家計とは何か・家計の意味
記事作成日:2017年12月6日
家計とは何か、家計の意味についてです。家計とは、同じお金のやりくりのまとまりの中で生活をしている家族・家庭の、収入と支出の状況と管理、収入と支出の差額分の結果が残高として蓄積される資産(貯蓄)と負債(借金)の状況と管理を総合的に指し示す言葉です。家計は一家の生計と呼ばれることもありますが、一家が暮らしていくための手段・方法・やりくりのことです。
収入や支出は一定期間のお金の流れ(フロー)を指し、資産や負債はお金の流れの結果、家族・家庭に貯まっている残高(ストック)を指します。お金の流れに注目すると家計=収入と支出となりますが、収支の結果蓄積されていく資産(貯蓄)と負債(借金)の状態も家計として重要です。
また、家計には経済用語として、政府や企業と並ぶ経済の主体の1つという意味もあります。
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家計の収入(入金)
家計の収入(入金、受け取り)には、誰かの指揮命令系統の下で働くことによる勤労収入、自らが事業を行うことによる事業収入、不動産からの賃料による不動産収入(賃料収入)、株式や債券、投資信託などに投資したことによる財産収入、公的年金などによる年金収入、お金をもらうことによる受贈金などがあります。
家計の支出(出金)
家計の支出(出金、支払い)には、政府統計の1つである家計調査を基にすると、食費、住居費、光熱水道費、家具・家事用品費、被服履物費、保険医療費、交通・通信費、教育費、教養娯楽費などがあります。
家計の資産(貯蓄)
家計の資産(家計資産、貯蓄)には、現金(硬貨や紙幣)、外国通貨、預金・貯金、株式、債券、投資信託、信託、保険などの金融資産、住居などを含む不動産(土地、建物)、自動車、美術品などの実物資産があります。資産運用を行うことで、資産は増えていきます。
家計の負債(借金)
家計の負債(借金)には、親族や友人・知人などからの借金、住宅ローン、自動車ローンなどの特定の目的のためのローン、カードローン、キャッシング、割賦払い・分割払い、クレジットカードのリボ払いなどがあります。負債があると、利息の負担で家計の支出が増えていってしまうため、なるべく負債を持たないようにすることが大切です。
家計管理・家計のやりくり
家計管理や家計のやりくりとは、家計の収入と支出の運営・管理を行うことです。生活のために一家のお金の収入と支出の管理を効率的・効果的に行うことで、生活の満足度を高めたり、資産を形成したりすることができます。
良い家計管理・家計のやりくりは、収入をできるだけ多くし、生活の満足度を落とさないようにして支出できるだけ減らすということになります。収入から支出を差し引いた金額が貯蓄として蓄積されていきます。支出が収入を上回るとお金が足りなくなるため負債を負う(借金をする)ことになります。
家計簿
家計簿は家計のお金を記録したものです。一家の収入と支出のほか、資産や負債についても記録します。従来の家計は現金での支払いが中心であったため、家計簿は現金の出入りを記録したものという性格がありました。
しかし、現金払い以外にも電子マネー(プリペイド型、ポストペイ型)、デビットカード、クレジットカードによる支払い(一括払い、分割払い、リボ払い、ボーナス払い)、分割払い・割賦払いなど多様な支払い手段が活用されるようになったため、買い物の時点とお金が出ていく時点が一致しなくなり、家計簿をつける難易度が上がっています。
家計簿は家計のお金の流れを把握するために役立ち、節約や資産形成を行う際の重要な情報源になります。家計の診断、家計の見直しを行う場合には、家計簿の情報がないと家計の把握が難しいため、適切な診断や見直しができない場合があります。
経済用語としての家計
家計は、一家の収入と支出、資産と負債の状態や運営・管理という意味以外にも経済用語としての意味もあります。経済用語としての家計、政府や企業と同じような経済の主体の1つと位置付けられます。
つまり、経済活動を行う主体として、政府、企業、家計があるという位置づけです。この場合の家計は、1つ1つの最小単位である家族ごとの家計を指す場合もありますが、特定の国の全ての最小単位の家計が集まった集合体としての家計を指す場合が多くなります。
家計は、企業に対しては労働力を提供し、対価として賃金を得ます。また、企業が提供する商品を購入し、対価として代金を支払います。家計は政府に対しては、税金を納付する代わりに、地域における行政サービスの提供を受けたり、年金や医療費などの社会保障給付を受けたりします。
まとめ
- 家計とは、同じお金のやりくりの単位の中で生活をする家族・家庭の収入と支出の状況と管理、及び、収入と支出の差額分の結果が残高として蓄積される資産(貯蓄)と負債(借金)の状況と管理を意味します。
- また、家計は経済用語として用いられることがあり、政府や企業と並んで経済の主体の1つという意味で用いられることがあります。