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専門学校等の認可校と無認可校の違いとメリットやデメリット

記事作成日:2018年2月11日

専門学校などを選ぶ際に認可校と無認可校の違いが問題となることがあります。認可校とは学校教育法上の認可を受けた教育施設で、小学校や中学校などの学校、専門学校などを含む専修学校、各種学校があります。無認可校とは、学校、専修学校、各種学校のいずれでもない教育施設のことをいいます。専門学校は、認可を受けていないと専門学校と名乗れないため、専門学校と名前がついている場合、認可校ということになります。認可校と無認可校では、教員や施設などで基準を満たしているかどうか、学歴としての評価、学生割引の有無などが異なります。

なお、認可校には、学校、専修学校、各種学校がありますが、認可校か無認可校かどうかは、専修学校(特に専門学校)や各種学校と無認可校との間での比較となることが多いため、以下の記述は、認可校のうち専修学校・各種学校と無認可校についての比較を中心に記載しています。

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認可校と無認可校の教育施設としての位置づけ

日本においては教育施設の種類について学校教育法に定められています。学校教育法では、学校(幼稚園、小学校、中学校、義務教育学校、高等学校、中等教育学校、特別支援学校、大学(短期大学、大学院を含む)及び高等専門学校を指します。学校教育法第1条に定められているため、1条校と呼ばれることがあります)、専修学校、各種学校について定められています。学校、専修学校、各種学校は認可が必要となるため、認可校となります。

なお、専門学校は専修学校の一種です。専修学校には専門課程、高等課程、一般課程の3つの課程があり、専門課程を置く専修学校は専門学校、高等課程を置く専修学校は高等専修学校と称することができます。

学校、専修学校、各種学校のいずれにも該当しない場合、つまり認可を受けていない場合は無認可校となります。ただし、他の法律に特別の規定があるもの(大学校、職業訓練施設等)は除きます。

学校教育法上の学校の分類
認可有無種別
認可校学校
専修学校
各種学校
他の法律に基づくもの(大学校等)
無認可校

(出典)fromportal.comの担当者が作成

認可校と無認可校の見分け方

認可校と無認可校の見分け方についてです。専門学校だと思って入学したら実は違ったということがないように、認可校なのか、無認可校なのかは入学前に確認しておくことが重要です。無認可校に入学する場合には、無認可校であることを理解した上で入学することが大切です。

名前・名称を確認する

認可校かどうかを見分ける方法として、名称に注目する方法があります。学校(幼稚園、小学校、中学校、義務教育学校、高等学校、中等教育学校、特別支援学校、大学(短期大学、大学院を含む)及び高等専門学校)、専修学校(専門学校、高等専修学校)、各種学校という名称は該当しない限り名乗ることができません。

つまり、名前・名称に学校、専修学校(専門学校、高等専修学校)、各種学校の名称がついている場合は認可校であると言えます。

無認可校は、学校、専修学校、各種学校の名称を使えないため、塾、教室、学院、学園、スクール、カレッジ、アカデミー、~校(~学校ではない)などの名称を付けている場合があります。

無認可校は小規模な教育施設に多い傾向があります。また、学習塾、アニメ・声優・ゲームなどの分野、音楽・芸能の分野、ネイル・エステ・メイクなどの美容分野、デザイン関連の分野では比較的無認可校がよくみられます。

文部科学省や都道府県のサイトを確認する・都道府県に問い合わせる

認可校かどうかについて、文部科学省のサイトや都道府県のサイトで専修学校や各種学校の一覧を確認するという方法があります。文部科学省は直接認可をしているわけではありませんが、各都道府県の専修学校や各種学校の一覧へのリンクが貼られていますし、認可をしている各都道府県では専修学校や各種学校の一覧をまとめています。

ウェブサイト上で分からなければ、各都道府県(都庁、道庁、府庁、県庁)の担当部署に電話で問い合わせることで確認することもできます。

認可校と無認可校の違い

認可校と無認可校の違いについてです。

教育施設としての基準を満たしているかどうか

専門学校などを含む専修学校や各種学校の認可校においては、授業時数、校長、教員、施設、設備などについて基準(学校教育法学校教育法施行規則専修学校設置基準各種学校規程など)が設けられていて、基準を満たしていない場合には認可されないことになります。そのため、専門学校など専修学校や各種学校として認可されている場合には、一定の基準を満たした教育施設であるということができます。

例えば、授業時数については、専修学校は昼間学科は年間800時間、各種学校は年間680時間などのような基準があります。施設については広さについて基準が設けられています。

なお、専修学校等においては、校地や校舎は原則として自己所有が望ましいとされていますが、継続して使用できることが確実であるなど教育上支障がない場合には、例外(賃貸)が認められないわけではないという扱いとなっています。

ただし、校地や校舎の基準を満たすために、駅に近い立地が確保しづらくなる場合があり、通学の利便性の確認が必要となることがあります。

無認可校の場合、なぜ無認可なのかについて留意しておく必要があります。また、学ぶことができる内容は自分が求めるものとなっているかなど十分な確認が必要となります。ただし、無認可校だからといって教育水準が低いとも限りません。規制の網にかからない代わりに、授業内容などの運営面で機動性を確保できるというメリットもあります。

学歴としての評価

履歴書の学歴として、認可校は学歴となる場合があります。履歴書の学歴欄に何を書くかということは企業などによって考え方は様々なので一律の考え方はありませんが、専修学校の特に専門課程(専門学校)、高等課程(高等専修学校)は学歴の一部であると考えられています。待遇面でも、専門学校卒業は、給与などで考慮される場合が多いと考えられます。

また、専門学校を修了すると学科によっては、専門士あるいは高度専門士の称号を得られる場合があります。大学を卒業すると学士の学位が得られることと似た制度となります。ただし、学位と称号は異なっていて、国際的な通用性があるのが学位で、無いのが称号とされています。

専修学校一般課程は大学受験の予備校などが含まれますが、一般的に予備校での学びは学歴とは考えられていません。また、各種学校については、学ぶ内容によっては学歴と考えることができる場合もありますが、学歴とは考えられない場合もあります。

無認可校については、一般的に基本的に学歴とは考えられないことが多くなります。ただし、学んだ内容次第では考慮される場合もあります。

通学定期など学生割引の有無

鉄道などでは学生の場合には、定期券の購入などの場合において学生割引(学割、通学定期)を受けられる場合があります。この学生の範囲に専修学校や各種学校は基本的に含まれますが、無認可校は基本的に含まれない扱いとなります。

ただし、事業者によって、どこまで学生割引を適用するのかということについては違いもあるため、利用する事業者の扱いを確認する必要があります。

大学への入学・編入学や大学院への進学

専修学校のうち、専門課程(専門学校)では修業年限2年以上など一定の条件を満たす学科の場合には修了後大学への編入学が可能となります。また、修業年限4年以上など一定の条件を満たす学科の場合には修了後大学院への進学が可能となります。

専修学校のうち、高等課程(高等専修学校)では修業年限3年以上など一定の条件を満たす場合、修了後大学への入学が可能となります。また、修業年限3年以上の場合、専門課程(専門学校)への進学も可能です。

専修学校一般課程や各種学校、無認可校の場合は上記の進学上の恩恵は特に定められていません。

奨学金・教育ローンの利用

奨学金については、日本学生支援機構の奨学金は専門学校(専修学校専門課程)が対象となっています。無認可校は対象となっていません。

また、日本政策金融公庫の教育一般貸付(国の教育ローン)は原則として修業年限6か月以上で中学校卒業以上を対象とする教育施設となっていて、専修学校、各種学校(原則として修業年限6か月以上)は融資の対象となり得ることになっていますが、無認可校の場合は確認が必要であると考えられます。

民間の教育ローンは取扱金融機関ごとに条件が異なるため確認が必要ですが、一般的には認可校の方が融資に取り組みやすいと考えられます。

勤労学生控除の適用

学校、専修学校や各種学校の場合には、所得税や住民税における勤労学生控除を受けられる可能性があります。条件に該当している必要がありますが、認可校である専修学校や各種学校の場合は、税制面で優遇される場合があります。

資格の取得

認可校のうち専修学校を修了した場合には、修了時に資格が得られる場合、あるいは資格の受験資格が得られる場合があります。また、修了後に実務経験を積むことで、資格を得られる場合や受験資格が得られる場合があります。

各種学校は無認可校の場合には、教育内容が資格と関連している場合は、資格を取得する上で何らかのメリットが得られる場合がありますが、専修学校と比べると資格との関連性が薄い場合があります。

無料職業紹介事業の実施

認可校と無認可校では就職の支援の面でも違いがあります。職業安定法において、学校や専修学校は厚生労働大臣に届出を行うことで無料の職業紹介事業を行うことができると定められています。

一方で、各種学校や無認可校の場合は職業安定法で届出によって無料の職業紹介事業を行うことができるという規定がないため、厚生労働大臣の許可を受けないと無料の職業紹介事業を行うことができません。許可を受けるためには許可の条件を満たす必要があります。有料の職業紹介事業を行う場合にも許可が必要となります。

運営が難しくなった場合の保護

認可校の場合は、一定の行政の監視があるため、運営が困難になる前に何らかの介入が行われることが一般的です。また、運営が困難になり、教育施設としての継続が困難になった場合でも、現在の生徒が修了するまでは運営が続けられるよう努力が行われる傾向があります。

新たな生徒の募集を停止し、現在の生徒が修了する時点で閉校といったような流れが多くなります。万が一突然閉校するような場合でも、他の類似する教育施設への編入を支援するような流れになります。

一方で、無認可校の場合は、十分な救済措置が講じられない場合があります。認可校と異なり、財政状況などの監視が十分でないため、突然経営危機が表面化するリスクが高い場合があることに注意が必要です。

認可校と無認可校の違いの比較のまとめ

認可校(基本的に専修学校と各種学校)と無認可校を比較して違いを示したものが次の表です。

認可校(専修学校と各種学校)と無認可校の比較
区分認可校無認可校
認可ありなし
名称専門学校など学院、
基準満たしている満たしていないことも
学歴専門学校等は評価される評価されづらい
学生割引受けられる可能性基本的に受けられない
進学修了後に大学編入学が可能な場合あり考慮されない
奨学金専門学校は受けられる基本的に受けられない
教育ローン利用しやすい利用できないことも
勤労学生控除適用の場合あり適用できない
資格取得専修学校は得やすい関係が薄いことも
就職支援専修学校は無料の職業紹介が届出で可能、各種学校は許可が必要許可が必要
運営困難時行政機関の支援が得やすい行政機関の支援が得づらい

(出典)学校教育法学校教育法施行規則専修学校設置基準各種学校規程を参考にfromportal.comの担当者が作成

認可校と無認可校のメリットとデメリット

認可校と無認可校のメリットやデメリットについてです。

認可校のメリットとデメリット

認可校のメリットは、教育施設としての一定の水準が確保されているということが挙げられます。また、通学定期を購入できる場合がある、専門学校の場合は修了後に大学への編入学が可能になるなど進学の面で有利な場合がある、学歴となる場合があり就職する際に待遇面で有利になる場合があるといったことが挙げられます。

認可校のデメリットとして、カリキュラムなどが柔軟でない場合がある、校地や校舎の制約から立地が不便な場合があるといったことが挙げられます。

無認可校のメリットとデメリット

無認可校のメリットとしては、柔軟な運営ができるといったことが挙げられます。

無認可校のデメリットとして教育施設としての水準が十分でない場合がある、運営が困難となった場合の保護が十分でない場合がある、通学定期などの学生割引が受けられない場合があるといったことが挙げられます。

まとめ

  • 教育施設には、学校教育法上の認可を得ている認可校と認可を得ていない無認可校があります(他の法律に基づく教育施設(大学校など)を除く)。認可校には、小学校や中学校などの学校、専修学校(専門学校などを含む)、各種学校の3つがあります。
  • 認可校は、一定の基準を満たした教育施設が認可されるため、教育施設として最低限の水準を満たしていることになり、入学する場合は一定の安心感があります。無認可校だからといって悪いわけではありませんが、無認可校に入学する場合には教育内容や運営状況などについて慎重に確認する必要があります。

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【専門学校等の認可校と無認可校の違いとメリットやデメリットの記事は終わりです】

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