本科とは何か・本科と専攻科と別科の違い
記事作成日:2018年7月29日
学校の本科とは何かということと、本科と専攻科と別科の違いについてです。本科とは学校の本来の課程で、専攻科は本科を卒業した人が更に深く学ぶためにある課程、本科よりも短期間で簡易的に学ぶためにある課程となります。本科は学校の本来の課程で、専攻科は深く学ぶため、あるいは特定の資格を取得するための課程で、別科は特定の技能を短期間で学んぶため、あるいは特定の資格を取得するための課程です。
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本科とは
本科とは、学校の本来の基本となる課程を意味し、学校を卒業したという場合は通常本科を卒業したことを意味します。学校教育法上では「本科」という言葉は用いられていませんが、文部科学省の学校基本調査では本科という言葉が用いられており、教育行政上一般的に通じる言葉であると考えられます。ただし、大学の場合は本科とは呼ばず、学部と呼ぶことが一般的です。
本科は本来の課程なので、基本的に全ての学校に置かれることになります。
専攻科とは
専攻科は、本科の課程を卒業した人が、更にその分野を深く学ぶために進学する課程です。専攻科は学校教育法で精深な程度において、特別の事項を教授し、その研究を指導することを目的
(第58条第2項、第91条第2項、第109条第2項)と定められています。修了までの修業年限は1年以上とされていて、基本的に1~2年の課程が置かれています。
専攻科に進学することによって、より深く学ぶことができるだけでなく、学位が得られたり(学士:短大専攻科・高専専攻科の場合)、資格(または受験資格)が得られたり、大学院進学が可能となったりすることがあります。ただし、専攻科は基本的に学位を取得する課程ではなく、本科と専攻科の課程を合わせて学士に相当するため、学士を得られる場合があるという位置づけになっています。
専攻科を置くことができるのは、高等学校、中等教育学校(後期課程)、高等専門学校、短期大学、大学、特別支援学校です(実際に置かれているとは限りません)。
別科とは
別科とは、本科とは別に置かれる課程で、本科に入学する資格がある人が、本科よりも短い期間で簡易的に特別な技能教育を受けるための課程です。別科は、学校教育法で簡易な程度において、特別の技能教育を施すことを目的
(第58条第3項、第91条第3項)と定められていて、修業年限は1年以上とされていて、基本的に1~2年の課程が置かれています。
別科に進学することによって、短期間で特定の分野について学ぶことができるほか、資格(教員免許状、特定の国家試験の受験資格)が得られる場合があります。
別科を置くことができるのは、高等学校、中等教育学校(後期課程)、短期大学、大学、特別支援学校です(実際に置かれているとは限りません)。
本科・専攻科・別科の違いの比較
本科・専攻科・別科の代表的な違いは次のようになります。
課程種類 | 本科 | 専攻科 | 別科 |
---|---|---|---|
位置付け | 本来の課程 | 深く学ぶ課程 | 短期間で簡易な課程 |
修業年限 | 高等学校:3年 高専:5年 短期大学:2~3年 大学:4年 | 1年以上 | 1年以上 |
学位・称号 | 高等学校:なし 高専:準学士(称号) 短期大学:短期大学士 大学:学士 | 原則なし (学士の例外あり) | なし |
入学資格 | - | 本科と同じ | 本科卒業程度 |
設置可能な学校 | 全ての学校 | 高等学校 中等教育学校 高等専門学校 短期大学 大学 特別支援学校 | 高等学校 中等教育学校 短期大学 大学 特別支援学校 |
(備考)修業年限は代表的な年限を記載していて一部を省略して記載しています。専攻科・別科は設置可能な学校であっても実際には設置されていない場合があります。
本科・専攻科・別科の関係
学校の本科に進学が可能な人は、別科にも進学することが可能です。ただし、本来の課程は本科なので特別な目的がない場合は通常本科に進学します。別科は本科よりも通常短い課程となります。
本科を卒業後、専攻科に進学することが可能です。本科よりも更に学びたいという場合、資格取得等特別の目的がある場合は専攻科に進学することがあります。
まとめ
- 学校でみられる本科・専攻科・別科の違いは、本科は学校の本来の課程、専攻科は本科を卒業した人が更に学ぶための課程、別科は本科よりも短く簡易的に学ぶための課程という位置づけになります。
- 専攻科は本科よりも深く学ぶことができ、学位や資格の取得につながる場合があるということがメリットです。別科は短期間で学ぶことができることや資格の取得につながる場合があるということがメリットです。