結婚式一人当たりの費用・単価とご祝儀でできる結婚式の条件
記事作成日:2017年5月7日
結婚式1人当たりの費用・単価についてです。結婚式の費用は総額でいくらということに目が行きがちですが、結婚式の費用は料理や飲み物など人数に応じて増える部分もあるほか、ご祝儀との関係で一人当たりの費用・単価も重要になります。冠婚葬祭業者を利用して結婚式を行った場合、7割の結婚式で一人当たり費用が3万円を超えており、結婚式一人当たりの相場は3万円を超える水準となっていることが確認できます。
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結婚式一人当たりの費用・単価はいくらか?
経済産業省「平成27年特定サービス産業実態調査(確報)」の冠婚葬祭業を主として行う事業従事者5人以上の事業所を対象とした調査によると結婚式の1人の単価別割合(披露宴を行っている場合)は、次のようになっています。通常のご祝儀の単価である3万円を超える結婚式一人当たり費用が3万円以上となっている結婚式の割合は7割となっており、結婚式一人当たりの相場は3万円以上となっています。
結婚式一人当たり単価 | 結婚式の割合 |
---|---|
1万円未満 | 1.2% |
1万円以上2万円未満 | 9.4% |
2万円以上3万円未満 | 19.5% |
3万円以上 | 70.0% |
(備考)結婚式一人当たりの単価は披露宴を行っている場合について集計したものです。
(出典)「平成27年特定サービス産業実態調査(確報)」のデータを元に当サイトが作成
ご祝儀の平均的な相場である3万円を下回る結婚式は冠婚葬祭業者を利用した結婚式全体の3割となっていて、冠婚葬祭業者で結婚式を挙げると工夫してその3割に入る努力をしないと、ご祝儀では結婚費用をまかないきれずに自己負担が発生してしまうことになります。
結婚式の人数は多い方がいい?結婚式費用の実質負担について
結婚式の人数は多い方がいいと考えがちですが、気持ちの問題と費用面の問題があります。気持ちの問題ではより多くの人を招待したいというような気持ちが背景にあります。一方、費用面の問題では、結婚式に招待する客数が増えるとその分だけご祝儀が増えるためご祝儀の金額が期待できるようになるということがあります。
結婚式の招待客の人数と気持ち
職場の同僚や友人などの交友範囲が広い人は、結婚式により多くの人を招待したいと考えることがあります。もし賑やかな結婚式を望んでいるのならば、多くの人を招待した方が希望に近い結婚式になると考えられます。
一方で、多くの人を招待すればするほど、自分からそれほど近くない人、交友関係がそれほど深くない人も呼ぶことになる可能性が高まりますし、結婚式の間に1人1人に話をする時間も少なくなってしまいます。
結婚式の招待客の人数と費用
結婚式の人数は多い方がいいのではないかと考えるのは、費用の面からという場合も多いです。結婚式では招待客からご祝儀をいただくことになるため、招待客の人数を多くして増やした方がご祝儀は増えて結婚式の実質負担額は少なくなるのではないかと考えるからです。
結婚式の人数は多い方が実質負担は減るか
結婚式の費用の実質負担は結婚式の招待客の人数と、結婚式費用の一人当たりの単価が重要になってきます。結婚式の人数を増やした方が良いのは、「一人当たりのご祝儀単価>結婚式一人当たり単価の変動費部分」の場合です。
結婚式の費用には、人数に応じて費用が発生する変動費部分(準変動費部分を含む)、人数が変化しても費用が変化しない固定費部分があります。
結婚式費用の変動費部分と固定費部分
結婚式の費用は招待客の人数に応じて増えていく変動費部分と、招待客の人数が変わっても変化しない固定費部分があります。
費用の種類 | 代表例 | |
---|---|---|
変動費 | 変動費 | お料理代、お飲み物代、引出物費用、招待状・席札費用 |
準変動費 | 会場使用料 | |
固定費 | 挙式料、装花費用、音響照明費用、映像設備費用、司会料金、介添料、撮影費用、衣装・美容費用 |
(出典)当サイトが作成
結婚式費用の変動費
結婚式費用の変動費については、お料理代・お飲み物代・ウエディングケーキ費用、引出物関係費用、招待状・席札などの小物費用(人数に応じて変化するもの)があります。
料理や飲み物は通常は人数×単価で料金が決まり、人数が増えるほど、費用が膨らんでいきます。引出物関係や招待状や席札なども人数分だけ必要になります。ウェディングケーキは人数によっても金額が変わらない場合もありますが、人数に応じて金額が変わる場合もあります。
結婚式費用の準変動費
結婚式費用の準変動費については、会場使用料及び装花(ゲストテーブル分)があります。
結婚式の会場には最適な収容人数が決まっていて、通常は人数に応じて使用する会場が変化します。少人数に対応している会場ほど使用料が安く、大人数に対応している会場ほど使用量が高い傾向があり、人数に応じて変動費のように変化する費用です。ゲストテーブルの装花もゲストテーブル数に応じて料金が発生します。
ここでは結婚式費用の準変動費は変動費に含めて扱います。
結婚式費用の固定費
結婚式費用の固定費については、挙式料、控室料、装花費用(ゲストテーブル以外)、音響照明費用・映像設備費用、映像製作費用、ウエルカムボードなどの小物費用(人数に応じて変化しないもの)、司会料金・介添料、キャンドルサービス費用、記念写真費用・スナップ写真・ビデオ撮影費用、衣装・美容関連費用などがあります。
新郎新婦の衣装は人数が増えたからと言って料金が変動するわけではありません。挙式料も会場に収容できる人数の範囲内であれば通常は料金が増減しません。
結婚式費用とご祝儀の差し引きと実質負担額について
結婚式費用からご祝儀を差し引いたものが実質負担額、自己負担額ということになります。
結婚式の持ち出し費用とは
結婚式の持ち出し費用とは結婚式費用からご祝儀を差し引いた実質的な結婚式の負担額、自己負担額のことを言います。結婚式ではご祝儀がいただけるので、結婚式費用を全額自己負担するわけではありません。
「変動費単価>ご祝儀単価」の場合
結婚式の費用には人数に応じて増える変動費部分があるため、もし変動費部分の単価がご祝儀の単価を上回っている場合、人数を多くするほど結婚式費用の実質負担、持ち出しは増えることになります。
例えば、豪華な料理を準備し変動費単価が4万円になった場合、ご祝儀単価を3万円とすると、1人招待客を増やすたびに1万円の持ち出しの増加になります。そして、「人数×(変動費単価-ご祝儀単価)+固定費」が実質負担、持ち出しになります。
「変動費単価>ご祝儀単価」の場合、費用面からは招待客を増やせば増やすほど結婚式費用の実質負担額が重くなるので、招待客数はなるべく抑えた方が良いと言えます。
「変動費単価<ご祝儀単価」の場合
結婚式の変動費単価がご祝儀単価を上回っている場合には、人数を多くするほどご祝儀によって固定費部分の費用を回収できるようになり、結婚式費用の実質負担額、持ち出しは減るようになります。
例えば、料理や飲み物を抑えて変動費単価が2万円になった場合、ご祝儀単価を3万円とすると、1人招待客を増やすたびに1万円だけご祝儀の金額が浮くことになり、この浮いたご祝儀で固定費部分の費用の回収ができるようになります。「固定費-人数×(ご祝儀単価-変動費単価)」が実質負担、持ち出しになります。
この場合、固定費部分の費用をご祝儀が浮いた部分で回収できれば、実質負担ゼロ、持ち出し0ということになり、結婚式費用を御祝儀でまかなうことができます。費用面からは人数は多い方が良いということになります。
「変動費単価=ご祝儀単価」の場合
結婚式の変動費単価とご祝儀単価がほぼ同じような場合は、人数を多くしても少なくしても、実質的な費用負担は固定費部分の金額となり変化しません。
料理や飲み物などの結婚式の変動費部分はご祝儀でまかなうことができますが、衣装など固定費部分はご祝儀からは回収できず、固定費部分が自己負担となります。
例えば、料理や飲み物の変動費単価が3万円になった場合、ご祝儀単価を3万円とすると、人数を増やしても変動費部分の実質負担はなくなりますが、固定費部分の費用はご祝儀から回収できません。
そのため、結婚式費用からご祝儀を差し引きした実質的な自己負担額は「固定費」部分ということになります。
結婚式費用の1人当たりの単価は人数が増えるほど下がる
結婚式費用の1人当たりの単価は招待客の人数が増えるほど下げることができます。ただし、人数をどれだけ増やしても変動費単価部分は最低限発生することになるため、理論上、人数を無限大に増やしたとすると固定費の1人当たりの単価はほぼゼロに近づきますが、変動費部分の単価は常に発生するため、変動費の単価が下限ということになります。
結婚式費用を御祝儀でまかなえる条件
結婚式費用をご祝儀でまかなえる条件は、「結婚式一人当たり単価≦ご祝儀の一人当たり単価」となります。ご祝儀でできる結婚式とは結婚式一人当たりの費用・単価がご祝儀一人当たり単価の範囲内に抑えられている結婚式の事を言います。
ご祝儀の単価は同僚や友達は3万円が基本で、親族や上司は3~10万円と同僚や友人よりは高くなるためご祝儀の平均単価は3万円を少し上回るような形になることが多いと言えます。
一方で、結婚式一人当たりの単価は3万円以上となる場合が冠婚葬祭業者を利用した場合には結婚式の7割にもなるため、結婚式費用の単価がご祝儀の単価を上回る場合も多くあることになります。
まとめ
- 結婚式の費用の一人当たりの単価は冠婚葬祭業者を利用した場合、7割の結婚式が3万円以上となります。
- ご祝儀で結婚式ができるためには、結婚式費用の単価をご祝儀の単価の範囲内に抑える必要があります。