1年で離婚が最も多い月と離婚が最も少ない月
記事作成日:2017年11月12日
1年で最も離婚が多い月と言うと何月を思い浮かべるでしょうか。厚生労働省の人口動態統計によると、2016年の離婚の届出件数が最も多かった月は3月で離婚全体に占める割合は11.2%となっています。近年は一貫して3月の離婚が多くなっています。3月は年度が切り替わる時期で、子どもがいる場合には3月に離婚すれば4月から新生活がしやすいということが背景にあると考えられます。また、離婚が最も少ない月は2016年の場合は11月で割合は7.6%となっています。
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離婚が最も多い月は3月
離婚件数に関する統計として、厚生労働省の人口動態統計(確定数)の概況みると、届出月別に離婚件数をみると離婚の届出が最も多くなっているのは3月で、2016年では離婚件数全体に占める3月の離婚件数の割合は11.2%となっています。日数の違いを無視して各月均等に届出が行われると仮定すると100%÷12月≒8.3%となるため3月の割合が高めになっていることが分かります。
月 | 離婚件数の割合 |
---|---|
1月 | 7.7% |
2月 | 8.4% |
3月 | 11.2% |
4月 | 8.3% |
5月 | 8.1% |
6月 | 8.5% |
7月 | 7.8% |
8月 | 8.2% |
9月 | 8.1% |
10月 | 7.8% |
11月 | 7.6% |
12月 | 8.3% |
(出典)厚生労働省の人口動態統計(確定数)の概況を基にfromportal.comの担当者が作成
離婚件数が2番目に多い月は年によって変動がある
離婚件数が2番目に多い月は年によって変動があり、3月ほど明確な傾向がありません。2016年は6月(8.5%)、2015年は4月(8.9%)というように入れ替わりがあります。2番目に離婚が多い月の傾向を見いだすのは難しくなっています。
離婚が最も少ない月は11月、ただし他の月との差は小さい
一方で離婚件数が最も少なくなるのが11月です。2016年では離婚件数全体に占める11月の離婚件数の割合は7.6%となっています。ただし、2番目に少ない月の1月(7.7%)との差は小さく年によっては入れ替わりがあります。
例えば、2010年は11月の離婚件数の割合は7.7%、5月の離婚件数の割合は7.6%となっていて、5月が最も少なくなっています。ただし、5月は傾向的に離婚件数が少ないかと言えば、必ずしもそうではありません。
近年では3月は一貫して離婚が多く、3月以外の月の離婚件数はあまり差がない
近年のデータとして、2000年以降のデータを確認すると、離婚件数は3月が一貫して最も多くなっています。他の月に一度も抜かれていません。
一方で、3月以外の月の離婚件数はあまり大きな差がなく、各月とも7~8%台程度となっています。離婚は3月が多く、他の月は11月がやや少ない傾向がありますが、おおむね差がないということになります。
なぜ3月に離婚が多いのか
3月は年度の切り替わる時期
なぜ3月に離婚が多くなるのでしょうか。3月は1年の中で年度が切り替わる節目となる月で、4月からは新年度入りとなります。社会人になると、新年度になることによって人事異動、転勤、昇進・昇給などが起こることがありますが、必ずしも新年度に入ると環境が大きく変わるというわけではありません。
3月から4月にかけて子どもの環境は大きく変化
しかし、子どもは違います。子どもは新年度になると、新たに入園、入学・進学、進級することになり、生活環境が大きく変わります。幼稚園に入園する、小学校・中学校・高等学校・大学に入学・進学するなど、通う場所が変わることで大きく環境が変化します。学年が変わりクラスが変わることで環境が変化します。
大学に入学・進学すると子どもがより自立していくことにもつながりますし、大学を卒業すると社会人となるため1人の大人として精神面だけではなく、経済面でも自立することになり、親の手を離れることになります。
3月に離婚すれば4月から新生活が始められる
子どもがいる場合、4月には入園・入学・進学・進級で大きく環境が変わることから、3月に離婚すれば子どもの名字や住む場所が変わったとしても年度途中で変わるのではなく、区切りが良い年度の変わり目となるため、4月から新生活を始めることができます。
3月に離婚することで離婚の周りへの影響を極力抑えることができることになるため、3月に離婚する人が多くなるのだと考えられます。
社会人であっても、気分的に年度の切り替わりで離婚をすることによって、4月から心機一転できると考えられます。
12月も区切りですが離婚は際立って多くはない
年の区切りという意味では12月の離婚も考えられますが、12月から1月は年末年始となりますが、年末年始は世間一般が休みを取る時期で、引っ越しや役所の手続きが年末年始はスムーズにできないことがある、年内に離婚すると扶養控除や配偶者控除・配偶者特別控除が12月31日時点で判定されることから税金面で影響がある、などの理由で際立って離婚件数が多いということにはなっていません。
まとめ
- 離婚届出件数が1年のうちで最も多いのは3月で、最も少ないのは11月となっています。ただし、最も少ない月は年によって変動があります。
- 3月に離婚が多い理由として、3月は年度が切り替わる時期であるため、3月に離婚すれば名字や住所が変わっても4月から新生活への影響が抑えられるということが考えられます。