住居費や住宅ローン負担が低いと貯金しやすい
記事作成日:2016年2月21日
貯金のしやすさを左右する重要な要素が住居費や住宅ローン返済額です。住居費は家計の中でも負担が大きい支出であるため、住居費の負担が軽い場合には、支出が抑えられるため、家計の収支にゆとりが出やすく貯金しやすくなります。逆に住居負の負担が重い場合には住居費を見直せば家計にゆとりができる可能性があります。
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住居別の貯金の貯まりやすさの状況
住居の種類別に貯金の貯まり方の状況を確認すると次のようになっています。
住まいの種別 | 20代 | 30代 | 40代 | 50代 | |
---|---|---|---|---|---|
持家 | ローン無 | 798 | 938 | 1,255 | 2,015 |
ローン有 | 382 | 520 | 778 | 1,205 | |
賃貸 | 民間 | 249 | 503 | 750 | 1,048 |
公営 | 243 | 235 | 375 | 451 | |
UR・公社 | 256 | 538 | 996 | 1,061 | |
給与住宅 | 334 | 942 | 1,531 | 2,054 |
(注)2人以上の世帯の結果です。30代未満を20代としていますが10代が一部含まれています。持家のローンは住宅ローンを指しています。
(出典)総務省「平成26年全国消費実態調査結果」
住宅ローン無しの持家と給与住宅が貯まりやすい
20代では住宅ローン無しの持家の世帯の貯金が多くなっていますが、若い段階で住宅ローン無しで持家ということは親世代から受け継いでいるか、若くして成功を収めていてゆとりがあるため、貯金が多くなっていると考えられます。一方30代以降は住宅ローン無の持家の世帯の貯金も多くなっていますが、給与住宅の世帯の貯金も多くなっています。
住宅ローン無しの持家は住居関係の負担が軽い
住宅ローン無しの持家は、住宅ローンを返済し終わっているか、そもそも借りなかったかどちらかということになりますが、どちらにしても住宅ローンの返済負担が無く、家の修繕等の維持・管理費用のみの負担となるため、住居関係の負担は大幅に軽減されています。そのため、支出額が抑えられることになります。
給与住宅は住居費が安く抑えられている
給与住宅とは公務員や会社員の人が勤め先から業務上の都合あるいは給与の一部として住む住居のことで、特別に官舎や社宅として建てられている住居以外でも、勤務先が借りている普通の民間住宅に住む場合も給与住宅となります。給与住宅は通常家賃がかなり低額に抑えられているので住居費の負担は極端に軽くなります。
住宅ローン無しの持家と給与住宅は支出が抑えられる
住宅ローンが無い持家や給与住宅は住居費負担あるいは住宅ローンの返済負担が全く無いかかなり軽いことが多いため、支出がかなり抑えられます。そのため家計にゆとりができて、貯金が多くなっていると考えられます。
公営住宅の貯金の低さは低所得が関係
公営住宅は都道府県や市区町村の賃貸住宅で、賃料が安く抑えられている場合が多いです。しかし、入居対象は低所得の人が中心になっているとみられます。そのため、住居費は低いけれども、収入がかなり低いために貯金があまり貯まっていないということになっていると考えられます。
貯金を貯めるには住居費を抑えることがポイント
住居費は家計の支出の中でも最も負担が大きな固定費になりがちです。そのため、いかに住居費を膨らまないようにするかは家計の収支にかなり影響します。住宅ローンがない持家は贈与や相続などで親族などからもらうか、住宅ローンを借りずに購入することになりますが、環境などに恵まれている必要があるため難しい面があります。また、給与住宅も従業員の福利厚生が充実した会社で働いていないとなかなか巡り合えません。また、転職の際には困ることにもなります。
そのため、必ずしも住宅ローンがない持家や給与住宅に住めるという訳ではなく、仮に民間賃貸などに住む場合でも住居費を可能な限り抑えることが重要です。立地、駅からの距離、広さなど条件に拘り過ぎてしまって、条件が良い物件を追い求めてしまうと家賃がすごく高いということになってしまいます。
実家暮らしもお金が貯まりやすい
上の例では2人暮らしの世帯の貯金の状況であったため、実家暮らしをしているデータはありませんでしたが、実家暮らしもかなり貯金が貯めやすいと考えられます。実家暮らしを続ける場合には実家に一定の金額のお金を払うということも多く行われていますが、民間などの賃料と比較すると著しく定額になっていることが多いと考えられます。そのため、実家暮らしの人は、賃貸などの場合と比べて住居関係の負担が軽く、家計の収支にゆとりが出やすいため、貯金がしやすいと考えられます。
まとめ
- 住宅ローンの無い持家や家賃が安い給与住宅に住んでいる世帯は貯金額が多くなる傾向があります。
- 住居関係費や住宅ローン返済額は家計の支出の大きな割合を占めるため、住居費や住宅ローン返済額が抑えられれば家計にゆとりができ貯金がしやすいと言えます。実家暮らしも同じ理由で貯金がしやすいと考えられます。