デパート友の会や旅行積立は貯める方法として魅力的か
記事作成日:2016年3月26日
日本でもマイナス金利が導入され、銀行の普通預金金利や定期預金金利が低下しました。今までも既に低金利で、ほとんど利息が付かないような状況でしたが、更に利息が付かない状況になっています。
低金利の中、デパート・百貨店が運営している友の会や旅行会社や航空会社が運営している旅行積立の利回りが良いということで注目が集まっています。友の会や旅行積立は銀行の預金より魅力的なのでしょうか?友の会や旅行積立は貯金や投資みたいなものと考えて良いのでしょうか?
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友の会・旅行積立とは
デパート・百貨店が運営している友の会は1年間あるいは半年間毎月積み立てていくと、満期時に支払った金額に一定のボーナス額が上乗せされた金額相当分のお買物券が発行され、友の会に入会したデパート・百貨店や系列店で買い物に使えるという仕組みです。
旅行会社や航空会社が運営している旅行積立は半年から5年の期間を選んでお金を積み立ててていくと、満期時に支払った金額に一定のサービス額が上乗せされた金額相当分の旅行券が発行され、国内や海外の旅行ツアー、航空券などを購入することができるという仕組みです。
友の会や旅行積立はお客の囲い込みのため
デパート・百貨店の友の会や旅行会社や航空会社の旅行積立は、運営している会社が自分の会社から商品を買ってほしい、サービスを利用して欲しいということで、お客さんの囲い込みを行うために提供しています。お得なように見えますが、お客さんにお金を使って欲しくて運営しているサービスなのです。
友の会・旅行積立の特徴
利回りは預金よりは高い
利回りはデパート・百貨店の友の会が高くなっていて実質利回りは毎月複利計算をすると年10%を超えている場合があります。旅行会社や航空会社の旅行積立の利回りは年2%前後のものが中心です。通常の銀行の預金よりははるかに利回りが高くなっています。
現金への換金性は低い
友の会は満期後お買物券が発行されますが、換金性が高い商品券などを購入することはできず、解約をすると現金が返金されますが、ボーナス額部分は控除されてしまいます。
旅行積立は途中で解約しても現金での返金が行われず旅行券で払い戻されます。また、旅行券の額面金額以下の端数は切り捨てられることがあり、例えば1,000円券であれば1,000円未満の端数が切り捨てられるため、元本割れとなる場合もあります。
もし、旅行積立をしている間に家計が苦しくなった場合でも、旅行積立は現金ではなく旅行券で払い戻されるため、家計の足しにはなりません。旅行積立は、一度積み立てると万が一の時にお金に戻せないということになります。
お買物券や旅行券の有用性は限られる場面も
お買物券というと一見幅広く使えて便利なようにも考えられますが、友の会に入会したデパート・百貨店か系列店でしか利用することができません。デパート・百貨店の商品は相対的に高いため、せっかく積み立ててもその分高い商品を購入しているのであれば、お得なのか疑わしい部分があります。
旅行券は国内や海外への旅行に使うもので、用途がかなり限られています。旅行はどちらかというと生活に必須という性質もののではなく、お金にゆとりがあれば行う贅沢的な性質があるものです。
友の会や旅行積立は割引サービスのようなもの
デパート・百貨店の友の会や旅行会社や航空会社の旅行積立は、積み立てを行っても銀行の預金のように現金が増えて戻ってくるわけではなく、ボーナス額の分多く買い物ができる、サービス額の分を旅行代金の支払いに使えるというものです。現金を増やして、現金で使えるという訳ではなく、買い物や旅行の割引サービスのような性質があります。
友の会や旅行積立はお金の用途を決めてしまう
自由に使えるわけではなく、使える範囲に制約があり、増やそうと思って積み立てても、買い物や旅行に使い道を限定してしまうことになります。また、積み立てた後に使わなければ損という考えで必要性が高くないものや、割安ではないものを買ってしまう可能性もあります。また、積み立てる期間があるため、半年や1年たった後にどんなものを買いたいか読みづらいという部分もあります。
貯める方法として魅力的ではない部分もある
利回りは魅力的だがお金の自由度が下がる
デパート・百貨店の友の会や旅行会社や航空会社の旅行積立は、利回りは銀行の預金よりははるかに魅力的ですが、お金の自由度の面を考えると、友の会や旅行積立を行ったらお金の使い道を決めることになり、増やしても他の用途には使えなるため、特別魅力的とは言えないと考えられます。
時間が経って事情が変わったら困る可能性
また、友の会や旅行積立は満期は基本的に半年以上先ということになるため、お金の使い道の考え方が変わってしまうことも考えられますし、家計がピンチになっても増やした部分が役に立つわけではありません。
利回りだけで飛びついてしまってはいけない
いくら増えるとはいっても、銀行の預金とは全く性質が異なるサービスであるということを意識しておく必要があります。単に利回りが高いからと言って飛びつくのは良くありません。
使い道が明確に決まっていれば魅力的な場合も
デパート・百貨店で必ず買いたいものあるという場合や、絶対にどうしても旅行に行くといったような場合には、デパート・百貨店の友の会や旅行会社や航空会社の旅行積立を利用することで支出を抑えることができ、積極的に利用した方が良いと考えられます。
まとめ
- デパート・百貨店の友の会や旅行会社や航空会社の旅行積立は利回りは高くてもお金の自由度が下がるため、お金を貯める方法・お金を増やす方法としては魅力的ではない部分があります。
- 例外的に、デパート・百貨店で必ず買いたいものがあるといった場合や必ず旅行に行くというような場合は、友の会や旅行積立を利用することで、お金を節約できる場合もあります。