老後・定年後の生活を支える6つの収入源(お金)と最後の手段
記事作成日:2016年3月7日
最終更新日:2018年6月1日
老後・定年後の生活を支えるお金・収入源には、最も基本となるものとして年金があります。そのほかにも、退職金、資産運用収入、貯金の取り崩し、給与(給料・賞与など働くことによる収入)、家族からの支援の6つがあります。また年金、退職金、資産運用収入、貯金の取崩、給与では経済的に困窮し、支援をしてくれる親族もいないような場合には最後の手段として生活保護があります。
- 年金
- 退職金
- 資産運用
- 貯金
- 給与
- 家族の支援
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年金
老後・定年後の重要な収入源となる年金についてです。
老後資金となる年金
老後の基本的な収入源は何といっても年金です。全ての人に共通している1階部分の国民年金(老齢基礎年金)のほか、会社員や公務員などの人がもらう給与(給料・賞与、俸給など)に比例して支給される2階部分の厚生年金(共済年金)や国民年金基金、確定拠出年金、勤務先の企業によっては上乗せされる3階部分である確定給付企業年金、さらには公的年金や企業年金の枠外で民間の保険会社で個人が契約する個人年金などがあります。
年金の支給額の増やし方
国民年金部分は加入期間に応じて年金の支給額が変わってきます。また、厚生年金など2階部分や3階部分は勤務先の企業での勤続年数や給与の水準によって年金の支給額が変わってきます。確定拠出年金は個人の場合には自分の拠出額や運用成績によって支給額が変わってきます。個人年金は支払った保険料などによって支給額が変わってきます。
基本的には、自らの努力である程度年金の支給額を増やすことができます。国民年金であれば保険料が払い込み済みとなる加入期間を最大限伸ばすことによって、厚生年金などでは勤続年数を伸ばすことや給与が高くなるように働くことによって、確定拠出年金は拠出金をなるべく増やすといったことが考えられます。個人年金でも同様で保険料を多く支払えばその分支給額が増加します。
退職金
退職金がある場合は老後・定年後の生活において重要な役割を果たします。
老後資金となる退職金
会社員や公務員などの人にとって重要なのが退職金です。勤め先によっては退職金制度が事実上存在していないような場合もありますが、企業規模が大きくなればなるほど退職金制度は充実しています。
退職金の増やし方
大前提として、退職金制度があって充実している勤務先を選択するということが必要になります。そして、退職金は勤続年数が長くなるほど、給与の水準が高いほど、支給金額が通常多くなります。
そのため、会社員や公務員の人は勤続年数を伸ばす、勤務先で昇進や昇給などによって給与水準が高くなるように仕事を頑張るということで退職金を増やすことができます。特に転職を繰り返してしまうと、1つあたりの勤務先の勤続年数が短くなってしまい、退職金でかなり損をしてしまう場合があるので、転職の際には退職金や企業年金などを考慮した上で生涯収入がどう変わるかということを意識しましょう。
退職金は老後生活1年当たりで考えるとそれほど多くない
退職金は定年まで勤めあげた場合、一度に1,000~3,000万円程度のまとまった金額が手に入るため、とても大きな金額であるように感じるかもしれません。しかし、老後生活1年当たりで考えるとそれほど多くないのです。
退職金が2,000万円支給されて、65歳から85歳までの20年間に充てると考えると、2,000(万円)÷20(年)=100(万円/年)となります。退職金は老後生活1年当たり100万円に相当するということになりますが、1年当たりで考えるとそれほど多額ではないのです。
資産運用による収入
老後・定年後になるまでに資産を貯めている場合は、その資産を運用することによって収入が得られます。
老後資金となる資産運用による収入
老後の生活資金で人によって大きく変わるのが資産運用収入です。定年などによって働かなくなる時点でどのくらいの資産(貯金・貯蓄)を有しているのかということは老後の生活を左右します。
働くことによる収入が期待できなくなってしまうと、既に退職金を受け取っていることから、基本的には収入は年金に依存することになります。
十分な資産があるわけではない場合には、積極的にリスクを取る資産運用を行うと貯金を失ってしまう可能性があるため慎重な資産運用を行わざるを得ず、高い利回りは期待できなくなります。そのため、資産運用ではなく、貯金を取り崩すことが中心となり、資産運用による収入はほとんど期待できないことになります。
資産運用収入の増やし方
「資産運用収入=資産×利回り」であるため、老後の生活に入るまでにどれだけ資産を作ることができるかということが重要になります。利回りを高めるということは、運用のリスクも高まるためです(ハイリターンな投資はハイリスクな投資でもあるため)
若いうちから家計の収支を意識して、貯金を増やしていくことが重要になります。貯金が増えてきたら、老後の生活になるまでに積極的な資産運用を行い、お金を増やしていくことが大切です。
老後の生活が始まるまでにまとまった資産ができている場合には、余裕があるためある程度リスクをとった資産運用も可能となるため、老後も一定の資産運用収入が期待できます。
資産運用として無難なのが、預金や国債などの債券、株式、投資信託などの金融資産への投資です。安全性を重視することもできますし、収益性を追求することもできます。
なお、不動産投資については慎重に考える必要があります。今後、世帯数は大きく減少し空き家が社会問題化する可能性が高いからです。需要が見込めるのであれば不動産による家賃収入を目指すといったことも考えられるかもしれません。ただし、大家業は安易な不動産の取得をすると身動きが取れなくなってしまうことがあるため、慎重に行う必要があります。また、不動産投資は事業の側面があるため、完全に人に任せきりでは上手くいかないことがあります。
貯金・貯蓄の取崩
貯金・貯蓄を取り崩すことによって老後・定年後の生活の足しにできます。
老後資金となる貯金・貯蓄
老後・定年になるまでにどれだけ計画的に貯められたかによって大きく金額が変わるのが貯金・貯蓄です(退職金による部分を除く)。持ち家があるかないかによっても必要な老後資金は変わってきますが、貯金・貯蓄はあればあっただけ良いです。働くことができる現役の間にどれだけ貯められるかが鍵になります。
貯金・貯蓄の増やし方
貯金・貯蓄の増やし方については、できるだけ早い時期から貯め始めることが重要で、先取り貯金など貯金をする仕組みづくりをして、計画的に貯めていくことが大切です。貯金を続けていくためには、家計の収支が黒字である必要がありますが、常に家計を見直して、収入を増やし、支出を減らす努力を続けていくことが重要です。
給与
もし、年金、退職金、資産運用収入、貯金の取崩では老後のお金が足りないという場合は、できるだけ長く働くことが解決策となります。
老後資金となる給与
年金が少なく、退職金も期待できず、貯金もほとんどないというような場合には、定年の年齢を過ぎた後も可能な限り働き続けて給与(毎月の給料や賞与など)による収入を確保するということが考えられます。しかし、高齢になると健康面から働き続けることが困難になる場合も多いです。
給与の増やし方
まず、健康でいるということが大切です。無理をし過ぎて体を壊さないということも大切です。また、定年後は働く選択肢も狭まってくるため、定年前の仕事の経験を活かして専門的な仕事ができる場合は良いのですが、仕事内容にはこだわりを持ちすぎないことも重要です。定年後も働き続くことができる会社を選ぶようにするということも有効です。
家族の支援
恵まれている場合は、家族から金銭的な支援を受けることができる場合があります。ただし、支援する人に負担をかけてしまいます。
子どもなどからの援助・仕送り
子どもがいる人の場合、子どもが金銭的な援助・仕送りを行う場合があります。また、子どもと同じ場所または近い場所に住むことで、金銭的な面や介護などそれ以外の面での支援を受けられる場合があります。
支援する側への配慮が必要
家族同士が助け合って生きていくということはとても素晴らしいことであると考えられます。しかし、老後の生活は長く続くものであり負担が長期化することから、支援する側の負担にも配慮が必要です。また親という立場から子どものお金を当てにしても良いのかという問題があります。そのため、家族に頼らなくても問題なく老後生活を送れるように、計画的な資金計画、ライフランニングを行っておくことが大切です。
最後の手段となる生活保護
老後の生活を支える6つの収入源・お金である年金、退職金、資産運用収入、貯金、給与、家族の支援がほとんどないなどの理由で生活が成り立たないという場合には、最後の手段として生活保護を検討することになります。親族によって扶養してもらえる場合は良いのですが、頼る当てもないという場合は、生活保護を受けることで最低限の老後の生活を送ることになります。
生活保護がないと生きていくのが困難な経済状況の場合には、躊躇することなく役所に相談することが重要です。
まとめ
- 老後・定年後の生活を支える6つの収入源・お金は年金、退職金、資産運用収入、貯金の取り崩し、給与、家族の支援です。
- 老後・定年後の生活に入るまでに計画的に準備することによって老後の生活資金を増やすことができますが、経済的に困窮してしまい、どうしても生活ができないような状況になったら生活保護を受けることも大切です。