家計の支出は比率だけで考えない
記事作成日:2015年6月12日
家計の支出については、他の人の家計と比較する場合や良い家計の目安として比率で考える場合があります。手取り収入の何%といったような比率は大変便利なのですが、比率だけで考えてはいけません。比率だけを見ていると上手くいかない場合もあるので、比率と金額をバランスよく見ていくことが大切です。
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家計の支出は比率だけで考えてはいけない
家計の支出については、他の人の家計と比較する場合や、良い家計の目安として、比率で考える場合があります。手取り収入の何%といったような比率は大変便利なのですが、比率だけで考えてはいけません。
比率だけで考えると良くない例
収入が増えても増えるわけではない費用
収入が増えても収入が増えたのと同じようには増えない支出があります。例えば保険料です。自動車保険は収入が増えても減っても、収入の変化に対応して保険の内容を見直すということはないはずです。生命保険や医療保険も収入が増えたから保障内容を増やそうというようには通常ならないはずです。
光熱費も収入によって増減するわけではありません。家族の人数や生活スタイルによって変化するのであって、収入が増えたから電気を多く使おうとか、水をたくさん使おうとはならないはずです。
収入が増えたからと増やすと贅沢になる費用
収入に対する比率だけで考えていると、収入が増えると支出が増えることになってしまいます。例えば食費ですが、収入が増えたからと言って食べる人の数が増えるわけではありません。支出が増えるということは今までよりも贅沢になるということです。
これまでの生活が余程苦しくて食べたいものが全く食べられなかったので普通の水準に食生活を見直す、というのならまだ分かりますが、食費を普通に増やしてしまうと単に今よりも生活水準が上がるだけになってしまいます。
支出の比率と金額を合わせて考える
支出を収入に対する比率だけで考えてしまうと、収入が増えると支出もそれに伴って増えてしまうことになります。これは、収入が増えると生活水準を上げるということですが、家計で最もやってはいけないことです。
比率で考える場合、収入が増えたら支出の比率はその度ごとに変化していくのが正しい姿です。ただ目安となる支出を考える手間は相当なものになるでしょう。
なお、手取り収入に対する比率だけではなく、支出全体を100%とした比率の場合でも同じです。比率だけで考えてしまうと支出額が増えたり減ったりした時にバランスが取れなくなります。
支出は比率だけではなく、金額も一緒に目安として組み合わせて考えるべきです。住居費は手取り収入の20%(都市部は30%)が上限ですが、金額では10万円(都市部では13万円)が上限の目安になります。どちらも満たせるように考えます。
支出の比率は分かりやすいというメリットも
とはいえ、支出を比率で考えるととても分かりやすいというメリットもあります。目安が何もないとどうやって支出を考えればいいか分かりづらいからです。支出の比率は、支出の上限の目安として使うことをお勧めします。ただし貯金だけは最低目標として使います。
比率の目安の例
- 住居費の上限は手取り収入の20%(都市部は30%)が上限
- 4大固定費(住居費、自動車関係費、保険料、教育費)は手取り収入の40%が上限、無理するなら50%
- 生命・医療の保険料は手取り収入の5%が上限、自動車保険なども含めた保険料は手取り収入の10%が上限
- 貯金は手取り収入の最低10%以上、出来れば20%以上
まとめ
- 家計の支出を手取り収入の支出や支出全体に対する比率で考えると上手くいかない場合があります。
- 比率だけで考えると収入が増えたら支出も増えるという状態に陥る可能性があります。
- 支出の目安は比率だけではなく金額も組み合わせて考えましょう。