとすると就職しづらくなったり年収が低くなったりするリスクが高まりやすいです。

モラトリアム的な、人によっては勉強をしないでほとんど遊んでいるような期間に対して多額の借金はできないという考え方も、もちろん合理的ではあるのですが、日本の社会では高校卒業ではなく大学卒業ということが持っている意味が大きいことも踏まえると、進学したいと少しでも思うなら、借金による大学進学もありではないでしょうか。

借りる時は奨学金の借金の重みが実感できない

奨学金を借りるという決定をするのは大学に入学する前、高等学校を卒業したばかりの満18歳になった直後かぎりぎりなっていない頃です。奨学金は大学の4年間借りた場合、数百万円から1千万円程度になることはもちろん計算すれば理解できるのですが、あまりに大きな金額過ぎて、金銭感覚が麻痺してしまうことが多いのです。

特に無利息か低金利で長期間返済することになるため、月の返済金額に直すと、おおよそ1万円から2万円前後になる場合が多いはずです。月1万円、2万円なら何とかなるんじゃないかと軽い気持ちで考えてしまっていることが多いと思います。

しかし、この返済は大学卒業後の30代から40代頃まで続くことになる長期のものなので、かなり重たい負担になります。安易な気持ちで借りないで、借りる金額をなるべく減らさなければいけません。

なるべく借金は避けるか減らす

借金の鉄則として、借りる金額は最小限に抑えるべきですし、なるべく金利は低く借りるべきです。一番いいのは給付型の奨学金をもらうことです。

学力の問題が影響しますが、まず同じような内容を勉強できるのであれば、学費が一般的には安くなる国立や公立の大学に進学し学費を抑えることが重要です。また、実家から通う、安い部屋を借りるといった住居費の節約のほか、自炊をするなどして、大学生活での生活費を最大限抑える方法を考えなければいけません。さらに、学業に支障がない範囲で、アルバイトなどにも挑戦してみることも検討すべきです。

大学生活に必要なお金を最小限にとどめ、少しでも収入を確保することで、借りるお金を抑えることができます。奨学金は借金であることを強く意識して、なるべく借りないで済むように考えておきましょう。

まとめ

  • 奨学金には返済義務がない給付型と返済義務がある貸与型があり、日本では貸与型が主流です。
  • 貸与型の奨学金は借金なので、将来の家計への影響を考え、借り過ぎないようにしなければいけません。

スポンサーリンク

【多くの奨学金は借金であることに注意するの記事は終わりです】

「借金と返済|お金を借りる」のページに戻る



SNSでシェア・ブックマーク・後で読む

Twitter Facebook LINE はてな Pocket
最近よく読まれているページ
家計・節約のおすすめページ

ページの先頭へ