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年収1000万円の割合と生活

記事作成日:2016年4月28日

年収1000万円というと高収入に思えますが、年収1000万円では思ったほど贅沢な暮らしができないのが実情で、贅沢をしなければ余裕が出てくる感じです。世帯年収1000万円以上の割合は10%程度とそれほど珍しくないのですが、1人の給与だけで年収1000万円を超える人の割合は4%程度とかなり少なくなっています。

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年収1000万円の割合

1人の給与だけで年収1000万円を超える割合は4%程度

国税庁の民間給与実態統計調査(平成26年分)によると、2014年に1年を通じて勤務した給与所得者のうち給与だけで年収1000万円を超えた人の割合は4.2%です。民間給与実態統計調査では1000万円を超えるという区分になっているので、年収1000万円ちょうどの人は4.2%には含まれません。

1人の給与だけで年収1000万円を超えるのは給与所得者のうち4%程度なので、相当難しいと考えられます。

世帯年収が1000万円以上の世帯の割合は全体の10%程度

総務省の平成26年全国消費実態調査によると2013年12月~2014年11月の世帯年収が1000万円以上の割合は9.6%です。また、厚生労働省の平成26年国民生活基礎調査によると2013年に世帯年収が1000万円以上となったのは11.1%です。世帯年収には給与以外の収入も含まれていることに注意が必要です。

世帯年収1000万円以上の世帯の割合は全体で10%程度と考えることができます。案外多いと感じるのではないでしょうか?しかし、世帯年収であれば、共働きによって実現することができますし、給与以外の収入が多ければ給与がそれほど多くなくても世帯収入が多くなることもあります。

世帯年収1000万円以上というのは、10世帯に1世帯程度の割合なので、実はそれほど珍しくないということになります。

なお、厚生労働省の国民生活基礎調査の調査票では所得を聞いていますが、税込みで回答するように求めているため税法上の所得とは意味が違っています。

世帯年収1000万円ならなんとか届くかも

夫婦2人が共働きで稼げばいい

実は世帯年収1000万円はそれほど難しくありません。共働きなら1人が年収500万円でも2人なら年収1000万円になるからです。しかも日本では所得税は累進課税なので、年収が高くなるほど税率が高くなります。1人で年収1000万円を稼ぐ場合と、2人で年収1000万円を稼ぐ場合は2人の方が税率は低くなります。

年収500万円の職業はたくさんある

1人で年収を1000万円稼ぐためには、給与水準が高い業種に勤める、大企業に勤める、出世する、年齢が高くなる、などが必要となり、相当な労力が必要です。しかし、1人で年収500万円を稼ぐのであれば年収1000万円よりは選択肢が広がりますし、難易度も下がります。

年収1000万円は高収入と言える?

一般的には年収1000万円は高収入・高所得者であると考えられています。しかし、世帯年収が1000万円以上となる世帯は10%程度入るため、それほど珍しいとは言えません。

1人の給与で年収1000万円以上なのは4%程度なので比較的珍しく高収入であると言えるかもしれません。しかし、年収1000万円では思ったほど贅沢な暮らしは出来ず、ちょっと余裕があるという程度であるため、高収入のように見えても本当の意味では高収入であるとは言えません。少なくとも高収入と言えるためには年収2000万円以上は欲しいところです。

年収1000万円の生活は思ったほど贅沢ではない

年収1000万円と言うと凄く収入が高くて贅沢な暮らしをしているような印象があるかもしれません。しかし、実際には贅沢な生活をするのは難しく、少しゆとりがある、余裕があるという程度で、ちょっと贅沢をするとすぐに家計収支が苦しくなってしまいます。

公的な支援の一部が受けられなくなる

年収が多くなると公的な支援が受けられなくなる場合があります。児童手当には所得制限があります。子供医療費負担が大幅に軽減される乳幼児医療費助成制度(マル乳)や義務教育就学児医療費の助成(マル子)の制度も自治体によっては所得制限があります。また、高校の授業料の負担が軽くなる高等学校等就学支援金制度にも所得制限があります。

児童手当や子供の医療費助成、高校の授業料補助は恩恵が大きいため、支援を受けられなくなると負担が増えてしまいます。ちょうど年収が900万円から1000万円に増えるくらいで公的な支援が受けられなくなる場合が多くなるため、子育て世代にとっては年収900万円と年収1000万円では暮らしぶりがそれほど変わらない場合があります。

ゆとりがあると思って生活水準を上げてしまう

年収1000万円ともなると一般的には高収入と思われているため、本人も贅沢をしてもいい、ゆとりがあると思ってしまいます。そのため、生活水準を上げてしまうことがあります。典型的なものが住居ですが、東京では賃貸でも購入でも住居費が高く、ゆとりがある家に住もうとすると、住居費の負担は月15万円~20万円は必要になってきます。

これでも贅沢な住まいではないかもしれませんが、月15万円ならば年間の負担は180万円、月20万円ならば年間の負担は240万円です。家賃を払うにしても住宅ローンを払うにしても負担は大きくなります。

住居以外にも贅沢をする場合があって、自動車を購入すれば購入費用の負担のほか、駐車場代や自動車保険、ガソリン代、高速代、点検・検査費用などの維持費が発生します。東京では中学になると私立の学校に通うことが一般的になるため、私立に通わせると教育費の負担も重くのしかかってきます。

それ以外にも、外食回数が増えたり、価格帯が高い外食に通ったり、贅沢な食材を購入したり、良い服やシューズ、バッグを購入したり、高級な家電や家具を購入したり、タクシーを頻繁に使ったり、贅沢をする機会が増えてきます。しかし、ゆとりがあると思って生活水準を上げると、当然家計の収支が苦しくなってきます。

年収が高くなると付き合いなどの支出も増える

年収が高くなると通常は付き合いなどでの支出が多くなります。年収1000万円ともなれば、会社員であればそれなりの役職である場合も多く、何かと付き合いが増えてきますし、高いお店に付き合いで行かなければいけない機会も増えます。

身なりも多少意識しなければいけない場合があり、ビジネスで使用するスーツやシャツ、バッグ、シューズなどは男女問わず支出額が多くなります。特に見栄を張っているわけでなくても、支出が増えてしまうことが多いです。

年収1000万円では思ったほど贅沢ができない

年収1000万円もあれば、かなりぜいたくな暮らしができるのではないかと思ってしまいます。しかし、実際には贅沢な暮らしをするのは難しく、ちょっと贅沢をするとすぐにお金が無くなってしまいます。贅沢をしなければゆとりがあるかもしれませんが、やりたい事をやろうとするとあまり余裕がなくなってしまいます。

手取り収入の20%を住居費に回すと

年収1000万円の人の手取りは700万円台になると考えられますが、手取り収入の20%を住居費に回すとすると、仮に手取りを750万円とすると20%は150万円です。ボーナスを考慮しないで、1か月当たりに換算すると12.5万円です。東京23区で12.5万円で住める部屋を探そうとすると、豪華な部屋には住めません。

自動車を買った場合

750万円から150万円を差し引くと600万円が残っていますが、車を購入すると駐車場代が高いため点検・検査費用、ガソリン代、自動車保険料なども加えると維持費だけで年間50万円以上かかる可能性があり、購入代金も利用期間で案分すると1年当たり自動車関係費が100万円以上になる場合もあります。

子供を私立に通わせると

子供がいる場合、公立の学校であれば塾などの負担が大きくなる可能性がありますが、私立の学校に通わせると授業料のほか教材費や習い事なども含めると、1人で年間100万円以上かかることがあります。2人子供がいて私立に通わせると200万円以上かかる場合もあります。

生活費を差し引くと残りは

手取りが750万円として、住居費150万円、自動車関連費100万円、教育費200万円を差し引くと残りは300万円です。光熱水道代、通信費、保険料、食費などの毎月の生活費を20万円と見積もると年間で240万円、毎月15万円なら年間180万円ですが、300万円から差し引くとそれぞれ60万円、120万円しか残りません。

年収1000万円では贅沢をするとすぐにお金が無くなる

年収1000万円で東京の暮らしを想定すると、贅沢をしようと思ってもそれほど贅沢な住居を選べるわけではなく、自動車を購入すると負担が大きくなり、子供を私立の学校に通わせると教育費が膨れ上がります。そうなると生活費はあまり残らず、生活費を差し引くとお金はほとんど残りません。年収1000万円でも貯金がほとんどできない場合があるのは、ちょっと贅沢をしてゆとりが無くなってしまっているためです。高収入であっても家計管理を怠ると大変なことになってしまいます。

高収入だから贅沢でゆとりのある生活をしたいと思っても、全てを実現するのは難しく、何かを削らないとゆとりが生まれないのです。東京で暮らすのであれば、年収1000万円はやりたい事をやって、楽な生活ができる収入の水準ではありません。油断をするとすぐにお金が無くなってしまうため、我慢するものが出てきます。何かを我慢しなければいけないので、高収入のように思えますが、贅沢で優雅な暮らしは難しいです。

まとめ

  • 1人の給与で年収1000万円を超えているのは4%程度の人で、世帯年収1000万円以上の世帯の割合は10%程度です。
  • 年収1000万円は高収入で贅沢な生活を送れるようにも思えますが、思ったほど贅沢な暮らしはできません。

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【年収1000万円の割合と生活の記事は終わりです】

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