20代の貯金額の平均
記事作成日:2016年1月10日
最終更新日:2016年1月13日
20代の貯金の平均額や中央値について紹介しています。日本の貯金のデータには公的な調査と民間の調査がありますが、ここでは総務省が実施している全国消費実態調査と金融広報中央委員会が実施している家計の金融行動に関する世論調査のデータを基に作成した20代の貯金の平均額のデータを紹介します。
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20代の貯金の平均額や中央値
20代は社会人として経済的に独立をしたばかりで、収入も低く貯金もあまりないという人が多い時期です。そのためまだ貯金額は少ないことが特徴です。
全国消費実態調査による20代の貯金の平均額
世帯種類 | 全世帯 | 1人の世帯 (独身など) | 2人以上の世帯 (夫婦など) | |
---|---|---|---|---|
男性 | 女性 | |||
貯蓄合計 | 224 | 191 | 139 | 348 |
普通預金 | 122 | 128 | 67 | 158 |
定期預金 | 61 | 38 | 54 | 102 |
生命保険等 | 27 | 12 | 16 | 59 |
株式等 | 6 | 4 | 1 | 13 |
債券等 | 2 | - | - | 6 |
信託商品 | 2 | 3 | - | 1 |
その他 | 6 | 6 | 2 | 10 |
世帯種類 | 全世帯 | 1人の世帯 (独身など) | 2人以上の世帯 (夫婦など) | |
---|---|---|---|---|
男性 | 女性 | |||
預金合計 | 182 | 166 | 120 | 259 |
(注)2014年11月末時点の調査です。項目は分かりやすさの観点から、調査の表現から別の表現に言い換えているものがあります。預金合計は普通預金と定期預金を単純に合計したもので当サイトによる計算値です。普通預金には普通貯金を、定期預金には定期貯金等を、株式等は株式投資信託を、債券等は公社債投資信託を含み、信託商品は貸付信託と金銭信託を指しています。四捨五入の関係から各項目の合計と貯蓄合計は一致しない場合があります。
(出典)総務省統計局「平成26年全国消費実態調査」を加工して当サイトが作成
20代の貯蓄額の平均
総務省統計局の「平成26年全国消費実態調査」によると、20代の貯蓄額の平均は全体で224万円、1人の世帯(単身世帯、独身などの世帯)の男性で191万円、女性で139万円、2人以上の世帯(夫婦などの世帯)で348万円となっています。基本的には、1人の世帯は独身の1人暮らし、2人以上の世帯は夫婦あるいは夫婦と子の世帯が中心になりますが、例外もあります。
20代の預金での貯金額の平均
貯金額として普通預金・普通貯金と定期預金・定期貯金の預金に限った金額の平均額をみると20代の貯金額の平均は全体で182万円、1人の世帯(単身世帯)の男性で166万円、女性で120万円、2人以上の世帯で259万円となっています。
20代の貯蓄額の内訳の特徴
貯蓄の内訳の特徴をみると、貯蓄の大部分が普通預金・普通貯金と定期預金・定期貯金となっています。ただし、2人以上の世帯では生命保険等の金額がやや多くなっています。これは、結婚や出産などで家族ができたことで死亡に備えて生命保険を契約する人が増えることが原因とみられます。
20代の平均額なので20代前半の貯金額は平均額を下回り、20代後半の貯金額は平均額を上回る水準になります。
家計の金融行動に関する世論調査による20代の貯金の平均額
世帯種類 | 1人の世帯 | 2人以上の世帯 |
---|---|---|
金融資産 | 141 | 189 |
普通預貯金 | 52 | 72 |
定期預貯金 | 50 | 61 |
財形貯蓄 | 3 | 8 |
生命保険 | 8 | 28 |
損害保険 | 0 | 3 |
個人年金保険 | 4 | 6 |
株式 | 15 | 5 |
債券 | 2 | 0 |
投資信託 | 4 | 6 |
信託商品 | 0 | 0 |
その他 | 2 | 0 |
世帯種類 | 1人の世帯 | 2人以上の世帯 |
---|---|---|
預金合計 | 105 | 141 |
世帯種類 | 1人の世帯 | 2人以上の世帯 |
---|---|---|
金融資産 | 0 | 68 |
(注)2015年6月から7月時点の調査です。結果は中央値と記載がないものは全て平均額。普通預貯金は預貯金全体から定期預貯金の控除した当サイトによる推計値です。項目は分かりやすさの観点から、調査の表現から別の表現に言い換えているものがあります。四捨五入の関係から各項目の合計と貯蓄合計は一致しない場合があります。預金合計は普通預貯金と定期預貯金、財形貯蓄を単純に合計したもので当サイトによる計算値です。信託商品は貸付信託と金銭信託を指していて投資信託は含まれていません。
(出典)金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査] 平成27年調査結果」、「家計の金融行動に関する世論調査[単身世帯調査] 平成27年調査結果」を加工して当サイトが作成
20代の金融資産保有額の平均
金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査] 平成27年調査結果」、「家計の金融行動に関する世論調査[単身世帯調査] 平成27年調査結果」によると、20代の金融資産の平均は1人の世帯で141万円、2人以上の世帯で189万円となっています。
20代の金融資産保有額の中央値
中央値とはデータを少ないものから多いものまで順番に並べたちょうど真ん中に位置する人のデータを意味します。順位がちょうど真ん中の金額です。20代の金融資産保有額の中央値は1人の世帯で0万円、2人以上の世帯で68万円となっています。非常に少ないことが分かります。
20代の預金での貯金額の平均
貯金額として普通預貯金と定期貯金、財形貯蓄の預金だけに限った金額の平均額をみると20代の貯金額の平均は1人の世帯で105万円、2人以上の世帯で141万円となっています。
20代の金融資産の内訳の特徴
金融資産の内訳の特徴をみると、大部分が普通預貯金と定期預貯金です。2人以上の世帯では生命保険の金額がやや多くなっています。これは、結婚や出産などで家族ができたことで死亡に備えて生命保険を契約する人が増えることが原因とみられます。
20代で貯蓄(貯金)や金融資産を持たない比率
20代で貯蓄や金融資産を持っていない世帯の比率についてのデータです。
全国消費実態調査のデータ
世帯種類 | 全世帯 | 1人の世帯 (独身など) | 2人以上の世帯 (夫婦など) | |
---|---|---|---|---|
男性 | 女性 | |||
貯蓄がない | 5.1 | 0.8 | 6.6 | 10.3 |
普通預金がない | 14.2 | 10.5 | 15.6 | 18.7 |
定期預金がない | 59.4 | 57.1 | 61.9 | 60.7 |
生命保険等がない | 72.4 | 81.9 | 77.4 | 53.7 |
有価証券がない | 94.7 | 94.5 | 95.7 | 94.0 |
(注)2014年11月末時点の調査です。項目は分かりやすさの観点から、調査の表現から別の表現に言い換えているものがあります。非保有率は保有率から当サイトが計算した数値です。有価証券は、株式、債券、投資信託、貸付信託、金銭信託が含まれます。
(出典)総務省統計局「平成26年全国消費実態調査」を加工して当サイトが作成
貯蓄が全くない世帯は少ない
20代で貯蓄や金融資産を持っていない世帯の比率について、総務省統計局の「平成26年全国消費実態調査」によると、貯蓄が全くない世帯は全体で5.1%、1人の世帯の男性で0.8%、女性で6.6%、2人以上の世帯で10.3%となっています。ただし、全国消費実態調査では、預金に生活のための引き落としなどに備えたお金が含まれている影響が大きいとみられます。
定期預金が無い世帯は多い
内訳を詳しく見ると普通貯金がないという比率は世帯の種類によっても異なりますが10%台で、定期預金になると60%程度が持っていないという結果になっています。普通預金には生活のためのお金や引き落としに備えたお金が入っているため、定期預金が将来に備えてあるいは投資のための貯蓄と考えると、後述の家計の金融行動に関する世論調査の金融資産を持たない世帯の比率と近くなります。
家計の金融行動に関する世論調査のデータ
世帯種類 | 1人の世帯 | 2人以上の世帯 |
---|---|---|
金融資産非保有率 | 62.6 | 36.4 |
(注)2015年6月から7月時点の調査です。項目は分かりやすさの観点から、調査の表現から別の表現に言い換えているものがあります。
(出典)金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査] 平成27年調査結果」、「家計の金融行動に関する世論調査[単身世帯調査] 平成27年調査結果」
金融資産を持っていない20代の世帯は多い
金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査] 平成27年調査結果」、「家計の金融行動に関する世論調査[単身世帯調査] 平成27年調査結果」によると、20代で金融資産を持っていない世帯の比率について、1人の世帯で62.6%、2人以上の世帯で36.4%となっています。家計の金融行動に関する世論調査では引き落としに備えた部分を除いて、投資や将来に備えた部分の預貯金を調査しているため、実感に近いとみられます。
全国消費実態調査と家計の金融行動に関する世論調査の貯金データの違いの原因について
全国消費実態調査と家計の金融行動に関する世論調査では、家計の金融行動に関する世論調査の方が平均値が低めで、貯蓄・金融資産を持っていないとする比率が高いという特徴があります。
家計の金融行動に関する世論調査では「貯蓄」ではなく「金融資産」と聞いていること、日常的な出し入れや引き出しに備えている部分を除くとしていること、事業用資産を含まないことなどが影響しているとみられます。
家計の金融行動に関する世論調査では運用や将来に備えた貯金として調査しており、貯金の実感としては近いのではないかと当サイトでは判断しています。
まとめ
- 総務省統計局の「平成26年全国消費実態調査」によると、20代の貯蓄額の平均は全体で224万円となっています。
- 金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査] 平成27年調査結果」、「家計の金融行動に関する世論調査[単身世帯調査] 平成27年調査結果」によると、20代の金融資産の平均は1人の世帯で141万円、2人以上の世帯で189万円となっています。