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預金封鎖や預金引き出し制限が起きる状況と対応策

記事作成日:2016年2月1日

金融システムへの懸念が高まると、預金者が銀行に押し寄せて預金を一斉に引き出そうとする取り付け騒ぎが起こることがあります。普段はあまり意識をすることがないと思いますが、日本でも金融機関が破綻することはあります。また、政府の財政への懸念が高まった場合も、預金を引き出す動きが強まることがあります。

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預金封鎖とは

預金封鎖とは金融機関からの預金の引き出しを制限することです。預金封鎖は、個々の金融機関で行われるものと国全体で行われるものの2つのパターンがあります。

個々の金融機関で行われるもの

預金封鎖の1つのパターンがある特定の金融機関の破綻の懸念が高まった時に行われる預金封鎖です。ある程度の資金を準備していても、短期間で預金者が銀行に押し寄せて一気にお金を降ろすと資金繰りに行き詰ってしまう可能性があるほか、銀行に預金の引き出しを求めるお客さんの長蛇の列が他の人にも心理的に良くない影響を与えることから、経営や世間への影響を懸念して引き出しを制限する場合です。

一応、何とか破綻を回避しようとするための動きなのですが、結果的に破綻に至ってしまう場合もあります。金融機関に限らなければ似た現象はしばしばみられていて、経営不安になった会社がある時突然営業を停止し、本社には鍵がかかりもぬけの殻というような状態です。債権者が押し寄せますが、誰もいない状態ということになります。

国全体の預金封鎖

金融システムへの不安から金融機関の破綻の可能性が意識された場合、人々が一斉に預金を引き出そうとすることがあります。多くの銀行から一斉に預金が引き出されてしまうと、金融機能が麻痺し国民生活が大混乱に陥る可能性があります。そのため、国全体で短期間での急激な預金流出を防ぐ目的で預金封鎖が行われる場合があります。また、国家財政が危機にある時に預金を封鎖して、預金に課税する可能性も考えられます。いわゆる資産税と呼ばれるものです。

最近の例では財政危機に陥ったキプロスで2013年に預金の引き出し制限と預金への課税が行われました。そして2015年には6月の国際通貨基金(IMF)への返済を延滞し預金引き出しが急増したギリシャで預金の引き出し制限が行われました。預金封鎖は突然やらないと効果が薄れるため、予告なくいきなり実施されます。日本でも戦後の占領下の特殊な体制ではありましたが、1946年に預金封鎖が行われたことがあります。

日本で預金封鎖はあるのか

日本では預金封鎖はあるのでしょうか?金融機関の経営状況が悪化し個々の金融機関で預金が封鎖されたり、引き出し制限がかかったりする可能性は今後もあると考えられます。不景気になると経営機関であっても破綻することがあるためです。

一方で、国全体の預金封鎖については、現在では金融システムの健全性が高まっているため、短期的には預金封鎖が行われる可能性は低いと考えられます。しかし、将来日本の経済や金融に異変が起きる可能性はゼロではありません。考える可能性の1つに財政悪化が引き金となる可能性があります。

日本の財政状況は厳しい

日本の財政状況は危機的な状況にあります。海外の国と比べて消費税率の引き上げ余地があることや国内で国債が多く保有されていることから、すぐに破綻する可能性は低いと考えられますが、厳しい状況にあることには変わりありません。今後、少子高齢化によって人口が減少すれば更に危機的な状況に陥る可能性があります。

国全体での預金封鎖の実施は難しい

個別の金融機関の経営危機による預金封鎖よりも国家財政の危機を受けた預金封鎖の方が当然影響が大きくなります。預金封鎖は国民の生活に直接的に大きな影響を与えるため民主主義国家で実施することは難しいと考えられますが、世界的に見れば実施された例があります。日本でも実施例があります。国家の危機ともいえる非常時にしか実施は困難だと考えられますが、国家の危機が今後来ないとは言い切れません。

国家財政が厳しい時の対応方法

国家財政が厳しくなった場合には、(1)所得税や消費税、法人税、財産税などによる増税や、(2)社会保障費用などの歳出削減、(3)インフレによる実質的な債務の削減、(4)債権者から債務の減免を受けることなどの対策が考えられます。(1)で預金などに対して財産税を課す場合には預金封鎖が行われる可能性があります。

財政危機に陥った際には預金封鎖がすぐに実施されるというよりも他の手段が模索されると考えられます。可能性が高いのは消費税の増税、歳出削減、インフレです。

消費税の増税

財政危機に対して増税で乗り切る可能性は比較的高いと考えられます。消費税が2014年4月に5%から8%に引き上げられて日本経済は減速しましたが、海外では消費税率がもっと高い国もあります。そのため、消費税率を10%を超えてさらに引き上げられる可能性があります。

歳出削減

財政危機が陥った時には年金や医療など社会保障費用が削減される可能性があります。年金は完全になくしてしまうと高齢者の生活が困難となり、社会不安や若者の勤労意欲の低下などを招く恐れがあるため、完全になくすのではなく金額の削減の可能性が高くなります。また、年金支給年齢の引き上げも年金の削減の一種です。医療については自己負担の比率を引き上げるなどの方法が考えられます。

インフレ

日本国内での国債の引き受け手が少なくなってきた場合、海外の投資家は高い利回りを要求することになるため、国内の金利が上昇すること、国家の信用状況が悪化すれば円安につながる可能性があることから、インフレが発生する可能性が高いです。

インフレが発生すれば、国家債務の負担は実質的に減ります。また同時に現金や預金の価値も実質的に減ることになるため、事実上の預金課税となる可能性があります。

追い詰められれば預金封鎖の可能性も

日本の財政状態や金融システムが危機的な状況に陥った場合、可能性は高くはないとみられますが、預金封鎖の可能性はゼロではありません。非常時でやむを得ないということであれば、何かの形で実施される可能性があります。

預金封鎖や預金引き出し制限への対策は

預金封鎖や預金引き出し制限は預金が対象となるため、預金以外に資産を分散しておくことが対策となります。また、国内の資産だけではなく、海外の資産に分散することも考えられます。

日常生活のためには小口の現金

預金封鎖が行われる場合でも、現金の流通を完全に止めてしまうと、経済活動が止まり、暴動などの社会不安に陥る可能性があるため、少額の引き出しを認める場合や小口の現金や預金は保護する可能性があります。そのため、預金封鎖が行われた場合でも、少額の現金は価値が残る可能性があるため、生活のために常にタンス預金などで少額の現金を持っておくといざという時、少しだけ役に立ちます。

外国資産

預金封鎖が行われるような危機的な状態では国家間の資金のやりとりにも規制がかかる可能性が高いですが、海外に資産を持っておけば危機が過ぎた後に資産が残っている可能性があります。ただし、国内の金融機関で外貨建て資産を持っていては意味がないため、海外の金融機関で資産を保有しておく必要がありますが、海外資産への課税が行われる可能性もあります。

ただし、外国に資産を持つことによって管理コストや為替コストが発生するため、そこまでする価値があるのか慎重に考える必要があります。特に巨額の資産があるわけではない場合には効果が薄い場合があります。

なお、ドルを預金ではなく紙幣を持っておくことは効果があるかもしれません。預金と手持ちの紙幣では把握の難易度に差があり、規制にも差が出る可能性があります。つまり、預金は規制がかかる可能性が高く、手持ちのドル紙幣は実際の規制が難しいと考えられます。

実物資産

生活や経済活動などに役立つ実物資産を持っていると危機が過ぎ去った後に役に立つ可能性があります。土地や不動産は何らかの財産課税が行われる可能性があるため、微妙な部分はありますが、生活必需品で価値があるもの、経済活動で役に立つものなどを持っていると資産価値を維持できる可能性があります。

まとめ

  • 預金封鎖の可能性は現時点では高くはないが可能性は頭の中で意識しておくことが大切です
  • 預金封鎖の対策のためには資産を分散することが考えられます。日常生活に必要な現金、外国の資産、生活や経済活動に必要な実物資産などに資産を分散させておくと対策になる可能性があります。

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【預金封鎖や預金引き出し制限が起きる状況と対応策の記事は終わりです】

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