パートとして働くメリットとデメリット
記事作成日:2018年11月12日
パート(パートタイム労働者)として働くことのメリットとデメリットについてです。パートはお金を稼げて家計の足しにできる、配偶者への経済的な依存度を減らせる、比較的自由に日にちや時間を選んで働くことができる、などがパートで働くメリットです。一方、時給が安いため大きくは稼げない、雇用や収入が不安定になることがある、時間を使わなければいけない、疲れやストレスの原因になるなどがパートで働くデメリットになります。
なお、パートはアルバイトと似ていますが、パートとアルバイトには法律上の使い分けはなく、職場ごとの呼び方の違いによって分けられているのが実情です。一方、日本では便宜上パートとアルバイトという言葉が使い分けられているため、パートは主婦などが短時間働くこと、アルバイトは学生などが短時間働くことというイメージを基に本記事を作成しています。
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パートとして働くメリット
パートとして働くことのメリットは、お金を稼げて家計の足しにできる、配偶者への経済的な依存度を減らせる、家事や育児の合間の時間を有効活用できる、採用されやすいなどということを挙げることができます。
お金を稼げて家計の足しになる
多くの場合、パートで働くことの目的はお金を稼ぐこと、収入を増やすことになります。配偶者の収入だけでは家計のやりくりが難しい場合、パートで収入が増えれば家計の足しにすることができます。パートであっても夫婦共働きになることで家計の収支が大幅に改善して、家計が楽になることがあるのです。自分自身が自由に使えるお金、お小遣いを増やすことも容易になります。
配偶者への経済的な依存度を減らせる
パートで働く時間や給与水準にもよりますが、パートタイムで働くことによって自分自身が収入を得られることになり、配偶者との関係で経済的な依存度合いを減らし、経済的に独立ができるようになることがあります。特に夫婦関係が上手くいっていない場合などで、別居や離婚などを視野に入れて配偶者に対する経済的な依存度を減らしたい場合、パートで働くことが最初の第一歩になることもありまんす。
家事や育児の合間の時間を有効活用できる
パートをすることで家事や育児の合間の時間を有効活用できる場合があります。子どもが小さい間は子どもから離れられないため働くことは無理だと思っていても、子どもが小学校に上がる頃には時間に余裕が出てきます。幼稚園や保育園、こども園に入園するような段階でも働き始めることができるようになる場合もあります。
気分転換になる
パートで働くことが気分転換になることがあります。主婦業をしていると、家の中での活動が中心となって、毎日の活動に変わりがなく、話し相手もなかなかいないということになってしまうこともあります。しかし、パートで働くことによって、家事や育児以外のことをする時間ができ、普段とは環境も変わるため気分転換になることがあります。
本格的な仕事復帰や正社員への準備になる
結婚や出産、育児などで職を離れていた場合に、仕事上のブランク(空白期間)が長くなると就職活動を始めても正社員では採用してもらえないことも多いです。そのため、本格的な仕事への復帰、正社員への就職の前段階としてパートで働くことによって、仕事の勘を取り戻す、仕事の経歴を積んでおくということになる場合もあります。
採用されやすい
アルバイトやパートは人の出入りが激しい一方で、給与水準がそれほど高くなく、経営者が辞めさせやすいと考えてしまっていることから、採用されやすい実態があります。そのため、正社員でなかなか採用されないけれど、とりあえず働いてお金を稼がなければいけないという時に、採用されやすいパートで働くという選択肢があります。
人間関係を広げることができる
パートをすることによって新たに職場での人間関係を広げることができる場合があります。年齢が上がってくると、新たに知り合いや友人ができる機会というものがなかなか得られないこともありますが、働くことで人間関係を広げるチャンスを得られるようになるのです。
勤務する日数・曜日や時間を選びやすい
パートでの仕事は、働く日数、働く曜日、働く時間を比較的に自由に選ぶことができるということがメリットです。家事や育児などの合間で時間ができる日中だけ、4時間だけ、一週間に2日だけといったように勤務日数、曜日、時間を柔軟に設定することができるのがパートなのです。
仕事の責任が重くならない
正社員と比べるとパートの職場での立場は低くなり、権限が低くなる一方で、責任もあまり重くならないことが多く、気軽に働きやすいということも特徴の1つです。もちろん、お金をもらってする仕事なので、仕事として取り組まなければいけませんが、正社員と比べると、仕事の責任の重圧を感じるような場面は少なくなるのです。
退職しやすい
パートは採用されやすいと同時に、人の出入りも激しい傾向があり、正社員と比べると、退職をしやすい、退職を言い出しやすい傾向があります。もちろん、退職のルールを守って退職する必要がありますが、パートの場合は、辞めなければいけなくなった時に退職の申し出がしやすいのです。
人事異動や転勤はほとんどない
パートの場合は、基本的に人事異動や転勤はなく、同じ仕事を同じ職場で続けることが多いため、家事や育児などとの両立を目指している場合には、生活や時間の使い方を安定させやすいというメリットがあります。いつ転勤になるかわからない立場だと、家族との関係でも問題になりますし、ライフプランを立てづらくなります。
掛け持ち・副業にも向いている
パートは自分の都合が良い時に短時間でも働くことができるため、本業の傍らに副業としてパートをすることも可能ですし、パートを複数掛け持ちするということも可能です。また、正社員の場合と比べて、パートの場合は副業を禁止されることもあまりありません。パートだけでは収入が少なくなるため、他に仕事をしてはいけないというルールにしづらいのです。
社会保障制度の対象となることがある
パートであっても、一週間に一定の労働時間があれば、労働保険、健康保険、厚生年金保険といった社会保障制度(労働保険を含む広義の社会保障制度)の適用対象となることがあります。失業した場合に失業保険を貰えるようになったり、けがをして働けなくなった場合に傷病手当金を貰えるようになったり、自分自身の将来の厚生年金が増えたりすることがあります。
パートとして働くデメリット
パートとして働くことのデメリットは、時給が安い、雇用や収入が不安定になることがある、仕事のやりがいを感じづらいことがある、時間を奪われる、疲れやストレスになるなどを挙げることができます。
時給が安い
パートは短時間だけ自分の都合がいい時に働くことができる働き方ですが、一方で仕事の権限も少なく、責任もあまり求められないことから、給与水準が低く設定されやすくなっています。時給が安いため、あまり多く稼げないことがパートのデメリットの1つとなります。稼ぐためには長時間働かなければいけないことも多いです。
シフトの都合や業務の忙しさで働ける時間が変わることがある
シフト制の場合には他のパートとの関係や仕事の忙しさによって職場で働ける日数や時間数が変化することがあり、もっとたくさん働きたいと思っていても思ったように働けないことがあります。業務の忙しさによっては働く日数を増やしてもらえないことや減らされてしまうこともあります。正社員の場合と比べると、収入が不安定になってしまうことがあるのです。
仕事の権限が少なくやりがいを感じづらいことがある
パートは短時間だけ自分の都合が良い時に働くことができる働き方ですが、事業主側から見ると、いつ抜けられるかわからない存在でもあり、仕事の権限が少なくなりがちで、やりがいを感じづらいこともあります。人の出入りが激しいため、機械的、マニュアル的な仕事のやり方を整えて、人が変わっても影響が出ないようなシステムになっていることもあり、創意工夫の余地があまりないこともあります。
家事や育児の時間が無くなることがある
パートでしっかりと稼ごうと思うと、働く時間を長くする必要が出てくるため、家事や育児の時間があまりとれなくなるため、家事や育児のやり方を変えなければいけなくなることがあります。家事や育児に時間がなかなか取れなくなってしまって、家族との関係がぎくしゃくしてしまうこともありますし、自分自身が上手くいかないことにもどかしさを感じてしまうこともあります。
疲れやストレスがたまってしまう
パートは短時間であっても働くことに変わりはないため、疲れやストレスになることがあります。自分でも気が付かないうちにイライラするようになったり、心に余裕がなくなったりしてしまうことがあります。家事や育児をしようと思っても疲れてしまって、上手くできなくなってしまうこともあります。
雇用が不安定となることがある
パートやアルバイトといった非正規雇用の人たちは事業主から雇用の調整対象と考えられていることがあります。人手が過剰になったら、アルバイトやパートを辞めさせればいい、減らせばいいと考えていることがあるのです。正社員と比べると、パートは雇用上の地位が不安定になることがあります。
職場での立場が弱い
パートは職場での立場がアルバイトと同様に弱くなりがちであまり守ってもらえないことがあります。例えば、パワーハラスメントやセクシャルハラスメント、職場でのいじめなどにあった場合でも、正社員の言い分が認められても、パートの言い分は認められないということが起きてしまうことがあるのです。
正社員よりも社会的な信用が低い
パートの仕事は採用されやすくても、雇用や収入が不安定となりやすく、退職も容易で事業主も景気が悪くなるとすぐに減らそうとするため、社会的な信用度合いがそれほど高くないと考えられています。そのため、クレジットカードを作る場合などで信用が足りずに、有利な条件で作ってもらうことができない、ローンなどの審査に通りにくいということが起きます。
賞与や退職金はほとんど出ない
パートであっても、賞与(ボーナス)や退職金が仕事に見合った分だけ支給される場合もありますが、賞与や退職金がないか、あってもかなりの少額であることも多いです。そのため、たくさん稼ぎたい、生涯賃金を増やしたいということであれば、パートではなく、正社員の方が適していることが多いです。
昇進や昇給は限られている
パートでも、業務経験や業績への貢献度合いなどを考慮して職場での地位を上げる昇進の仕組みや、給料が増える昇給の仕組みがある場合もあります。しかし、パートでは昇進や昇給をする仕組みがあっても、昇進や昇給によって得られる地位や給与はそれほど高くない水準に抑制されていることも多く、正社員と比べると見劣りしてしまうことがあります。
人事制度や福利厚生制度は正社員より不利な場合が多い
パートでも有給休暇以外の休暇制度、研修制度、福利厚生制度などが設けられていることも多いですが、パートでは利用しづらい条件になっていたり、正社員と比べると不利な扱いを受けていたりすることがあります。有給休暇に至っては、言い出しづらい雰囲気となっていてほとんどとることができないという場合もあります。
社会保障制度が適用されないこともある
パートの場合、正社員と比べると一週間当たりの労働時間数が少なく、社会保障制度の適用除外となってしまうことがあります。例えば、健康保険や厚生年金保険などの社会保険は、パートの場合は労働時間数が少ないと職場で加入できないことがあります。
まとめ
- パートとして働くメリットは、お金を稼げて家計の足しにできる、配偶者への経済的な依存度合いを減らせる、空いた時間を有効活用できる、採用されやすいなどを挙げることができます。
- パートとして働くデメリットとして、時給が安い、雇用や収入が不安定になりがち、仕事のやりがいを感じづらい場合がある、時間をかけなければいけなくなる、疲れやストレスになるなどを挙げることができます。