男女共学校と別学(男子校・女子校)の違い・比較と選び方
記事作成日:2018年5月6日
中学校や高等学校では、男性と女性が同じ学校で学ぶ男女共学校の他に、男性だけの男子校、女性だけの女子校という男女別学という選択肢があります。共学校と別学の男子校・女子校のどちらを選ぶかということについては、親の教育方針だけではなく、子どもの希望や個性、考え方なども考慮して、一番合っていると考えられる学校を選ぶことが大切です。
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男女共学校と男女別学(男子校・女子校)の違い・比較
男女共学校と男女別学(男子校・女子校)の違いは、男性か女性の同性だけの環境なのか、男女の異性がいる環境なのかということに起因します。
大きな違いは特に、男女間のコミュニケーションを学ぶ機会があるかないか、男女の恋愛などのトラブルが学校内で起きるかどうか、同性の友人を作りやすいか、異性の友人・知人が学校内でできるか、男女の特性に応じた教育が可能かどうかということになります。
種類 | 共学校 | 別学(男子校・女子校) |
---|---|---|
メリット | 異性とのコミュニケーション能力が得られる 社会と同じ男女がいる環境での社会性が身につく 同年代の異性の友人・知人が学校内で得られる 男女がいるため多様な価値観に触れられる | 男女の特性に応じた教育が難しい 男女関係に関するトラブルが起きる 男女間で学校行事などの役割が固定化する |
デメリット | 男女の特性に応じた教育ができる 男女関係に関するトラブルがない 同性の親しい友人が作りやすい 勉強に集中しやすい環境 (男子校)進学実績が良い名門校が多い (女子校)リーダーシップや自主性が得られる (女子校)マナーや礼法など固有の指導がある (女子校)学校がきれいな傾向 | 異性とのコミュニケーション能力が得づらい 社会と同じ男女がいる環境での社会性が身につかない 男性か女性の偏った価値観や考え方になる恐れ 同年代の異性の友人・知人が学校内でできない |
(出典)fromportal.comの担当者が作成
男女間のコミュニケーションを学ぶ機会
男女共学校は、男子生徒と女子生徒が両方いるため、異性との接し方やかかわり方などコミュニケーション能力が自然と身につくことになります。一方で、男女別学の男子校や女子校では同性しかいないため、異性とのコミュニケーション能力が学校内での生活を通じて自然に身につくことはありません。
実際の社会生活では、男性と女性がどちらもいる環境になることが通常なので、共学校では男女社会における社会性が養われる一方、別学の男子校・女子校では男女社会における社会性が養われないのです。
学校内での男女の恋愛などのトラブル
男女共学校は、学校内で男女関係に起因するトラブルが発生します。異性の目を気にするあまり、からかいやいじめ、嫉妬などが発生し、人間関係に悪影響を及ぼす場合があります。また、恋愛に関するトラブルに巻き込まれて、気まずい思いをする可能性もあります。
一方で、男女別学の男子校や女子校では、学校内で同年代との男女関係に関するトラブルは発生しません。恋愛などに思い悩むことなく、勉強に集中しやすい環境ができるのです。
同性の友人の作りやすさ
男女共学校は男性と女性の両方がいるため、異性の目を気にして窮屈になる部分もあり、別学の男子校や女子校と比べると同性と本音で付き合いやすい雰囲気は薄い傾向があります。
一方で、男女別学の男子校や女子校は、同性同士で人間関係を築きやすい環境となっていて、親しい同性の友人を作りやすいと言えます。
異性の友人・知人が学校内でできるか
男女共学校であれば、異性の友人や知人が学校内で学校生活を通じ自然な形でできていきます。一方、男女別学の男子校や女子校では、学校内で同年代の異性の友人・知人を作ることはできません。そのため、塾や習い事など学校外の活動でないと異性の友人・知人を得ることができないのです。
男女の特性に応じた教育
男性と女性では様々な違いがあり、例えば教科に関しては男性は数学的なものが得意な傾向がある一方、女性は言語的なものが得意な傾向があります。また、学習態度、教師との距離感、興味や関心、精神的な成熟度合い、行動方式なども違いがあります。
男女共学校では男性と女性が基本的には一緒に授業を受けるため男女の特性に応じた教育は難しく、別学の男子校や女子校では男女の特性に応じた教育が可能になります。
女子校におけるリーダーシップや自主性の養成
女子校では、男性がいないため、男性と女性がいる場合にみられるような男性と女性の違いに基づく役割分担の固定化が発生しません。
文化祭などでも、男子生徒がリーダシップをとったり、男子生徒が力仕事を担当したりということはなく、全員が主体性をもって参加することになります。女性だけの環境であるからこそ、リーダーシップや自主性が養われやすいという特徴があります。
共学と別学はどちらをどうやって選んだらよいか(選び方)
教育の選択肢は複数あった方が良いと考えられます。男女共学校には共学校の良さが、男女別学の男子校や女子校には男子校や女子校ならではの良さがあります。どちらもメリットとデメリット(良い部分と悪い部分)があり、どちらかが上位とか優れているといったことはないのです。
親の教育方針だけではなく、子どもの個性や考え方、子どもの希望などを考えて、より合っていると考えられる方を選べばよいと考えられます。
中学校や高等学校選びでは、大学受験を意識した進学実績が重要になりますが、男女共学校、男女別学の男子校・女子校ともに進学実績が良い学校があるため、学力という面だけを考えれば、男女共学校、男女別学の男子校・女子高のいずれも選択肢となります。
その上で、同性だけの環境がより合っていると考えるのか、男女がいる環境がより合っていると考えるのかということになります。振り返って見れば、共学と別学どちらの学校を出ても楽しかったと言えるだけの魅力があります。
まとめ
- 男女共学校と男女別学の男子校・女子校というように教育上の多数の選択肢があることは望ましいことであると考えられ、どちらが上とか、優れているということはありません。学校選びの重要な基準となる学力や大学進学実績などの面でも男女共学校、男女別学の男子校・女子校のいずれも選択肢となります。
- 共学校と別学の男子校・女子校のどちらを選ぶかということについては、親の教育方針だけではなく、子どもの希望や個性、考え方なども考慮して、一番合っていると考えられる学校を選ぶことが大切です。