大学を休学する理由
記事作成日:2017年11月28日
大学を休学する理由についてです。大学の休学とは大学に在籍したまま、大学に通うのを一時的に休む制度です。国立大学や公立大学では、休学の手続きを行うことによって、休学期間中の学費が免除される場合があります。私立大学の場合は一定程度学費が軽減される場合があります。休学することで、自分の時間が持てるようになる、休息をとることができるなどの効果があります。
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大学を休学する理由の統計
文部科学省の学生の中途退学や休学等の状況についてによると、大学の学部生(短大含む)が休学する理由としては、国立、公立、私立別で次のようになっています。
国立、公立、私立を問わず「その他」の理由が多くなっていますが、「その他」を除くと全体では、海外留学、病気・けが、経済的理由の割合が多くなっています。
国立 | 公立 | 私立 | 合計 | |
---|---|---|---|---|
学業不振 | 4.8% | 5.0% | 5.1% | 5.0% |
学校生活不適応 | 2.7% | 2.7% | 3.9% | 3.6% |
海外留学 | 19.7% | 29.1% | 14.8% | 16.6% |
病気・けが | 13.6% | 13.9% | 16.6% | 15.8% |
経済的理由 | 16.4% | 16.5% | 14.5% | 15.0% |
その他 | 42.8% | 32.8% | 45.2% | 44.0% |
合計 | 100.0% | 100.0% | 100.0% | 100.0% |
(注)短大が含まれています。高専は除いています。国立・公立・私立・合計の各列は列全体(上下)を足すと100%となるように作成しています。
(出典)文部科学省の学生の中途退学や休学等の状況についてを基にfromportal.comの担当者が加工して作成
大学を休学する理由で多いのは海外留学
大学を休学する理由で、「その他」意外に最も多くなっているのが海外留学です。休学できる期間には限りがあるため、休学で長期間の留学は難しい場合がありますが、比較的短期間であれば休学制度を利用することで海外留学も可能なため、休学して海外留学をすることがあります。
海外留学によって、日本の大学では得られないような経験・刺激を受けることによって、学ぶ意欲が高まることがあります。また、海外留学は語学能力向上の面でも効果があります。
大学の休学理由として病気やけがも多い
大学を休学する理由として海外留学に続いて病気やけがも多くなっています。病気やけがで大学に通うのが難しくなってしまった場合には、休学の手続きをすることで学費の負担が軽減されるため、長期間通えなくなりそうな場合は休学の手続きをすることが有効です。
一方で、大学生活に疲れてしまって、精神的に病んでしまうこともあります。大学生活で疲れてしまった場合には、一度休学して休むことでやる気・意欲を取り戻せることもあります。
経済的理由で大学を休学する人も多い
大学の休学理由では、海外留学や病気・けがのほか、経済的理由も割合が多くなっています。大学に通うための授業料は高額となるため、大学の4年間の経済的負担に耐えられなくなってしまうことがあります。
大学を休学すると国立や公立では学費が免除、私立では大幅に学費が減額されることなどがあるため、何もしないでいるよりもいったん休学して、アルバイトなどで働いてお金を貯めることもできます。
大学の学費負担は相当なものになってしまうため、大学4年間の学費についてあらかじめ計画的に準備しておくことが重要になります。もし、親の援助が難しい場合、限られる場合は奨学金を借りることも方法の1つです。
大学を休学するその他の理由
その他の休学理由としては、留学と似ていますがワーキングホリデーを利用して海外で働く、企業でインターンをする、国内や海外でボランティア活動を行う、起業をする、仮面浪人をして勉強するというような場合があります。
休学の最大のメリットは大学に在籍したままでいられるということです。休学から復学すれば大学に戻ってこれるので、例えば起業をして上手くいかなかった場合はまた大学で学び直すということもできます。また、妊娠・出産のために休学をする場合、世界一周など海外を旅するような場合もあります。
大学に通う意味が分からなくなったり、自分の人生について見つめ直してみたくなったりした場合、いわゆる自分探しをするような場合にも休学をすることがあります。
いきなり退学してしまうよりも、いったん休学することで、考える時間ができるということが休学のメリットになります。
安易に休学するとデメリットもある
大学の休学は大学に籍を残したまま、他のことをする時間ができるため、有効に活用することができれば、大学生活を有意義なものにすることができます。一方で、大学の休学期間だけ就職する時期、社会に出る時期が遅れてしまうことに注意が必要です。
周りの友達が休学しているから、何となく大学に通うのがだるくなったから、といったように安易に休学してしまうと、時間を浪費してしまうことにもなりかねません。
病気やけがなどやむをえない場合などを除いて、大学を休学する場合には、なぜ大学を休学するのか、休学して何をするのか、いつ頃復学する予定なのか、などを考えておくことが大切です。勢いや流れで休学してしまうと、ズルズルと時間だけが過ぎてしまって、復学することも面倒になってしまい、そのまま退学してしまうこともあります。
大学を休学しなくてもできないか考えてみる
大学を休学してやりたいと思うことは、休学しないとできないことか、休学しなくてもできることではないかと考えてみることが大切です。
大学を休学すると休学した期間だけ大学を卒業して社会に出る時期が遅くなってしまいます。大学生の間にしかできないこともありますが、むやみに時間を使ってしまうこともよくない場合があります。
大学を休学することによって貴重な経験ができることもありますが、単に時間だけが過ぎてしまうこともあります。大学を休学していましなければいけないことなのか、冷静に考えてみましょう。
まとめ
- 大学を休学する理由には、海外留学、病気やけが、経済的理由などがあります。また、休学は大学に在籍したまま、自由な時間が得られるため、貴重な経験をすることができる場合もあります。
- 一方で、大学を休学することで休学していた期間だけ、卒業時期が遅くなってしまうことになります。目的意識がないまま何となく休学してしまうと、時間を無駄遣いしてしまうこともあります。