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義務教育学校とは・特徴やメリットとデメリット

記事作成日:2018年5月7日

義務教育学校とは、小学校の6年間と中学校の3年間の義務教育期間の合計9年間を1つの学校として、一貫の教育を実施するための学校です。義務教育学校は小学校と中学校を別々の学校ではなく、1つの学校にしたことが特徴で、義務教育を一貫して行い、9年間の系統的な教育、9年間の継続的な生徒指導、1年生から9年生までの異学年交流などが特徴です。

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義務教育学校とは

義務教育学校は、初等教育の小学校と前期中等教育の中学校を同じ1つ学校としたものです。義務教育期間9年間の教育を実施する学校なので義務教育学校と名づけられました。小学校に相当する前半6年間を前期課程、中学校に相当する後半3年間を後期課程といい、前期課程を修了すると小学校を卒業したことになります。

小中一貫教育が行われる

義務教育学校は、小学校と中学校の9年間の教育を一貫して行うことが特徴です。小中一貫教育では、小学校段階と中学校段階の教員が教育上の目標を共有して教育が実施されること、9年間で系統的な教育が行われること、9年間学習環境が安定することなどが特徴です。

義務教育学校における小中一貫教育の取組例として、学習内容の系統図などを活用した系統的・継続的な教育、小中一貫教科等の設定、小学校・中学校間や学年間での指導内容の入れ替えなどの教育カリキュラムの工夫、6-3制とは異なる学年区分の導入による生徒の発達段階に応じた指導、異学年間での生徒の交流、教員間の緊密な情報交換や(小学校を担当していた教員と中学校を担当していた教員の)相互乗り入れによる指導、小学校での教科担任制の導入、9年間の継続的な生徒指導などが行われます。

義務教育学校の目的と目標

義務教育学校の目的と目標については学校教育法に定めがありますが、基本的に小学校と中学校の目的及び目標と同じものとなっています。ただし「一貫して施すこと」というところが通常の小学校や中学校やと異なっています。小学校と中学校の教育を一貫して行うということが義務教育学校の特徴です。

第49条の2 義務教育学校は、心身の発達に応じて、義務教育として行われる普通教育を基礎的なものから一貫して施すことを目的とする。

(出典)学校教育法より数値の表記を一部変更するなどして引用

義務教育学校の教育内容

義務教育学校の教育課程については、前半6年間の前期課程は小学校の基準を、後半3年間の後期課程は中学校の基準をそれぞれ準用することになっています。前期課程は小学校学習指導要領、後期課程は中学校学習指導要領に基づく教育を行うことになります。

ただし、小学校と中学校の9年間を活かして、系統的・継続的な指導を行うことになっています。また、9年間の期間を活かして特色がある教育を実施できるように、教育課程の基準の特例があります。

義務教育学校の教育の特例

義務教育学校では、小中一貫教育のための独自教科(小中一貫教科)等を追加したり、小中一貫教科等により他の各教科等の代替をしたり、小中一貫教科等の授業時数で他の各教科等の授業時数を代替したりすることが可能です。

また、小学校段階・中学校段階の各教科等の内容のうち相互に関連するものを入れ替えたり、小学校段階・中学校段階のそれぞれの指導内容を中学校段階に後送り・小学校段階に前倒しによる移行をしたり、学年間の指導内容の後送り・前倒しによる移行を行ったりすることもできます。

後期課程を修了すると中学校卒業資格が得られる

義務教育学校は小学校や中学校の制度と合わせる関係から、前半の6年間を前期課程、後半の3年間を後期課程と呼び、前期課程を修了すると小学校を卒業したの同じことになり、後期課程を修了し義務教育学校を卒業すると中学校を卒業したのと同じこととなり、中学校卒業資格が得られます。

公立の義務教育学校が多い

小学校と中学校を1つの学校にした義務教育学校は公立(市区町村立)の学校が多くなっています。公立の小学校や中学校において、中1の壁や小中ギャップと呼ばれるような小学校と中学校の学習環境の違いを緩和することなどを目的として、義務教育学校の設置が進められています。

公立の義務教育学校は義務教育の就学指定対象となる

公立(市区町村立)の義務教育学校は基本的に義務教育の就学指定対象となります。通常の小学校や中学校と同じように、地域の子どもたちに義務教育を行う教育機関と位置付けられています。そのため、公立(市区町村立)の義務教育学校は入学において試験などの選抜を行わないことになっています。

学年段階の区切りを6-3年以外に柔軟にできる

小学校と中学校に分かれていると、学年段階の大きな区切りは必然的に小学校と中学校の6-3年になります。しかし、義務教育学校では小学校と中学校が分かれていないため、9年間の中で独自の大きな区切りを設けて、効果的な教育課程を組み生徒の指導を行うことが可能です。4-3-2年や5-4年など様々な区切りが考えられます。

学校行事や生徒会活動などは基本的に全校合同で実施

学校行事や生徒会活動など、学校に関することは同じ1つの学校なので。前期課程の生徒(小学生に相当)と後期課程の生徒(中学生に相当)の全校合同で行われることになります。そのため、異学年の交流が図られ、社会性を身に付けやすくなる効果があります。

義務教育学校のメリット

義務教育学校のメリットには、中1の壁の緩和・解消、系統性を意識した小中一貫教育、異学年交流による精神的な発達などが挙げられます。

中1の壁・小中ギャップの緩和・解消

義務教育学校のメリットの1つとして、中1の壁・小中ギャップの緩和・解消が挙げられます。小学校と中学校では学習環境、生活環境、人間関係などが大きく変化するため、生徒が変化に対応しきれない中1の壁、小中ギャップという問題があります。

小学校と中学校を1つの学校にした義務教育学校では、小学校と中学校の間の段差を緩和することができ、小学校教育から中学校教育への円滑な移行を促すことが可能となり、中1の壁や小中ギャップと呼ばれる問題が緩和・解消する効果が期待されます。

系統性・連続性を意識した小中一貫教育

小中一貫教育では系統的・継続的な学習によって教育効果が高まることが期待されます。小学校と中学校で学ぶ内容について系統図などを作成し、系統性や連続性に配慮して教育カリキュラムを作成したり、指導を行ったりすることが可能となり理解度の向上が期待できます。

その他にも、教科内や教科間の学習内容の関連性を意識して指導順序や指導内容を工夫する、理解が難しいや生徒がつまづき易い内容は後の学年でも繰り返し指導をする、後の学年でつまづき易い内容は前の学年で時間を割いて重点的に丁寧な指導をするなどの工夫が可能となります。

異学年交流による精神的な発達

義務教育学校(特に施設一体型)では小学1年から中学3年に相当する生徒(1年生から9年生)が同じ学校で学びます。施設一体型以外の施設隣接型や施設分離型では物理的な距離は離れますが、何らかの交流の機会が持たれます。

1年生から9年生までの生徒が学校行事などを通じて異学年交流を行うことによって、上級生から下級生に対する思いやりの心、上級生・下級生の規範意識、下級生から上級生に対する憧れの気持ちなどの醸成が期待されます。異学年交流によって精神的な発達や社会性の育成の効果が期待されます。

継続的な生徒に対する指導

義務教育学校は小学校と中学校が1つの学校となり、9年間継続して生徒に対する指導が行われます。そのため教員間で生徒の情報を共有しやすく、生徒指導を効果的に行うことができるようになります。

生徒の個性に応じたきめ細やかな丁寧な生徒指導が可能となります。

義務教育学校のデメリット

義務教育学校のデメリットとして、中高一貫教育との整合性が取れない、リーダーシップや自主性を養う機会が減る(小学校高学年の時期)、9年間で人間関係が固定化しやすい、などがあります。

中高一貫教育と整合性が取れない

義務教育学校の特徴である小中一貫教育は日本で盛んな中高一貫教育と整合性が取れません。そのため、どちらかを選ぶことになります。一方、日本では大学への進学実績などを踏まえると、中学受験が盛んな地域では中高一貫教育・中高一貫校の方が重要であると考えられます。そのため、中学受験が盛んで中高一貫教育を行う有力な学校がある地域では、義務教育学校の存在意義が位置付けづらいと考えられます。

中学受験で外部に出るのは特殊な事例となる

義務教育学校は小学校・中学校との制度的な関連性が意識されていて、前期課程と後期課程に分かれていることなどから途中で外部の学校に転出することもでき、中学受験をすること自体は可能です。

ただし、9年間の小中一貫教育の途中で出るため、小中一貫教育の意味が薄れるだけでなく、特殊な進路となるため先生との関係や周りの生徒などとの付き合いが気まずくなることもあります。

公立は基本的に高校受験が必要となる

公立の義務教育学校は高等学校とは一貫していないため、高校受験が必要となります。小中一貫教育では小中一貫教育のメリットがありますが、中高一貫教育のメリットがないため、やはり小中一貫教育をとるか中高一貫教育を選ぶかという問題になります。

選抜がない場合には教育効果が薄れる危険がある

公立の義務教育学校は義務教育の就学指定の対象となり、入学者の選抜が行われないため、生徒の学力の水準にばらつきが生じます。生徒によって理解度や成長度合いが異なるため、9年間で学力の差が拡大していく可能性が高く、生徒間の学力差が生じた場合には、生徒の理解度に応じて授業を行う必要が出てくるため、教育効果が薄くなる危険があります。

小学校卒業の達成感がない

義務教育学校の場合には小学校と中学校が1つの学校になるため、小学校卒業の達成感がなくなります。前期課程修了になるため修了式を行うことで卒業式を代替する場合がありますが、学校が変わる卒業式と単に6年生から7年生に学年が上がる修了式では達成感に差が出ます。子どもにとって1つの区切りを超えた、成長したと実感できる機会が減ってしまうのです。

中学校の新鮮さがない

義務教育学校は、小学校と中学校の段差をなくし、中1の壁や小中ギャップと呼ばれる状況を解消することなどを目的としていますが、段差をなくして1つの学校にしてしまう結果、中学校の新鮮さがなくなります。

新しい学校に通うことで、やる気が出てきたり、心機一転したり、人間関係が大きく変わったりしますが、新鮮さがなくなり、変化するきっかけの1つが失われてしまうのです。

小1と中3は差があり交流に課題がある

義務教育学校では小学1年生(1年生)から中学3年生(9年生)に相当する生徒が在籍し、学校行事など様々な学校の活動を通じて異学年の交流や学年の縦割り活動などが行われます。しかし、小1のような低学年と中3のような高学年では発達段階に差があり過ぎて同じ活動をするためには相当な配慮が必要という課題があります。

中学生相当の生徒の悪影響の恐れ

一般的に中学生の段階になると、精神的に発達し、思春期・第二次反抗期に当たる時期となるため、不登校やいじめ、暴力事件などの問題が増えやすくなります。そのため、中学生相当の生徒の行動や振る舞いが小学生相当の生徒の発達に悪影響を及ぼす恐れがあり、学校側の教育上の配慮が重要となります。

リーダーシップや自主性を養う機会が減る

学校集団の中で高学年となると、学校行事などにおいて重要な立場となるため、リーダーシップや自主性が養われます。小学校であれば高学年の5年生や6年生、中学校であれば3年生の時期が該当します。

しかし、義務教育学校では小学校と中学校を1つにしてしまうため、小学校段階の5年生や6年生は高学年ではなくなり中学年となってしまい、リーダーシップや自主性を養う機会が減ってしまうのです。

人間関係が9年間固定化しやすい

義務教育学校はクラス替えはあるにしても、9年間同じ生徒の構成で過ごすことになります。9年間同じ学校で生活を送ると、人間関係が固定しやすいため、一度からかいの対象となる、弱い立場に追い込まれる、仲間はずれになるとその状況がずっと固定化してしまい、立ち直る機会が得られない場合があります。

学年数・学級数の増加で目が届きづらくなる

義務教育学校では、学年数と学級数が増加するため、校長などによる管理体制や教員の配置を適正に行わないと、細部まで目が届きにくくなって、重大な問題に気付くのが遅れてしまう場合があります。特に施設分離型などのように校舎間に距離があると、校舎間で情報が十分共有されないこともあります。

学校統廃合に利用される恐れがある

少子高齢化で子どもの数が減る中で、義務教育学校の制度が学校の統廃合に事実上利用されてしまう恐れがあります。義務教育学校は中1の壁・小中ギャップの解消、小中一貫教育の実施などを目的とした制度ですが、学校の統廃合や予算の削減の手段として利用がなされる恐れがあります。

学年数・学級数が増えて施設利用頻度が減ることも

同じ施設で小中一貫教育を実施する場合には、学年数が中学校の3年あるいは小学校の6年から9年になり学級数が増加します。そのため、学校の体育館、運動場、プールなどの施設・設備が1つしか内容な場合、スケジュールの調整が難しくなる場合、利用頻度が減ってしまう場合があります。

休み時間に低学年の生徒が委縮する可能性

義務教育学校では、休み時間に運動場などの施設で遊ぶ場合、低学年の生徒と高学年の生徒が一緒に遊ぶと身体能力の差によって危険が生じる場合がある(小学校段階低学年と中学校段階の生徒は大きく異なる)ほか、低学年の生徒が遠慮・委縮して遊べない恐れもあります。

まとめ

  • 義務教育学校とは、小学校の6年間と中学校の3年間の義務教育期間の合計9年間を1つの学校として、一貫の教育を実施するための学校で、9年間の系統的な教育、継続的な生徒指導、異学年交流などが特徴です。
  • 義務教育学校のメリットには、中1の壁の緩和・解消、系統性を意識した小中一貫教育、異学年交流による精神的な発達などが挙げられます。デメリットには、中高一貫教育との整合性が取れない、リーダーシップを養う機会が減る、人間関係が固定化しやすい、などがあります。

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