家計の資産と負債を把握する
記事作成日:2015年6月6日
家計の資産と負債を把握する方法について説明しています。家計の現状を把握することで家計の状態を確認することができます。家計の管理というと、毎月の収支に目が行きがちになってしまいますが、資産と負債の変化に着目することも大切です。定期的に資産と負債(借金)の残高についてももれがないように把握することが重要です。
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資産と負債を把握することの大切さ
家計管理をしていく上で家計の資産と負債を把握することはとても大切です。資産がちゃんと増えているかどうかを定期的にチェックすることで家計の状態が良くなっているのか悪くなっているのか分かりますし、資産がどのくらいあるか分かれば将来への備えがどれくらいできているかなどが分かります。また、負債を把握しているとどのくらい返済が続くのかや資産と比べて負債は多すぎないかなどか分かります。
資産を把握する
家計の資産を把握する方法について説明しています。資産には金融資産と実物資産がありますが、金融資産は全て把握し、実物資産は換金できるものやローンなどで購入したものを把握しておきます。
金融資産とは
金融資産とは、現金や預金・貯金、株式、債券、投資信託、保険金、ゴルフ会員権、商品券など、お金そのものかお金を何かの形で得られる権利を指します。政府や中央銀行、企業などの発行体の信用力に価値が左右されるもので、信用力がなくなってお金として使うあるいはお金を得ることが出来なければ「ただの紙切れ」になってしまうもので、金融資産自体は通常別の用途を持っていません。土地や建物、自動車などの実物資産と対比して使われます。
実物資産とは
実物資産とは、土地や建物、自動車、バイク、機械、美術品、骨董品、楽器、金、貴金属、宝石類、時計、衣類、バッグなど金融資産以外のあらゆる物で、金銭的な価値を持っていて、売却などによりお金に交換することもできますが、現実的に何らかの用途を持っているものです。金融資産と比べると迅速にはお金に換えられない場合があります。金融資産と対比して使われます。
現金はタンス預金などに注意
現金は持っているものを全て確認しましょう。タンス預金などは見逃しやすいので気をつけましょう。自分以外誰も存在を知らないお金は、自分に何かあった時他の人が知らないまま間違えて捨ててしまう可能性もあるので、家族には知らせておいた方がいいと思います。また、外貨を持っている場合は為替レートを参考に日本円にして金額を調べます。
預金・貯金は通帳を確認
預金や貯金を把握するためには通帳を確認します。通帳は一定期間記帳しないとまとめた金額で記帳されていまうことがあるため、こまめに記帳に行きましょう。いくつか口座が分散している場合はもれなく把握するようにしましょう。
社内預金や財形貯蓄等に注意
社内預金や財形貯蓄をしている場合は忘れずに残高を把握するようにしましょう。財形貯蓄は金融機関から残高が定期的に通知されているはずですから通知を確認しましょう。
株式や投資信託などは時価を確認
株式は株価、投資信託は基準価額から時価を知ることができます。未上場の株式を持っている場合はどうやったら換金できるか、換金したらいくら位になるかを調べましょう。友人の会社などの場合は実際のところ換金は極めて難しいので金銭的価値はあまり見込まない方がいいかもしれません。
債券は簡易的に把握する
日本国内で個人が投資可能なものには国債や社債があります。債券の時価については企業会計では会計のルールが決まっていますが、家計の場合は換金性を考えて、満期前に換金する場合いくらになるかということが分かる場合はその価格、そうでない場合は、購入金額を記録します。
保険金は解約返戻金を確認
保険金の場合は解約した場合の解約返戻金が分かる場合は確認しておきましょう。簡単に把握できない場合は、少し過大な金額になってしまいますが、満期時にもらえるお金を確認しましょう。ただし、保険事故がないなどもらえるお金に条件が付いている場合は、これから何が起こるかは分かりませんから、その分は含めないようにします。
実物資産は換金できるものを把握
実物資産は所有しているすべての物ということになりますが、現実的にはある程度の金額に換金できる可能性があるものを中心に把握します。
つまり買い手が付く可能性があるものということになります。最近では様々なものを買い取ってくれるリサイクルショップやネットオークションがあるため、一見値段が付かなさそうな物でも驚くような値段で取引されることがあります。例えばお金に困っていて1円でも多く収入が必要という場合には細かく実物資産を把握した方がいいですが、通常は少額のものは無視してかまいません。
実物資産は負債と関係するものも把握
入手する時にローンを借りるなど何らかの負債を関係する実物資産も価値を把握します。というのも、ローンなどが払えなくなった場合はその原因となった実物資産は通常売却などにより換金しローンの返済に充てることになるためです。あまり価値がなくても、負債と関係するものは価値を把握しておきましょう。
実物資産の価格の把握方法
実物資産は購入した価格ではなく、実際に売るとしたらいくらで売れるかということを想定して価格を決めます。
土地や建物は不動産探しのサイトなどで自分の持っている土地や建物に似た物件を探し出して相場を把握して金額をイメージします。自動車やバイクなども中古の取引価格を参考に金額をイメージします。美術品や骨董品などは価値が分からない場合は専門家に査定をお願いしてもいいでしょう。金などは買い取り相場が買い取り業者から公表されているので参考にするといいでしょう。その他のものは査定を依頼するか、オークションの取引相場などを参考にしましょう。
土地や建物で相続や遺贈、贈与などによって取得している場合は、権利関係がどうなっているか登記事項証明書を取得して確認しておくと安心です。また、取得した時にどのような税金の処理をしているか分かる場合は書類などを保管しておくと後々役に立つと思います。
資産を一覧にした表である財産目録を作る
家計の資産を把握したら資産を一覧にした表である財産目録を作りましょう。毎月1回作っていると家計の資産が貯まっていく様子が分かりますが、時間がない人は最低でも年に1度は作りましょう。資産の名称と現在の価格を記入します。
負債を把握する
家計の負債を把握する方法について説明しています。住宅ローンなどほか、分割払いの割賦金やクレジットカード、奨学金なども負債であることに注意しましょう。
金融負債を把握する
金融負債とは、住宅ローン、自動車ローン、カードローン、キャッシング、分割払いの割賦金などお金を返済する義務のことを言います。奨学金や携帯電話の割賦金なども負債です。その他クレジットカードの支払いも返済義務があるので負債です。リボ払いや分割払い、ボーナス払いなども金額を把握しておきましょう。
実物負債について
実物資産の反対の概念として実物負債を想定することができますが、現実的には用いられません。金融資産でも金融負債でもなく、実物資産でもないものと考えられます。例えば、持っているだけで金銭的な負担が強制的に発生する物ということになります。利用価値がなく所有することに対して強制的な金銭的な負担が発生する物ですが、強いてあげれば利用価値が全くなく固定資産税が発生する不動産などが想定できますが、固定資産税は不動産の価値に応じて決まるものですし、利用価値が全くない不動産というのもあまり一般的なものではないと思います。そのため、実物負債という概念は考慮しないことにします。
負債も一覧表を作る
資産と同じように負債も一覧表を作りましょう。負債の名称と負債残高を記録します。負債の場合は、借入金利や返済期間などを一緒にメモしておくと便利です。
純資産額を調べる
資産から負債を引いたものが家計の純資産です。純資産がプラスならひとまず安心ですが、マイナスの場合は非常に危険です。よくあるのが、住宅の売却価格が住宅ローン残高より少なくて貯金がほとんどないか、カードローンやキャッシングを大量に借りている場合です。早急な家計改善をする必要があります。