50代の貯金額の平均
記事作成日:2016年1月14日
最終更新日:2016年1月15日
50代の貯金の平均額や中央値のデータについてです。50代は収入も多く、貯金が多くなる時期です。ただし、貯金がある人とない人では大きく差が開きます。総務省が実施している全国消費実態調査と金融広報中央委員会が実施している家計の金融行動に関する世論調査のデータから、50代の貯金額の平均などについて紹介します。
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50代の貯金の平均額と中央値
50代前半では平均年収がピークになる時期で収入がかなり高い時期です。一方で支出面では子供がいる家庭でも大学を卒業するなど社会人となる時期で、子供が経済的に独立すると費用負担が激減することになります。会社で重要な役職についていない場合には50代後半で年収が減少しやすくなりますが、子供が独立してから60代で退職を迎えるまでの間は人生で3回ある貯金のチャンスの最後のチャンスです。貯金がかなり貯まっている人も多くなります。
50代の貯金の平均額(全国消費実態調査)
世帯種類 | 全世帯 | 1人の世帯 (独身など) | 2人以上の世帯 (夫婦など) | |
---|---|---|---|---|
男性 | 女性 | |||
貯蓄合計 | 1551 | 1482 | 1383 | 1592 |
普通預金 | 341 | 495 | 253 | 318 |
定期預金 | 556 | 432 | 596 | 579 |
生命保険等 | 413 | 284 | 321 | 456 |
株式等 | 143 | 207 | 125 | 131 |
債券等 | 38 | 38 | 35 | 38 |
信託商品 | 11 | 10 | 13 | 11 |
その他 | 50 | 18 | 39 | 59 |
世帯種類 | 全世帯 | 1人の世帯 (独身など) | 2人以上の世帯 (夫婦など) | |
---|---|---|---|---|
男性 | 女性 | |||
預金合計 | 897 | 926 | 849 | 897 |
(注)2014年11月末時点の調査です。項目は分かりやすさの観点から、調査の表現から別の表現に言い換えているものがあります。預金での貯金額は普通預金と定期預金を単純に合計したもので当サイトによる計算値です。普通預金には普通貯金を、定期預金には定期貯金等を、株式等は株式投資信託を、債券等は公社債投資信託を含み、信託商品は貸付信託と金銭信託を指しています。四捨五入の関係から各項目の合計と貯蓄合計は一致しない場合があります。
(出典)総務省統計局「平成26年全国消費実態調査」を加工して当サイトが作成
50代の貯蓄額の平均
50代の貯蓄額の平均は、総務省統計局の「平成26年全国消費実態調査」によると全体1,551万円となっています。世帯の種類別にみても大きな差はなく、1人の世帯(独身世帯など)の男性で1,482万円、女性で1,383万円、2人以上の世帯では1,59万円といずれも世帯でも平均は1,000万円を超えています。
50代の預金での貯金額の平均
貯金額として普通預金・普通貯金と定期預金・定期貯金の預金に限った金額の平均額をみると50代の貯金額の平均は全世帯で897万円、1人の世帯の男性で926万円、女性で849万円、2人以上の世帯で897万円となっていていずれの世帯でも平均では1,000万円近くの預金があります。
50代の貯蓄額の内訳の特徴
貯蓄の内訳の特徴をみると、預金が半分以上を占めていますが、生命保険の金額が多いほかに、株式等の金額も多くなっています。40代までは株式等の平均金額は100万円に達していないのですが、50代では平均して100万円を超える保有額になります。
50代の貯金の平均額と中央値(家計の金融行動に関する世論調査)
世帯種類 | 1人の世帯 | 2人以上の世帯 |
---|---|---|
金融資産 | 1088 | 1325 |
普通預貯金 | 172 | 231 |
定期預貯金 | 345 | 352 |
財形貯蓄 | 15 | 48 |
生命保険 | 117 | 301 |
損害保険 | 13 | 41 |
個人年金保険 | 116 | 108 |
株式 | 174 | 143 |
債券 | 26 | 9 |
投資信託 | 74 | 72 |
信託商品 | 8 | 4 |
その他 | 28 | 16 |
世帯種類 | 1人の世帯 | 2人以上の世帯 |
---|---|---|
預金合計 | 532 | 631 |
世帯種類 | 1人の世帯 | 2人以上の世帯 |
---|---|---|
金融資産中央値 | 110 | 501 |
(注)2015年6月から7月時点の調査です。結果は中央値と記載がないものは全て平均額。普通預貯金は預貯金全体から定期預貯金の控除した当サイトによる推計値です。項目は分かりやすさの観点から、調査の表現から別の表現に言い換えているものがあります。四捨五入の関係から各項目の合計と貯蓄合計は一致しない場合があります。預金での貯金額は普通預貯金と定期預貯金、財形貯蓄を単純に合計したもので当サイトによる計算値です。信託商品は貸付信託と金銭信託を指していて投資信託は含まれていません。
(出典)金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査] 平成27年調査結果」、「家計の金融行動に関する世論調査[単身世帯調査] 平成27年調査結果」を加工して当サイトが作成
50代の金融資産保有額の平均
50代の金融資産の平均は、金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査] 平成27年調査結果」、「家計の金融行動に関する世論調査[単身世帯調査] 平成27年調査結果」によると、1人の世帯で1,088万円、2人以上の世帯で1,325万円とともに1,000万円を超えています。
50代の金融資産保有額の中央値
50代の金融資産の保有額をデータの真ん中の値を示す中央値でみると、1人の世帯で110万円、2人以上の世帯で501万円となっています。1人の世帯では平均値と中央値の開きが大きくなっていますが、1人の世帯では金融資産を多く持っている人が平均を押し上げていますが、半数の人は110万円以下の金融資産しか保有しておらず、持っている人とそうでない人の差が大きいことを示しています。
50代の預金での貯金額の平均
貯金額として普通預貯金と定期貯金、財形貯蓄の預金だけに限った金額の平均額をみると50代の貯金額の平均は1人世帯(単身世帯)で532万円、2人以上世帯で631万円となっています。
50代の金融資産の内訳の特徴
金融資産の内訳の特徴をみると、預金が中心ですが、生命保険や個人年金保険、株式や投資信託などの金額が多くなっています。
50代で貯蓄(貯金)や金融資産を持たない比率
50代で貯蓄や金融資産を持っていない世帯の比率についてのデータです。
全国消費実態調査のデータ
世帯種類 | 全世帯 | 1人の世帯 (独身など) | 2人以上の世帯 (夫婦など) | |
---|---|---|---|---|
男性 | 女性 | |||
貯蓄がない | 5.7 | 5.9 | 9.4 | 5.1 |
普通預金がない | 15.0 | 18.0 | 19.7 | 13.6 |
定期預金がない | 29.0 | 43.6 | 26.1 | 26.1 |
生命保険等がない | 32.7 | 43.9 | 37.3 | 29.4 |
有価証券がない | 74.2 | 70.6 | 76.7 | 74.7 |
(注)2014年11月末時点の調査です。項目は分かりやすさの観点から、調査の表現から別の表現に言い換えているものがあります。非保有率は保有率から当サイトが計算した数値です。有価証券は、株式、債券、投資信託、貸付信託、金銭信託が含まれます。
(出典)総務省統計局「平成26年全国消費実態調査」を加工して当サイトが作成
貯蓄がない世帯は少ない
50代で貯蓄や金融資産を持っていない世帯の比率について、総務省統計局の「平成26年全国消費実態調査」によると、全体で5.7%、1人世帯(単身世帯)の男性で5.9%、女性で9.4%、2人以上世帯で5.1%が貯蓄がない世帯となっています。貯蓄が全くない世帯はそれほど多くはありません。
定期預金がない世帯は多い
50代でも定期預金を持っていないという世帯は全世帯で29.0%とかなりの割合でいます。生命保険でも32.7%となっています。
家計の金融行動に関する世論調査のデータ
世帯種類 | 1人の世帯 | 2人以上の世帯 |
---|---|---|
金融資産非保有率 | 43.5 | 29.1 |
(注)2015年6月から7月時点の調査です。項目は分かりやすさの観点から、調査の表現から別の表現に言い換えているものがあります。
(出典)金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査] 平成27年調査結果」、「家計の金融行動に関する世論調査[単身世帯調査] 平成27年調査結果」
50代で金融資産を持っていない世帯は、金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査] 平成27年調査結果」、「家計の金融行動に関する世論調査[単身世帯調査] 平成27年調査結果」によると、1人の世帯で43.5%、2人以上世帯で29.1%となっており、かなりの比率に上ることが確認できます。50代で金融資産がないということは老後には、退職金か年金で対応することになり、かなり厳しい状況と言えます。
全国消費実態調査と家計の金融行動に関する世論調査の貯金データの違いの原因について
全国消費実態調査と家計の金融行動に関する世論調査では、家計の金融行動に関する世論調査の方が平均値が低めで、貯蓄・金融資産を持っていないとする比率が高いという特徴があります。
家計の金融行動に関する世論調査では「貯蓄」ではなく「金融資産」と聞いていること、日常的な出し入れや引き出しに備えている部分を除くとしていること、事業用資産を含まないことなどが影響しているとみられます。
家計の金融行動に関する世論調査では運用や将来に備えた貯金として調査しており、貯金の実感としては近いのではないかと当サイトでは判断しています。
まとめ
- 総務省統計局の「平成26年全国消費実態調査」によると、50代の貯蓄額の平均は全世帯で1,551万円となっています。ただし貯蓄を持っている人とそうでない人の間の差は大きくなっています。
- 金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査] 平成27年調査結果」、「家計の金融行動に関する世論調査[単身世帯調査] 平成27年調査結果」によると、50代の金融資産の平均は1人の世帯で1,088万円、2人以上の世帯で1,325万円となっています。