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何歳まで働く?定年退職年齢と再雇用・勤務延長のデータ一覧

記事作成日:2016年7月23日

何歳まで働くかは老後の生活や家計に大きく影響します。定年退職年齢や再雇用・勤務延長の継続雇用制度や、平均的な引退年齢・退職年齢についてのデータについて説明しています。50~54歳の年齢を基準にすると、働いている人全体では68歳で半分の人が引退し、雇われて働いている雇用者では66歳で半分の人が退職するという推計結果になっています。

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何歳まで働くのか?各年齢の働いている人の比率

働いている人は何歳まで働くのかについてのデータです。総務省統計局「平成27年国勢調査抽出速報集計結果」を基に、50~54歳で総人口に対する働いている人全体(就業者:雇用者+個人事業主など)と雇われて働いている人(雇用者)の比率を100として、年齢を重ねることにどのように減っていくか(引退・退職するか)を調べました。

50~54歳を基準にした働いている人の比率

50~54歳を基準にした場合に、働いている人全体と雇われて働いている人が年齢が上がるとどのように減っていくかを推計したデータは次のとおりになりますが、60歳から65歳にかけて大きく減っていくことが分かります。

平均退職年齢・平均引退年齢の推計

各年齢別の働いている人の比率のデータ

働いている人の比率
(50~54歳平均=100)
年齢就業者全体雇用者
55歳100100
56歳9998
57歳9896
58歳9693
59歳9389
60歳8984
61歳8579
62歳8174
63歳7668
64歳7262
65歳6757
66歳6251
67歳5746
68歳5241
69歳4736
70歳4332
71歳3928
72歳3625
73歳3322
74歳3019
75歳2717
76歳2515
77歳2314
78歳2113
79歳1912
80歳1811
81歳1611
82歳1410
83歳1310
84歳119
85歳109

(備考)2015年10月1日現在。各年齢階級の総人口に対する就業者と雇用者の比率を求め、50~54歳=100として近似曲線によって各年齢の指数を推計しています。役員は雇用者に含めています。

(出典)総務省統計局「平成27年国勢調査抽出速報集計結果」を加工して作成

半数の人が引退・退職する年齢

50~54歳の人を基準として半分の人が引退・退職している年齢(引退・退職年齢の中央値、指数が100の半分の50になる時点)を平均的な引退年齢・退職年齢とみなすと就業者全体では68歳、雇用者では66歳になります。

雇用者は継続雇用制度があっても65歳で雇用が打ち切られる場合があるため、就業者全体より低めになっているとみられます。就業者全体では個人事業主や家族従業者が含まれていて定年がないため健康で働ける間は働くため引退年齢が押し上げられていると考えられます。

定年制度・定年年齢・再雇用制度・勤務延長制度に関するデータ

定年制がある企業の割合

定年制を定めている企業は、厚生労働省の「平成27年就労条件総合調査」によると、30人以上の民営法人全体で92.6%となっています。逆に定年制を定めていない企業は7.4%ということになります。

企業規模別では1000人以上の大企業で定年制を定めている企業は99.7%と高い比率になっていますが、30~99人と規模が小さくなると90.2%となっています。大企業ほど定年制があるということになります。

定年制がある企業の割合
企業規模定年制あり
合計92.6%
1000人以上99.7%
300~999人99.3%
100~299人97.7%
30~99人90.2%

(備考)2015年1月1日現在、調査対象は常用労働者30人以上の民営法人。

(出典)厚生労働省「平成27年就労条件総合調査」

定年退職年齢は何歳?

定年退職年齢は厚生労働省の「平成27年就労条件総合調査」によると一律の定年制を定めているうち約8割の企業が定年を60歳としています。65歳としているのは約16%で2割に満たない割合となっています。

企業規模別でみると1000人以上の大企業では60歳を定年とする企業の割合が9割を超えていますが、30~99人の規模が小さい企業では8割に満たない比率になっています。企業の規模が大きいほど定年が早い傾向があります。

定年退職の年齢の割合
企業規模60歳61~64歳65歳66歳以上
合計80.5%2.6%16.1%0.8%
1000人以上91.2%2.9%5.7%0.3%
300~999人89.9%2.5%7.4%0.2%
100~299人86.1%3.3%10.1%0.5%
30~99人77.5%2.3%19.2%0.9%

(備考)2015年1月1日現在、調査対象は常用労働者30人以上の民営法人。職種に関係なく一律定年制を定めている企業での割合。

(出典)厚生労働省「平成27年就労条件総合調査」

勤務延長制度や再雇用制度(継続雇用制度)がある企業の割合

継続雇用制度として勤務延長制度や再雇用制度がある企業の割合は、厚生労働省の「平成27年就労条件総合調査」によると一律の定年制を定めているうち92.9%となっていて、制度がないのは7.1%となっています。

このうち多いのは、再雇用制度で71.9%です。なお、勤務延長制度が11.0%となっていて、両制度の併用が10.0%となっています。

勤務延長・再雇用制度がある企業の割合
企業規模勤務延長再雇用両方あり制度なし
合計11.0%71.9%10.0%7.1%
1000人以上2.5%88.5%6.3%2.7%
300~999人5.0%84.5%8.3%2.3%
100~299人7.6%79.5%9.1%3.8%
30~99人12.9%67.8%10.5%8.8%

(備考)2015年1月1日現在、調査対象は常用労働者30人以上の民営法人。職種に関係なく一律定年制を定めている企業での割合。

(出典)厚生労働省「平成27年就労条件総合調査」

勤務延長制度や再雇用制度で働く年齢の上限は?

一律の定年制があり、勤務延長や再雇用など継続雇用制度がある企業のうち、雇用年齢の上限(最高雇用年齢)を定めている企業の割合は、厚生労働省の「平成27年就労条件総合調査」によると81.2%で、そのうち65歳が72.6%、66歳以上が8.6%となっています。上限の年齢の定めがないのは18.8%となっています。

勤務延長・再雇用の上限の年齢の割合
企業規模65歳66歳以上定めなし
合計72.6%8.6%18.8%
1000人以上88.5%3.8%7.7%
300~999人85.6%4.5%9.9%
100~299人77.8%6.9%15.3%
30~99人68.9%9.8%21.3%

(備考)2015年1月1日現在、調査対象は常用労働者30人以上の民営法人。職種に関係なく一律定年制を定めていて継続雇用制度がある企業での割合。

(出典)厚生労働省「平成27年就労条件総合調査」を一部加工して作成

法律で定められた定年年齢

高齢者の定年や雇用について法律で決まりがあって、定年の最低年齢は60歳で、雇用は65歳まで確保されることになっています。

定年退職年齢は最低でも60歳から

定年は法律で何年でないといけないとは法定されていませんが、最低の年齢は60歳と決められています。「高年齢者等の雇用の安定等に関する法律」(高齢者雇用安定法)では第8条で定年を決める場合には60歳が下限とされています。定年を定める必要はなく、定年なしでも構いません。定年を定める場合は最低でも60歳にしなければいけません。

高齢者雇用安定法 第8条 事業主がその雇用する労働者の定年(以下単に「定年」という。)の定めをする場合には、当該定年は、六十歳を下回ることができない。

勤務延長制度や再雇用制度で65歳までは雇用確保

定年の最低限の年齢は60歳と決められていますが、定年が60歳など65歳未満の場合でも勤務延長制度や再雇用制度で雇用は65歳まで確保しなければいけないことが高齢者雇用安定法第9条で定められています(高年齢者雇用確保措置)。

高齢者雇用安定法 第9条 定年(六十五歳未満のものに限る。以下この条において同じ。)の定めをしている事業主は、その雇用する高年齢者の六十五歳までの安定した雇用を確保するため、次の各号に掲げる措置(以下「高年齢者雇用確保措置」という。)のいずれかを講じなければならない。

なお、高年齢者雇用確保措置は「定年の引上げ」、「継続雇用制度」、「定年の定めの廃止」の3つが挙げられています。「継続雇用制度」とは雇用している人が希望した場合には、定年後も引き続き雇用する制度のことで65歳まで雇用を確保する必要があります。

雇用継続制度は、原則として心身の故障や勤務状況が著しく不良などの例外を除いて、希望者は原則として全員を対象としなければいけない事となっています。ただし、経過措置による例外があります。

再雇用制度とは

再雇用制度とは、定年になったらいったん退職の扱いにして、雇用の継続を希望する人と再度雇用契約を結び直して再度雇用する制度です。再雇用制度の場合は定年退職時から賃金が下がりやすい傾向があります。

勤務延長制度とは

勤務延長制度とは、定年になっても、雇用の継続を希望する人は退職の扱いにしないで勤務を延長、つまり雇用を延長し、引き続き雇用する制度です。勤務延長の場合は定年退職時から賃金が下がりづらい傾向があります。

対象者を限定する基準を適用できる経過措置

2013年3月31日までに継続雇用制度の対象者を限定する基準を労使協定で設けていた場合には、2025年3月31日まで継続雇用の対象者を限定する基準を適用できる経過措置があります。老齢厚生年金の報酬比例部分の支給開始年齢に合わせるための措置です。

継続雇用の対象者を限定できる年齢
経過措置の期間限定できる年齢
2016年3月31日まで61歳以上
2019年3月31日まで62歳以上
2022年3月31日まで63歳以上
2025年3月31日まで64歳以上

(参考)50~54歳を基準にした働いている人の比率の計算方法について

例えば、50~54歳で総人口100人に対して雇用者が80人なら雇用者の比率は80÷100=0.8で、55~59歳が総人口100人に対して雇用者が60人なら比率は60÷100=0.6となります。

50~54歳の比率を基準として100と指数化すると、55~59歳は0.6÷0.8=0.75(75%)となります。この場合、55~59歳では50~54歳よりも働いている人が75%に減少しているということになります。なお、死亡者は考慮されない計算になります。

(参考)平均引退年齢・平均退職年齢ついて

厳密な意味での平均引退年齢・退職年齢は55歳以上の各年齢における引退者・退職者比率で引退・退職時の年齢を加重平均して求めるのが望ましいと考えられますが、85歳以上の引退者・退職者数の推計が難しいため、引退・退職年齢の中央値を平均的な引退年齢としました。また、役員は雇用者とみなして計算しました。

まとめ

  • 50~54歳の年齢を基準にすると、働いている人全体では68歳で半分の人が引退し、雇われて働いている雇用者では66歳で半分の人が退職するという推計結果になっています。
  • 定年制度がある場合定年退職年齢は60歳となっていることが多く、継続雇用制度では再雇用制度が多く採用されていますが、65歳が雇用の上限となっている場合が多いです。

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【何歳まで働く?定年退職年齢と再雇用・勤務延長のデータ一覧の記事は終わりです】

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