専修学校(専門学校等)と各種学校の違い
記事作成日:2018年2月7日
専修学校(専門学校等)と各種学校の違いについてです。専修学校と各種学校は似たような名前で紛らわしく、普通の学校とも何が異なっているのか分かりづらいですが、学校と専修学校と各種学校はそれぞれ異なる教育施設です。ただし、専修学校と各種学校は教育委員会か都道府県知事の認可を受けて運営されている教育施設で、無認可校とは異なります。
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専門学校と各種学校の位置づけ
専修学校と各種学校は、学校について定めている学校教育法上、通常の学校(幼稚園、小学校、中学校、義務教育学校、高等学校、中等教育学校、特別支援学校、大学及び高等専門学校:学校教育法第1条に規定されるいわゆる1条校)とは異なる位置づけをされている教育施設です。ただし、専修学校も各種学校もいずれも認可を受けた教育施設で、無認可校とも異なります。
専修学校とは
専修学校とは、通常の学校とは異なる教育施設で、職業や生活に関する能力の育成、教養の向上を目的とした教育を行う施設です。修業年限1年以上、1年間の授業時数800単位時間以上(夜間等学科は450時間以上)、収容定員40人以上などの条件を満たす場合に、教育委員会の認可(公立(市町村立)の場合)または都道府県知事の認可(私立の場合)を受けて設置されます。専門課程、高等課程、一般課程の3つの課程があります。
各種学校とは
各種学校とは学校でも、専修学校でもない教育施設で、学校教育に類する教育を行い、一定の基準を満たして、教育委員会(公立の各種学校の場合)または都道府県知事(私立の各種学校の場合)の認可を受けた教育施設です。専修学校よりも、緩やかな規制が行われています。自動車学校、外国人学校、予備校、日本語学校、珠算塾などが各種学校となっている場合があります。
区分 | 具体例等 |
---|---|
学校 | 幼稚園 |
小学校 | |
中学校 | |
義務教育学校 | |
高等学校 | |
中等教育学校 | |
特別支援学校 | |
大学 | |
大学院 | |
短期大学 | |
高等専門学校 | |
専修学校 | 専門課程(専門学校) |
高等課程(高等専修学校) | |
一般課程 | |
各種学校 | |
無認可校 |
(出典)fromportal.comの担当者が作成
専修学校と各種学校の比較(違いと共通点)
専修学校と各種学校を比較して違いを示したものが次の表です。
区分 | 専修学校 | 各種学校 |
---|---|---|
認可 | 必要 | 必要 |
教育内容 | 職業・生活に必要な能力を育成、教養の向上を目的に組織的な教育を行う施設 | 学校や専修学校以外で学校教育に類する教育を行う施設 |
修業年限 | 1年以上 | 1年以上 ※簡易に修得できる技術や技芸等の課程は3か月以上も可 |
授業時数 | 昼間学科:800時間以上 夜間等学科:450時間以上 | 680時間以上 ※1年未満の場合は短縮可 |
収容定員 | 40人以上 | 適当な数 |
同時に授業を行う生徒数 | 原則40人以下 | 原則40人以下 |
入学資格 | 専門課程:高等学校等卒業 高等課程:中学校等卒業 一般課程:制約なし(専修学校が定める) | 課程に応じて定める |
教員数 | 生徒定員80人までは最低3人※総定員に応じて増加 教員の半数は専任で専任教員は3人以上 | 3人以上 |
校長 | 教育に関する識見を有し、かつ、教育、学術又は文化に関する業務に従事した者 | 教育に関する識見を有し、かつ、教育、学術又は文化に関する職又は業務に従事した者 |
教員資格 | 専門課程:専門学校修業年数+業務経験が6年以上など 高等課程:専門学校修業年数+業務経験が4年以上など 一般課程:高校等卒業後業務経験が4年以上など | 担当教科の専門的知識、技術、技能等を有する者 |
校舎面積 | 専門課程と高等課程:260m2(工業、農業、医療、衛生、教育・社会福祉)or200m2(商業実務、服飾・家政、文化教養)以上※総定員に応じて増加 一般課程:130m2以上※総定員に応じて増加 | 115.7m2以上 同時に授業を行う生徒1人当たり2.31m2以上 |
設置者の条件 | 国・地方公共団体以外の場合は以下の条件 経営に必要な経済的基礎を有すること 経営に必要な知識又は経験を有すること 設置者が社会的信望を有すること | 個人の場合は教育に関する識見を有し経営するにふさわしい者 |
履修方法 | 学年制・単位制・通信制が可能、技能連携制度あり | 特別の定めなし |
進学等 | 専門課程:条件を満たす学科を修了すると大学編入学や大学院進学等が可能 高等課程:条件を満たす学科を修了すると大学・短期大学・専門学校への進学が可能 一般課程:特になし | 特になし |
奨学金 | 専門課程は日本学生支援機構の奨学金を利用可能 | 日本学生支援機構の奨学金は利用不可 |
勤労学生控除 | 適用の可能性あり | 適用の可能性あり |
通学定期 | 適用の可能性あり | 適用の可能性あり |
(出典)学校教育法、学校教育法施行規則、専修学校設置基準、各種学校規程を基にfromportal.comの担当者が作成
専修学校と各種学校の違い
専修学校と各種学校の主な違いは、専修学校は収容定員が最低でも40人は必要で、校舎面積も各種学校よりも広いことが求められています。また、設置者、教員数、教員資格、校舎面積などに関する規制も厳しくなります。
専修学校は収容定員が最低でも40人は必要で、校舎面積も広い必要があります。専修学校のうち、専門課程(専門学校)に在籍する場合には日本学生支援機構の奨学金を利用可能です。修業年限は専修学校は最低1年、各種学校は最低3か月と異なっています。
専修学校と各種学校で学ぶことができる内容は似ている場合もありますが、各種学校では自動車の運転、日本語学校、外国人学校、予備校などが多くなっています。専修学校の専門課程と高等課程は職業教育が行われる場合が多く、一般課程は受験や補習を目的とする場合が多くなっています。
専修学校と各種学校の共通点
専修学校と各種学校の共通点は、共に教育委員会あるいは都道府県知事の認可を受けていること、所得税や住民税において、勤労学生控除が適用される場合があること、通学定期が購入できる場合があることです。
まとめ
- 専修学校と各種学校は、基本的に専修学校の方が規模が大きい傾向があり、規制も専修学校の方が厳しくなっています。
- 専修学校と各種学校は、ともに学校とは異なる教育施設で、教育委員会あるいは都道府県知事の認可を受けて運営されています。