家庭学習で親が教える時のポイント・注意点
記事作成日:2016年10月30日
家庭学習で親が教える時のポイントについてです。家庭学習を習慣づけることができれば学力向上につなげることができますが、小学校などの場合には子ども一人でできることには限界があります。小学校位までの家庭学習では親が教えることが重要ですし、場合によっては中学校でも親が関わる場合があります。親が家庭学習で子どもに教える場合のポイント・注意点・気を付けることについて説明します。
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結果よりも過程を重視する
勉強は明確な答えがありますし、点数も出てきてしまうので結果に目が行きがちです。しかし、学習では答えや点数よりも大事なことがあります。学習では答えや点数よりも、どのようにして答えを出したかという過程が大事なのです。
同じ答えを出せたとしても、考え方が間違っていては、応用が出来ませんし、別の切り口での出題で間違えるかもしれません。たまたま最近解いた問題だったので正解出来て点数が良かったけれども、実はほとんど理解できていないというような場合もあります。
じっくりと理解の程度を測ることができて、手とり足とり指導することができる家庭学習では、答えが出る事よりも、答えをどのようにだしているか、どう考えているかを確認していくことが重要です。答えがあることも大事であることは大切なのですが、どのように考えるといいいのかということに力を入れる必要があります。
親も指導内容を勉強し工夫する
親が子どもに教える場合には、子どもが勉強をするだけではなく、親も勉強をしなければいけません。子どもに教える内容を理解するだけではなく、どうやったら理解しやすくなるかといった指導方法についても学び、工夫する必要があります。子どもの意欲を引き出すためにはどうしたら良いか、親子の距離感はどのようなものが適切かといった事についても研究することが大切です。
親が子どもに教えるということは、子供が勉強をするということだけではなく、親も学ぶということなのです。ほとんどの親は、子どもが勉強しようとしている内容は理解していても、教育・指導の経験がないので、教える事については素人同然なのです。親も教育や指導について学ばなければいけません。
子どもの状況に合わせて学習ペースを調整する
家庭学習であれば、子どもの理解状況や体調、調子などに合わせて学習ペースを調整することができます。
学校や塾での集団指導では、子どもが完全に理解していなくても授業はどんどん進んでいきますし、理解できていない人にあわせた授業ばかりが行われるわけではありません。
個別指導であれば、理解度に合わせた学習が可能ですが、指導時間は限られていて毎日個別指導を受けることも現実的ではありません。しかし、家庭学習であれば親が子どもの状況を見ながら学習ペースの調整が可能です。
理解が出来ていない部分は時間をかけてじっくり学習し、理解できている部分は飛ばして先に進むことが可能です。調子がいい時は難しい問題や新しい学習内容に挑戦したり、勉強時間を長くすることができます。
逆に疲れている時には、簡単な内容で済ませたり、これまでの復習を簡単に行ったり、勉強を見送ったりするなど調整ができます。家庭学習の強みは、理解状況に応じたきめ細かな学習ペースの調整が可能だということです。
甘やかせてもいけないが焦ってもだめ
子どもが学校などで疲れている場合には、疲れているので今日は勉強したくない、また明日でいいでしょ、といったようなことを言う場合があります。
家庭学習を怠けていてはいけないので、やる気を出してもらわなければいけないのですが、親が焦ってしまって無理矢理勉強させてしまうことにも問題があります。嫌々勉強をしていては、子どもの勉強の効率が下がってしまいますし、勉強に対する意欲も失われてしまいます。親子関係を損ねてしまうことにもなりかねません。
勉強を怠けさせてしまうほど甘やかせてしまってもいけませんが、親が焦ってしまって子どもを無理矢理勉強に駆り立てるようなことも逆効果になってしまいます。
思春期の子どもとの距離感を見きわめる
子どもが思春期の時期は親子関係がねじれてしまいやすい時期です。特に、学習習慣が身に付いているわけでもないのに、思春期の頃に突然親が勉強、勉強と言い出してしまうと親子関係がこじれてしまう可能性があります。
小さいころから家庭学習の習慣を身につけているのでないような場合、親子の距離が離れているような場合は、親が勉強を教える前に、子どもの気持ちを踏まえて親子の距離感を見定めて、親子の関係を築いていく必要があります。
完璧を求めない
我が子の教育では親が頑張り過ぎてしまうことがあります。親が頑張り過ぎてしまうあまり、子どもに成長段階に見合わないような高い水準のものを求めてしまったり、完璧であることを求めてしまったり、ケアレスミスを許せなくなってしまったりすることがあります。
しかし、大人でも完璧な人間がいないのに、子どもであればなおさらなので完璧を求めてしまってはいけません。否定するのではなく、出来ることを喜び、褒めることが大切です。
責めるのではなく受けとめる
親が教えるような場合には、熱が入り過ぎてしまって、どうしてこんなことができないの?とか他の子はもっとできているのにとか、子どもを責めてしまうようなことがあります。しかし、親が子どもの努力を認めないで責めてばかりいては子どもはやる気を失ってしまいます。
子どもの理解状況や学習姿勢を責めるのではなく、受け止めてどうすれば良いのかを考えることが重要です。子どもを責めてもできるようにはなりません。どうやったらできるようになるかを考えることが大切なのです。
子どもの質問を聞き流すことをしない
小学生など年齢が低い場合には、子どもが好奇心から様々な質問をします。どうしてそうなの?なんで?といった質問をたくさん受けることがあるかもしれませんが、そういうものだとか、決まっているんだというような答えをするのではなく、真摯に質問に向かい合うことが大切です。
親だって知らないことや分からないことがあって当然なので、受け流すのではなく、一緒に考えたり、調べたりして、質問に答えようと努力することが大切です。子どもの質問を適当に流していると、子どもの好奇心の芽を摘んでしまうことにもなりかねません。日常に潜んでいる不思議の中にも学びの機会はたくさん隠れているのです。
まとめ
- 家庭学習で親が子に教える場合には、子どもの理解度合いや状況をよく把握して、子どもに合わせた学習を行うことが重要です。
- 親自身も教育や指導について学ぶ必要があり、子どもを責めて萎縮させるのではなく、子どものやる気を引き出し、理解が深まるような教え方を目指していくことが大切です。