教育費貧乏・習い事貧乏・受験貧乏に陥る原因と防ぐ方法
記事作成日:2018年12月26日
教育費貧乏・習い事貧乏・受験貧乏に陥る原因と防ぐ方法についてです。家計の収入に見合わないようなお金を教育に投じてしまうと、教育費貧乏に陥ってしまう可能性があります。特に高額の習い事、私立の学校、受験の塾の授業料には注意が必要です。教育費貧乏に陥らないためには、家計の負担ができる範囲で子どもの教育にお金を使うことが大切です。
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教育費貧乏・習い事貧乏・受験貧乏に陥る原因
教育費貧乏・習い事貧乏・受験貧乏に陥る原因についてです。身の丈に見合う以上のお金を使ってしまうことで教育費貧乏・習い事貧乏・受験貧乏に陥ります。
お金がかかる習い事をする
お金がかかる習い事をすると習い事貧乏になってしまう可能性があります。お金がかかりやすい習い事として有名なのはバイオリン、ピアノ、バレー、スケートなどがありますが、楽器や衣装の購入費、発表会・コンクールの費用、シューズの費用やリンク利用料などがかかるためです。
一方で比較的お金がかからない習い事としては、スイミング、そろばん、習字、体操、ダンスなどがあります。ただし、どのような習い事でも本格的にプロや大きな大会での好成績などを目指す場合には費用が膨らみます。
習い事を掛け持ちし過ぎてしまう
子どもの可能性を試すために沢山の習い事を掛け持ちさせることがあります。子どもの教育のために色々なことに挑戦させるということは素晴らしいことですがものには限度があります。
習い事で予定が埋め尽くされていて、一週間のほとんどに習い事の予定が入っているという状態は望ましくありません。子どもの体力や気力にも限界がありますし、向き不向きもあるからです。詰め込み過ぎてしまうと身になることも身にならなくなってしまうことがあります。
辞め時が分からず惰性で習い事を続けさせてしまう
習い事に何を求めていて、習い事をいつまで続けるのかということが曖昧なまま、辞め時を見失ってしまい、必要以上に習い事に惰性でお金を投じてしまうことがあります。
特にそこそこ長く続けた習い事の場合、ここまで続けたんだから今辞めるのはもったいない気がするといったように、辞めづらくなってしまうことがあります。そうなると、習い事の負担が重くなってくることがあります。
有名幼稚園や小学校のお受験をする
有名幼稚園(や一部のこども園)や国立や私立の小学校のお受験をすると高額の費用が掛かってしまい、教育費貧乏、受験貧乏になってしまう可能性があります。特に幼稚園受験や小学校受験は受験対策を行う塾の授業料が高額となる傾向があり、受験対策を行う段階で高額のお金を使ってしまう可能性があります。
幼稚園受験や小学校受験は塾や教室に通わず、家庭で対策をすることも不可能ではありませんが、中学校以降の受験と比べるとノウハウや情報を得づらいこと、集団での行動など家庭での対策が難しい部分を見られることなどから、塾や教室を利用することが多くなりがちです。
有名私立幼稚園や私立小学校に通う
一部の有名幼稚園や私立小学校の大半は授業料や施設費・設備費、教材費などが高額となっているため、通う場合には相当な教育費の負担を覚悟しなければいけません。通うために補助金を受けられる場合もありますが、所得の条件があることや必要な費用をすべて賄うことができる訳ではないことから家計を圧迫し、教育費貧乏に陥ってしまうことがあります。
また、周りの子がお金持ちである場合、ママ友づきあいでお金がかかったり、周りに合わせるために習い事をさせたりすることなどでお金がかかってしまうことがあります。
中学受験をする
中学受験をすると教育費貧乏、受験貧乏になってしまう可能性があります。首都圏など中学受験が盛んな地域では多くの子どもが中学受験をするため競争が激化し、受験対策も難しくなっています。
競争が激しい地域では小学校3年生の終わりから塾通いが本格化するため塾に通う場合には小学校4年生から6年生までの3年間塾の授業料負担が発生します。受験が近づくほど、授業料の値段が上がる仕組みになっていることも多く、教材費などを含めて3年間の負担を合計すると100万円では収まらず、200百万円以上の負担になっていることも珍しくありません。大学受験以上にお金がかかることがあるのです。
私立中学校・私立高校に通う
私立の中学校や高等学校に通うと授業料などの負担で教育費貧乏に陥る可能性があります。授業料の支援制度(高等学校等就学支援金制度)があるため授業料負担は軽減されますが、一定の負担が家計にのしかかります。私立中学校の場合、所得が低い場合などは補助を受けられる場合がありますが、基本的には高額の授業料負担を覚悟しなければいけません。
高校受験でお金を使い過ぎてしまう
高校受験は小学校受験、中学受験、大学受験とは違って、お金が相対的にかからない傾向があります。そのため、塾などにお金を使い過ぎなければ教育費貧乏、受験貧乏に陥る可能性は低いと言えます。
中学受験は国立や私立の中学校の定員が限られていて、狭き門を勝ち抜くために競争が激化しやすいことから塾通いの期間も長期化しやすく、授業料も高額となりやすいです。しかし、高校受験は公立高校も選択肢にある受験で、学力に合った学校を選べば大抵の場合どこかの高校に入学することができるため、競争が激化するのは一部の人気校に限られます。そのため、受験勉強も中学3年生だけ済む場合も多く、塾の費用負担が限定的になるのです。
大学受験でお金を使い過ぎてしまう
大学受験でお金を使い過ぎてしまうと教育費貧乏、受験貧乏となる可能性があります。今までの学習内容が十分理解できておらず特別な対策が必要となる場合、浪人しなければいけない場合、偏差値が高い大学受験を目指す場合などは、塾通いの費用が膨らみやすい傾向があります。
特に浪人をすると、1年分多く大学受験のための費用が掛かってしまうため、家計の大きな負担となることがあります。家計の面からは現役で合格することが一番望ましいのです。
大学の学費を計画的に準備していない
大学の入学金や授業料は私立大学だけでなく、国立大学や公立大学でも高額な負担となります。もちろん、私立大学の方が授業料などの負担が高額になる傾向がありますが、国立や公立であれば負担が軽いという訳でもありません。
特に公立の小学校、中学校、高等学校と進学してきた場合、高校までと同じ金銭的負担のイメージでいると、大学の授業料負担の重さに戸惑うかもしれません。
大学の学費を大学入学までに計画的に準備できていなかった場合、大学の学費で教育費貧乏に陥ってしまうことがあります。
私立大学の医学に入学する
国立や公立の医学部であれば、在学年数が6年と通常の4年より2年長くなりますが、毎年の授業料などの負担は他の学部と大きな差はありません。しかし、私立の医学部に入学する場合は、高額な授業料などの負担を覚悟しなければいけません。高収入だと思っている家庭でも、私立の医学部の場合、学費負担に耐えられなくなってしまうことがあります。
収入が少ない家庭の場合には私立の医学部はそもそも選択肢に入らないため問題となりづらいのですが、ぎりぎり学費を負担できそうな家庭が無理して入学した場合に問題となることがあります。
大学院に進学する
大学院に進学する場合、大学卒業後も更に入学金や授業料の負担が発生します。博士後期課程まで進学する場合、大学卒業後更に5年分の学費負担が発生します。
大学院の場合は親が学費を負担するのではなく、子どもが奨学金を借りたり、特別研究員の制度などから何らかの収入を得たりすることも多くなりますが、親が負担する場合は教育費貧乏になる可能性があります。
教育費貧乏・習い事貧乏・受験貧乏に陥った時の問題点
教育費貧乏・習い事貧乏・受験貧乏に陥ると様々な問題が出てきます。
生活が苦しくなる
教育費貧乏、習い事貧乏、受験貧乏に陥ると家計のやりくりが難しくなり生活が苦しくなります。旅行など家族で遊びに行くお金がなくなってしまうため、家族で思い出を作れないまま時間が過ぎていってしまうことがあります。
欲しいものが買えなくなる、我慢ばかりの生活になってしまうと、いくら教育にお金をかけていても、とても幸せとは言えなくなってしまうことがあります。
家族の関係が悪化する
お金がないと家族関係が悪化してしまうことがあります。お金が足りないことで家族に我慢を強いてしまったり、お金の使いみちで家族間で喧嘩になってしまうことがあったりするためです。教育にお金を掛けることを家族全員が納得していればまだ良いのですが、家族の誰か一人の独断である場合、家族の間で意見対立が起きて関係が悪化することがあります。
途中で転校を強いられる
私立の小学校、中学校、高等学校に通学している途中で授業料の支払いが困難になった場合、学校に通い続けることができなくなります。そのため、途中で公立の小学校、中学校、高等学校への転校を強いられることがあります。
子どもの気持ちや人間関係に多大な影響を及ぼしてしまうため、お金が原因で転校をさせてしまう事態はできれば避けなければいけません。
大学に通いたくても通えなくなる
お金がなければ大学に通いたくても通えなくなってしまいます。特に大学受験に至るまでに教育にお金を使い過ぎてしまって、大学受験や大学進学に必要なお金を準備できなかった場合、子どもが大学進学を望んでいるのに大学に通えなくなってしまうことがあります。ただし、奨学金を借りることで何とか通える場合も多いです。
子どもに奨学金という借金を背負わせてしまう
計画的に大学の学費を準備することができなかった場合、子どもが奨学金を借りて大学に進学することがあります。親が準備できる金額が少なければ少なくなるほど、子どもが借りる奨学金が増えてしまうため、子どもが社会に出てからも負担を強いることになってしまいます。大学を卒業後、何年間も奨学金の返済が続くことがあります。
老後資金が足りなくなってしまう
教育費貧乏、習い事貧乏、受験貧乏になってしまうと、子どもの教育費を何とか支払い切ったとしても、自分自身が老後を快適に過ごすためのお金がなくなってしまうことがあります。貯蓄が尽きてしまった場合、医療や介護などで子どもに金銭的な負担を掛けてしまうことがあります。
酷い時には教育費破産してしまう
教育費貧乏、習い事貧乏、受験貧乏が行き過ぎてしまうと教育費破産に至ってしまいます。単に生活が苦しくても何とかやりくりできるのであればまだ良いのかもしれませんが、教育費などにお金を使い過ぎてしまった結果、住宅ローンなどの支払いに行き詰ってしまい、自己破産を強いられてしまうことがあります。
子どもの教育はとても大切ですが、限度があります。家計が破綻するほど教育にお金をかけるのは背伸びのし過ぎで問題があります。
教育費貧乏・習い事貧乏・受験貧乏は年収が多くても陥る可能性がある
一般的には、年収700万円、800万円、900万円、1,000万円程度の人は高収入とされます。しかし、年収が700~1,000万円の人は確かに高収入ですが、中途半端に高収入であるためそれほど金銭的にゆとりがあるわけではありません。何か贅沢をすればたちまちお金に余裕がなくなってしまう可能性があるのです。
また、児童手当や乳幼児医療費、高等学校等就学支援金制度などの所得制限の境目となる年収水準となるため、年収が高いように見えて、実は家計のやりくりが苦しいという場合も少なくありません。
中途半端に高収入である分、教育にお金をかけても負担出来てしまうため、年収700~1,000万円の家庭の人は教育費貧乏・習い事貧乏・受験貧乏に陥りやすいのです。
教育費貧乏・習い事貧乏・受験貧乏を防ぐ方法
教育費貧乏・習い事貧乏・受験貧乏を防ぐ方法についてです。
習い事は目的を明確にしいつまで続けるか考えておく
習い事をする時は習い事をする目的をはっきりとさせて、どうなるまで続けさせるか、どうなったら辞めるのかをあらかじめ考えておくことが重要です。塾であれば受験という明確な目標がありますが、スイミングであれば平泳ぎができるまで、そろばんであれば暗算2級が取得できるまでなど、区切りを考えておくと費用の膨張を防ぐことができます。
習い事は厳選する
お金に余裕があればいくつも習い事をすることもできますが、お金にそれほど余裕がない場合は習い事を厳選することが重要になります。いくつも習い事を掛け持ちすると子どもにも負担になってしまうことが多いです。
子どもが習い事を通じて身に付けて欲しいことを考えながら、子どもの習い事を厳選して絞り込むと習い事貧乏を防ぐことができます。
私立の学校に通う場合は負担に耐えられるか事前に見積もる
私立の有名幼稚園、小学校、中学校、高等学校、大学に通う場合には、受験を思い立った時点で入学後の負担に耐えられるか事前に詳細な見積もり(シミュレーション)を行っておくことが重要です。
授業料や施設・設備費など目に見える費用だけでなく、その都度要求される教育関係費用(教材費、給食費、修学旅行費など)や、塾や習い事の費用、ママ友などとの付き合いの費用などを含めて、家計のやりくりができるかしっかり調べておくことが大切です。ちょっと厳しいかもしれないと思ったら、別の道を選ぶことも重要です。
私立ではなく国立や公立の学校を選ぶ
最初から私立を選択肢に入れないようにすることで教育費貧乏を防ぎやすくなります。私立の小学校、中学校、高等学校、大学は通わないということを子どもにも伝えて、国立や公立の小学校、中学校、高等学校、大学だけを選択肢とするようにします。国立や公立の小学校、中学校、高等学校、大学であっても一定の費用負担が発生しますが、私立よりは負担が軽くなります。
国立や公立の医学部を選ぶ
どうしても医学部に通いたいという場合には、国立や公立の医学部を目指すようにしましょう。私立の医学部を目指す場合には家庭に相当な金銭的な余裕がないと難しいことが多いです。
もちろん、医師になれば働き始めてから十分に稼ぐことができるため、高額の学費を負担しても後で取り戻せると考えてしまうかもしれませんが、国立や公立の医学部に通うことができるなら、それに越したことはないのです。
家庭学習の習慣を身に付けて塾通いを減らす
家庭学習の習慣を身に付けることで塾通いを減らすことができます。毎日家で学習する習慣が身についていれば、塾を利用しなくても受験を成功に導くことができる場合があります。もちろん、受験に対応できるように親が教材や学習計画を練る必要がありますが、塾に通わなければ受験に合格できないという訳ではないのです。
親が教えられることは親が教える
親が教えられることは親が教えることで塾や習い事の費用を抑えることができます。子どもが小さい間でないと親が教えるのが難しい部分はありますが、親が教えるということは教育費の負担を抑える有力な選択肢です。小学校の間の勉強、ピアノなど親が経験したことがある音楽関係の習い事、そろばんなどは親が教えることができます。
格安な学習手段を選ぶ
インターネットを利用した学習手段が普及したことで、学習手段の選択肢が増え、格安な学習手段を選択できるようになりました。塾通いのお金が負担できない場合には、インターネットを利用して格安な学習手段を選ぶことで、塾通いの費用負担を抑えつつ、希望の大学などへに進学できる場合があります。
大学の学費は親になった時から計画的に準備する
大学の学費は子どもを授かって親になった時から計画的に準備するようにしましょう。もらえる児童手当(所得制限にかからない場合)を使わずに口座にためておくだけでも約200万円となり、大学の学費に充当することができます。
直前になって大学の学費を準備しようとすると大変ですが、長い間掛けて準備すれば毎年少額をこつこつためるだけで済みます。子どもが小さい時から大学進学を見据えて学費の準備をしておきましょう。
家計の収入に見合わない負担はしないようにする
親であれば子どもの成長を願い、子どもに良い教育を受けさせたいと思うことは自然なことですが、負担できる範囲を超えて無理をして子どもにお金を掛けることは良いことではありません。子どものお金で無理をしてしまうと、生活が苦しくなってしまい、かえって子どものためにならない場合があるためです。
家計の収入に見合わない、教育や塾・習い事の負担はしないように心掛けましょう。
家計の改善をする
学校の授業料、塾や習い事の費用などだけではなく、家計全般の見直しを行い、家計の改善を図ることも教育費貧乏・習い事貧乏・受験貧乏を防ぐ事につながります。住居費、保険料、自動車関係費用、通信費などの固定的な費用の見直しや、無駄遣いの削減など支出を減らすことと、収入を増やすことが重要になります。
まとめ
- 私立の学校に通ったり、受験のために塾にお金を使い過ぎたりしてしまうと、教育費貧乏に陥ってしまう可能性があります。
- 家計が無理なく負担できる教育費の額を明確にして、家計の収入に見合わない教育費負担をしないように気を付けましょう。