タンス預金とは?タンス預金のメリットとデメリット
記事作成日:2016年1月31日
タンス預金のメリットやデメリット、タンス預金が活用される場面などについて説明しています。タンス預金は盗難や紛失のリスクが大きくあまりメリットがありません。ただ、銀行などの金融機関に置いていないお金という点から、預金の引き出し制限があった時には便利かもしれません。しかし、タンス預金は基本的にお勧めできるものではありません。
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タンス預金とは
タンス預金とは、お金を銀行などの金融機関に預けるのではなく、自宅のタンスに入れたままにしておくことを言います。へそくりもタンス預金の一種であると考えることができます。もちろん、保管場所はタンスに限らず自宅内のどこでも構いません。
タンス預金のメリット・タンス預金をする理由
タンス預金の利点や活用される場面を紹介します。
ペイオフ対策として
金融機関に預金としてお金を預けておくと、万が一金融機関が破綻した場合、ペイオフにより一定限度までしか保護されない場合があります。金融機関の破綻懸念が強い場合には、タンス預金によってお金を守ろうとする場合があります。
預金封鎖に対応できる
金融機関の経営が不振に陥った場合や国全体の金融システムに不安が生じた場合には、預金封鎖と呼ばれる一定の預金引き出し制限がかかる可能性があります。預金の引き出しに制限がかかった場合にはタンス預金であれば、自由にお金を使うことができます。
マイナス金利への対策
中央銀行が金融緩和を行い、マイナス金利政策を導入すると、銀行などの預金を取り扱う金融機関が預金の金利をマイナスとする可能性があります。実際問題としては、預金の流出につながるため預金でマイナス金利を導入することは考えづらいのですが、特殊な自体が全くないとは言い切れません。預金をするとお金が引かれるマイナス金利の場合にはタンス預金を活用する意味が出てきます。
引出の手間や手数料を省くため
金融機関を利用すると預金の引き出しの手間や手数料が必要になることがあります。例えば金融機関が少ない地域や高齢などの理由により移動が難しい場合には、ある程度手元に現金を置いておくようになる場合があります。
利子がつかないため
金融緩和政策により市場金利が低金利となっている場合、銀行などにお金を預けてもほとんど利子がつかないことがあります。利子がつかないのであれば、わざわざ金融機関に預ける必要はないと思い、自宅で保管してしまうことがあります。
タンス預金のデメリット・問題点
タンス預金には不利になる部分もたくさんあります。
利息が付かない
タンス預金のデメリットとして利息が付かないことが挙げられます。超低金利時代であれば銀行にお金を預けてもほとんど利息が付かないかもしれませんが、タンス預金の金額が多くなるほど利息が付かないことによる機会損失は大きくなります。
インフレで価値が目減り
利息が付かないことと同じような意味ですが、タンス預金のデメリットとしてインフレによる物価上昇時に価値が減ってしまうということがあります。500円の商品が600円に値上がりすると、3000円持っていた場合値上がり前は商品6個分(3000÷500=6)の価値がありますが、値上がり後は5個分(3000÷600=5)の価値しかなくなります。タンス預金はインフレに弱いと言えます。
盗難
タンス預金のリスクとして盗難が挙げられます。タンス預金はタンスなどにお金をしまっておきますが、自宅に大金があることになるので泥棒が入った場合には盗まれてしまう可能性があります。火災保険では盗難による現金の損害は、通常補償されますが、上限が決まっていて少額しか補償されません。
また、第三者による盗難だけでなく、家庭内での盗難も考えられます。盗難というような意識ではなく、お金が無いのでちょっと貸してもらう程度の認識で、家族の誰かが勝手にタンス預金で貯めているお金を使いこんでしまう可能性もあります。
火災
タンス預金では火災による焼失のリスクもあります。自宅が火事に見舞われた場合、お金を貯めていたタンスが焼失していまい、お金も一緒に燃えてしまうという可能性があります。火災保険では現金は保険の対象とされていないため盗難の場合を除いて補償対象となりません。
水災・津波
地域によっては水災や津波によるリスクもあります。家にタンス預金でお金を貯めていた場合、水災や津波が発生した場合、お金を貯めていたタンスが流されてしまって、お金も一緒にどこかに行ってしまうリスクがあります。火災保険では現金は保険の対象とされていないため盗難の場合を除いて補償対象となりません。
紛失・誤廃棄
タンス預金のデメリットの1つに紛失や誤廃棄があります。貯めていたお金を無くしてしまう、謝って捨ててしまう可能性です。リサイクル品やゴミなどから高額の現金が見つかるということがたまにありますが、謝って現金が入った家具を売却したり、廃棄したりしてしまったことによるものです。下手をすると貯めている本人も存在を忘れてしまうことがあります。
特に注意しなければいけないのは家族の他の誰も存在を知らない場合に、貯めていた本人が死亡してしまった場合です。遺品を整理する過程で気づけばいいのですが、存在にしばらく気づかず時間が経ってから発見されると遺産分割や税金の面で手続きが煩雑になる可能性があります。また、存在に気づけばいいのですが、お金を貯めていた箱や袋などをゴミだと勘違いして誤廃棄してしまうリスクがあります。
管理が甘くなる
盗難のデメリットとも重なる部分がありますが、タンス預金は管理が甘くなってしまうことがあります。いつの間にか少しだけ減っていても気づかない可能性があります。誰かがお金を少しずつ使っている場合、発覚が遅くなることがあります。
タンス預金はお勧めしませんが手元の現金も必要
基本的にタンス預金はお勧めしません。盗難や火災などのリスクがあるためです。タンス預金の金額が多くなればなるほど、リスクも大きくなります。ただし、預金をする場合には金融機関の安全性を見極めることとペイオフや預金保険制度を理解することが重要になります。
また、タンス預金はお勧めしませんが、何かの非常事態に備えて一定金額の手元の現金を確保することも重要であると考えられます。いざという時すぐに使えるお金というものは大切です。盗難や火災のリスクも踏まえつつ、少額でも手元の現金は備えとして持っておいた方がよいと考えられます。
まとめ
- タンス預金とは、お金を銀行に預けないで自宅のタンスなどに保管することを言います。
- タンス預金には盗難や火災のリスクがあるためお勧めしません。