転職経験の有無と転職回数の割合・一生ずっと同じ会社で働く人の割合
記事作成日:2018年10月31日
転職経験の有無や転職回数の割合、一生ずっと同じ会社で働く人の割合のデータについてです。転職をしないで同じ会社にずっと勤め上げる人はどのくらいいるのかということに次いです。一生ずっと同じ会社で働くためには、自分から辞めない、転職しないということも必要になりますが、会社が潰れないこと、自分がリストラされないことも重要となります。自分の意志と関わりなく、同じ会社で働けなくなることもあるからです。
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転職経験の有無と転職回数の割合・一生ずっと同じ会社で働く人の割合
総務省統計局の「平成29年就業構造基本調査」から、最初の仕事が雇われて働く人(基本的に会社員)について年齢区分別に転職経験の有無を見ると、15~24歳(20歳前後)は転職経験なしが約8割ですが、年齢が上がるごとに転職経験なしの割合が低下していくことが分かります。ずっと同じ会社で働く人の割合は徐々に低下し、55歳以上の区分になると半分を割っています。
ずっと同じ会社で働いていて転職経験がない人の割合
男女別・年齢別のずっと同じ会社で働いていて転職経験がない人の割合は次の通りとなっています。最初の仕事が会社員である人に限定したデータで、最初の仕事に学生時代のアルバイトは含まれていません。
(注)45歳以上のデータについては統計上の制約があるため、当サイトによる独自の推計値を算出しています。推計方法等については下記表の注釈をあわせてご確認ください。
(出典)総務省統計局「平成29年就業構造基本調査」のデータを基にfromportal.comの担当者が作成
年齢別の転職経験の有無と転職回数の割合
年齢区分別の転職経験の有無や転職回数の割合は次のようになっています。男女合計、男性のみ、女性のみの3種類のデータです。推計方法などについては、表の下の記述をご確認ください。
年齢区分 | 転職経験なし | 転職1回 | 転職2回以上 |
---|---|---|---|
15~24歳 | 79.4% | 11.5% | 9.0% |
25~34歳 | 56.1% | 19.3% | 24.6% |
35~44歳 | 43.5% | 16.8% | 39.7% |
45~54歳 | 43.0% | 15.0% | 42.0% |
55~64歳 | 36.4% | 18.6% | 45.0% |
65歳以上 | 17.5% | 33.3% | 49.2% |
年齢区分 | 転職経験なし | 転職1回 | 転職2回以上 |
---|---|---|---|
15~24歳 | 80.8% | 10.9% | 8.3% |
25~34歳 | 60.5% | 18.1% | 21.3% |
35~44歳 | 50.6% | 17.0% | 32.5% |
45~54歳 | 52.1% | 15.0% | 32.9% |
55~64歳 | 42.5% | 19.6% | 37.8% |
65歳以上 | 16.1% | 34.7% | 49.2% |
年齢区分 | 転職経験なし | 転職1回 | 転職2回以上 |
---|---|---|---|
15~24歳 | 78.0% | 12.2% | 9.8% |
25~34歳 | 50.8% | 20.7% | 28.6% |
35~44歳 | 34.6% | 16.7% | 48.7% |
45~54歳 | 32.1% | 15.0% | 52.9% |
55~64歳 | 28.8% | 17.5% | 53.8% |
65歳以上 | 17.6% | 31.8% | 50.6% |
(備考)初職がある人(働いたことがある人)かつ現職がある人(働いている人)について、初職の従業上の地位・雇用形態が雇用者(誰かに雇われて働く人、家族従業者や内職者を除く)である人の、「現職が初職である人」を「転職経験なし」、「前職が初職である人」を「転職1回」、「その他が初職である人」を「転職2回以上」として計算しました。45~55歳以上の年齢区分については、雇用者のデータに制約があるため、雇用者のほか自営業者などを含む総数のデータの変化のパターンを雇用者の35~44歳のデータに当てはめて45歳以降のデータを推計しています。平成29年度就業構造基本調査の調査票では、前職(前の仕事)について、1987年(昭和62年)以前に辞めている場合、仕事に就いた時期を調査していないため、一部の集計表で昭和63年以降に初職に就いた人に限定して集計が行われています。つまり、最初の就職が1988年以降の人、30年以内に初めて就職した人しか集計されない場合があります。初職が雇用者である人の年齢別のデータについても上記が該当しますが、高校卒業後の18歳に就職し30年働くと48歳、大学卒業後の22歳に就職し30年働くと52歳になることから、高卒の場合は48歳、大卒の場合は52歳以上の人のデータが集計されない場合があります。その結果、昭和63年以降に初職に就いた人が集計対象となっている集計では、45~55歳以上の年齢区分のデータに含まれない人が多数出ることによって、データの断層が生じるため、45歳以降のデータは独自の集計によって求めています。
(出典)総務省統計局「平成29年就業構造基本調査」のデータを基にfromportal.comの担当者が作成
一生ずっと同じ会社で働く人の割合
どのくらいの人が一生ずっと同じ会社で働くのかということについては、定年時期に当たる55~64歳の年齢区分をみると男女合計で36.4%、男性のみで42.5%、女性のみで28.8%となっています。最初の仕事が会社員(雇われて働く人)で55~64歳で働いている人に限定した場合、男性は4割強、女性は3割弱が同じ会社で働き続ける、勤め上げるということになります。
65歳以上は離職をしてそのまま年金生活に入る人もいるため退職者が抜けたデータになりますが、最初の仕事が会社員で、65歳以上で働き続けている人に限定した場合、男女計で17.5%、男性のみで16.1%、女性のみで17.6%となり、2割弱の人がずっと同じ会社で働いているということになります。
年齢別・男女別の転職経験の有無と転職回数の傾向の割合
20代での転職経験の有無の割合
特に15~24歳(20歳前後)から25~34歳(30歳前後)にかけて転職経験なしの割合が大きく低下していて、20代から34歳までは転職が多い時期であると考えられます。特に男性よりも女性の方が転職経験なしの割合が大きく低下しています。
30代での転職経験の有無の割合
25~34歳(30歳前後)から35~44歳(40歳前後)にかけての時期も転職経験なしの割合が低下するため、比較的活発に転職が行われる時期となります。転職では、転職の案件が減少し、転職の条件も厳しくなる35歳の壁が有名ですが、転職の35歳の壁があっても40代後半に入る前に転職をしてよい仕事を見つけようという考えを持つ人がそれなりにいると考えられます。
特に女性は同じ会社に勤めている人の割合が大きく低下する時期となり、転職をする人が増えます。結婚、出産、育児などで働き方を変える人が増える時期に当たるためだと考えられます。
40代での転職経験の有無の割合
35~44歳(40歳前後)から45~54歳(50歳前後)にかけては、家族を養う必要があることや職場での地位が上がり、仕事が安定する時期になるとみられることから、初めて転職をする人がそれない増えない時期になります。男女とも同じ傾向を示していて、仕事の上では人生で大きな動きが起こりづらい時期になるとみられます。
50代での転職経験の有無の割合
45~54歳(50歳前後)から55~64歳(60歳前後)にかけては、男性で再び転職経験がない人の割合が低下します。55歳を超えると会社での立場が変わるほか定年の時期が近づいてくるため、会社に居づらくなったり、関連会社への再就職を斡旋されたり、給与面などの折り合いがつかず転職に踏み切ったりすることがでてきます。
60代での転職経験の有無の割合
55~64歳(60歳前後)から65歳以上(70歳前後)にかけては、定年を迎えて、会社を去ることになるため、再就職をする場合には別の会社ということになり、転職経験がない人の割合が低下しているとみられます。特に男性の低下が顕著です。
転職回数別の割合
15~24歳(20歳前後)では、転職経験がある人のうち転職回数が1回の人の割合の方が転職回数が2回以上の人の割合よりも多いですが、25~34歳(30歳前後)以降は転職回数1回よりも転職回数2回以上の割合の方が高くなります。転職を一度するようになると、転職を繰り返す人が出てくる傾向があるということになります。
65歳以上で働いている人は男女ともおよそ半数は転職を2回以上経験していることになります。定年時期が近い55~64歳では、男性は4割弱、女性は5割強が転職回数2回以上となっています。
転職しないまま一生を終えている人はそれほど多くなく、生涯で2回以上の転職をする人もそれなりにいるということになります。
まとめ
- 総務省統計局の平成29年就業構造基本調査によると、転職を経験しないで一生ずっと同じ会社で働き続ける人は、65歳以降の働いている人に限定すると2割を少し下回る水準となり、55~64歳の定年に差し掛かる年齢の働いている人では男性は4割強、女性は3割弱が同じ会社で働き続けていることになります。
- 転職が多くなるのは20代から30代にかけてと、50代から60代になります。20代から30代は自分に合った仕事を探す時期に当たり、50代から60代は老後を見据えつつ別の会社に再就職する時期に当たります。