起業や独立のメリットとデメリット
記事作成日:2019年1月4日
起業や独立のメリットとデメリットについてです。起業や独立をすることによって自分のやりたいように仕事ができるようになる、自分の努力が報われやすくなるといったメリットが得られる一方、失敗することがある、かえって忙しくなり時間の自由を失うことがあるなどのデメリットがあります。
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起業や独立のメリット
起業や独立のメリットとして、自分の自由に仕事ができるということがあります。やりたい仕事を選べる、仕事のやり方を選べる、職場環境を自分で作り出せる、時間配分を自由にできる、人間関係を選べる、などの自由があるのです。また、自分の努力が報酬という形で報われやすいということもメリットです。
自分がやりたい仕事ができる
会社員の場合には会社が指示した仕事をやることになり、自分がやりたくない仕事、望まない仕事でも受け入れざるを得ない場合があります。会社の入社時に聞いていた話とは全く異なる業務を担当することもあります。
一方で自分で起業をした場合には、自分がやりたい仕事をすることができます。もちろん、成功できるかどうかは起業をする人の才能にかかっていますが、自分でやりたいと思った仕事を自由にできるのが起業なのです。自己実現につなげやすいのです。
自分のやり方で仕事ができる
会社員であれば、会社の指示に従って仕事を進めていなかなければいけません。非効率・非合理だと思うことでも受け入れなければいけない場合もありますし、自分の意見や気持ちに反しても会社から指示されたことは仕事として処理していかなければいけません。
しかし、起業をすれば自分のやり方で仕事をすることができます。誰からも指示されることはないので、自分が良いと思ったやり方で自由に仕事をすることができるのです。
自分が好きな環境で仕事ができる
会社員であれば会社が指定した場所、会社が準備した職場環境で働かなければいけません。事務所が快適でなくても我慢しなければいけませんし、危険な現場でも改善されないまま働かされてしまうことがあります。
一方、起業をすれば自分が好きな環境で仕事をすることができるようになります。自分が働きやすいように職場環境を自由に変えることができます。
自分のペースで時間配分ができる
会社員は始業時刻や終業時刻が決まっていることが多く、フレックスタイム制度や裁量労働制が導入されている場合でも形骸化していたり、自由にできる範囲が少なかったりして、完全に自分の自由な時間配分で仕事ができるということはほとんどありません。会議の予定が会社に決められてしまうこともありますし、残業や休日出勤などを強いられる場合もあります。
しかし、起業をすれば自分のペースで仕事を進めることができ、自分が自由に時間配分をすることができます。忙しければ収入と引き換えになりますが仕事を減らすこともできます。
自分の事業なのでやりがいを感じやすい
会社員として会社の利益のために働くことでも仕事のやりがいを感じられる場合は沢山ありますが、自分の事業であればより仕事のやりがいを感じやすいと言えます。会社員として会社のために働いても、仕事の成果はあくまで会社のものであって、経営権などを何らかの形で取得しない限り会社は自分ではない他人のもののままです。
自分で起業をした場合には、自分が始めた事業は自分が好きなように扱うことができます。法人化すれば株式などの形で経営権を承継していくことができますし、他人に売却することもできます。自分で自分の事業を作るので、やりがいを感じやすいのです。
雇用されないため自由に仕事ができる
会社などの組織に雇われて働くということは給料が安定して得られるなどのメリットもありますが、会社など組織のルールに縛られなければいけない、仕事を自由に選べない、自分のやり方で仕事ができないことがある、勤務地を会社の都合で変えられてしまうことがある、時間配分も会社の指示に従わなければいけない等のデメリットがあります。
しかし、起業をすれば、雇用されないため、雇用されることによる縛りがなくなります。もちろん、社会のルールは守らなければいけませんが、雇われることによる束縛はなくなり、自由に仕事ができるようになります。
自分の努力が直接的に報われる
会社員として働いていると仕事で成果を上げても、会社やチームの利益になって、自分に還元される報酬はほとんどないということも珍しくありません。どれだけ仕事を頑張って努力をしても、売り上げたお金の大部分は自分のものにならないことが多いのです。
しかし、起業をすれば、自分の事業で得た利益は自分が配分方法を決めることができます。そのため、自分の努力が報酬となって直接的に報われるようになるのです。
定年がない
会社員などで雇われて働く場合、一定年齢に達すると会社を辞めなければいけない定年制度があることが多いです。定年が近づくと役職がなくなったり給料が下がったりすることがあるほか、定年後に再雇用される制度があっても給料が下がるほか、いつまでも働けるわけではないことが多いです。
自分で起業をした場合には定年はないため、働く元気と気力がある限り、いつまでも仕事を続けることができます。会社の都合で定年になることがなくなるのです。
一方的な人事異動や転勤がない
会社員など組織で雇われて働く場合には、人事異動や転勤があるため、担当する仕事が変わったり、勤務地が変わったりします。仕事が変わると自分が望まない仕事をしなければいけない場合もありますし、勤務地が変わると自分の生活だけでなく、家族の仕事や学業、生活にも影響を及ぼすことがあります。
自分で起業をするのであれば、会社の都合によって一方的な人事異動や転勤が行われるということがなくなり、自分で仕事や勤務地を選べるようになるのです。
大きく稼げる可能性がある
会社員など雇われて働く場合、極端な成果報酬の制度になっていない限り、一生で稼げるお金には限界があります。会社員として働き続けた場合、会社員としての報酬(生涯賃金)は一生で2~3億円前後にとどまることが多いです。出世をして高い報酬をもらったとしても、会社員としては限界があるのです。
しかし、自分で起業した場合には報酬の限界もなくなり、稼げば稼いだだけ自分の収入が増える可能性があるのです。もちろん、期待したほどは稼げないことも多いのが起業の厳しさでもありますが、大きく稼げる可能性もあるのが起業なのです。
満員電車に乗らなくても良い
混雑する時間帯を避けて通勤する時差通勤と言う言葉がありますが、会社では始業時刻や終業時刻が決まっていることが多いため好きな時間に通勤するということがなかなか難しいです。また、勤務地も会社が決めるため、都心が勤務地になるのであれば混雑する満員電車に乗って通勤しなければいけなくなります。満員電車はストレスになりますし、他の乗客とのトラブルに巻き込まれる可能性があります。
自分で起業した場合は仕事をする時間を自由に選べますし、どこで働くかも自由に決めることができます。仕事のやり方を工夫すれば在宅で働くということも可能です。そのため、満員電車に乗らなくても済み、混雑のストレスから解放されるほか、他の乗客とのトラブルに巻き込まれるリスクもなくなるのです。
家族との時間を持てるようになる
会社員など雇われて働く場合、働く時間が決まっていることが多く、自分が都合のいい時間だけ働くというのは難しいです。また、急に残業をしなければいけなくなったり、休日出勤をしなければいけなくなったりすることがあります。
一方、起業をすれば働く時間は自分で選ぶことができますし、工夫次第で休む日なども自由に調整できるため、自分の時間を好きなように使うことができるようになります。そのため、配偶者や子どもなど家族と過ごす時間を確保しやすくなります。子どもが急な病気になっても側に付き添うことが簡単にできるようになるのです。
上司の指示を聞かなくていい
会社員であれば社長にならない限り自分より上の立場の人がいるため、上司の指示を聞かなければいけません。社長でも雇われ社長の場合には株主や親会社の意向に沿って動かなければいけない場合もあります。上司と考え方が合わなければストレスになりますし、パワハラやセクハラを受けてしまうこともあります。
起業をすれば自分が事業の責任者になるため、上司が存在しなくなるため、上司の指示を聞く必要がなくなります。
人間関係のストレスを感じづらくなる
会社員など組織で働く場合には組織で働く他の人、上司、同僚、部下などとの人間関係に注意して働かなければいけません。自分と合わない人がいても、関わりを持たざるを得ない場合があり、人間関係の悩みが強いストレスになってしまうこともあります。
しかし、起業をすれば自分と相性が良い人を選んで一緒に働くことができますし、他の人と関わりを持ちたくないという場合には人を雇わず、最低限の人間関係で事業を行うことも不可能ではありません。人間関係も自由に選べるのは起業の大きなメリットの一つです。
経営をすることができる
会社員の場合には、会社から指示されて働くことが基本であり、長年勤めて出世しない限り経営に関わることができない場合も多いです。また、経営に関われたとしても社長などにならない限り、自分の裁量が限られていることが多いです。
起業をすれば、起業をした瞬間から自分が事業を経営していなかなければいけなくなるため、経営をしたいと思っている場合には望みが叶えられることになります。
会社員として雇われて会社の経営に関わる場合と、自分の事業を経営するのとでは、経営の本気度合いが変わってきますし、経営をしたいと思うのであれば、起業することで希望が叶います。
地位や名誉が得られることがある
会社員の場合、長年勤めあげてやっとそれなりの役職や地位が得られることが多く、若いうちは組織の中で我慢しなければいけない部分があります。
しかし、起業であれば起業をした瞬間から事業の代表者となります。個人事業であれば個人事業主、株式会社を立ち上げた場合は代表取締役社長になるのです。また、事業で成功すれば、注目され名誉が得られる場合があります。
会社員の場合、目覚ましい活躍をしても組織やチーム、上司の手柄になってしまうことも少なくありません。
起業や独立のデメリット
起業や独立のデメリットについてです。起業や独立は成功する事例ばかりではなく、失敗する事例も多いことがデメリットになります。また、忙しくなってしまうことがある、借金を背負ってしまうことがある、などのデメリットもあります。
起業は失敗することがある
起業は上手くいく場合ばかりではなく、失敗してしまうことも多いです。上手くいかなければ収入がなくなってしまうだけでなく、借金を背負ってしまうことさえあります。
会社員の場合には組織の誰か一人が仕事で失敗しても、会社の経営破綻につながるということはあまりありませんが、起業をして経営者になった場合には、自分の仕事上の失敗が自分の事業の失敗につながってしまうことがあるのです。経営に失敗した場合、再び事業を立ち上げるか、会社員に戻るかの選択を迫られることもあります。
最初は売上が出づらい
起業をしたばかりの頃は、収入につながる仕事を受注することが難しく、売り上げが伸びないことに苦労することがあります。どのような事業を立ち上げるかによっても違ってきますが、顧客の開拓をしていかなければならず、起業してしばらくの間はお客さんが思うように得られず、ほとんど収入がないこともあります。
そのため、起業をする場合には開業資金だけではなく、軌道に乗るまでの運転資金も確保しておくことが重要で、最低でも半年は売上が低迷しても大丈夫なように備えておくことが重要です。
将来の不安を感じやすい
会社員の場合には会社の経営が傾いたり、解雇されたりしない限り、急に収入が途絶えることはないため、収入の見通しが立てやすく、金銭面では安定しやすいと言えます。
一方で起業をする場合には、事業の将来性や事業の収入の変動などに対して不安を感じてしまうことがあります。会社員の収入は安定感がある一方で、事業収入は不安を感じやすいのです。
全て自分の責任になる
会社員であれば仕事で失敗しても会社がカバーしてくれるため、自分が全ての損失を被るということは滅多にありません。しかし、起業をした場合には、自分の事業の成否は自分にかかっていて、自分の事業のことについてはすべて最終的には自分の責任になるのです。
起業をすれば自分の好きなやり方で仕事をすることができますが、失敗した場合には自分の責任になるのです。他人に損害を与えてしまった場合には、自分が責任を負わなければいけない場合があります。
稼げない可能性がある
会社員であっても働き方を間違えてしまうと低収入に陥ってしまいなかなか抜け出せなくなってしまうことがありますが、起業の場合も稼げない場合があります。
将来性がない事業をしてしまう、収益性が低い事業をしてしまう、非効率な働き方をしてしまう、経営の才能がない、経営の知識やスキルが足りない、などの場合には稼げない場合があります。
会社員とは違うストレスがある
会社員には会社員としてのストレスがありますが、事業の経営者には経営者としてのストレスがあります。事業の先行きに思い悩んだり、資金繰りに悩んだり、組織運営に悩んだり、相談相手の不在や孤独に悩んだりすることがあります。
もちろん、会社員の時よりも経営者の時の方がストレスを感じづらくなることも多いのですが、起業をすると会社員とは異なったストレスに直面してしまうことがあるのです。
顧客との関係構築が必要になる
起業をすれば上司が存在しなくなるため、上司との人間関係に悩む必要はなくなりますが、社会の中で仕事をする限り、何らかの形で他人と関わりを持たなければいけないことがあります。
特に自分に売り上げをもたらす顧客(クライアント)との関係構築は重要で、起業をすると上司のご機嫌を伺う代わりに、顧客のご機嫌を伺わなければいけなくなってしまうことがあります。
最初は社会的な信用がない
起業をした直後は事業での実績がないため、社会的な信用がありません。よく言われるのがクレジットカードを作れない、住宅ローンの審査に落ちるといったようなことですが、社会的な信用がないためお金を借りられなくなってしまうのです。
もちろん、信用がない人に貸す前提で制度設計がされている起業向けの融資を借りることはできますが、事業が軌道に乗るまでは通常の融資を受けるのは難しくなるのです。
忙しく時間が無くなることがある
経営者は時間配分を自由に決められますが、仕事の段取りややり方、時間配分などが上手くできない場合には仕事の忙しさに追われてしまって時間が無くなってしまうことがあります。
時間の自由を得るために起業したはずなのに、目の前の仕事を処理することに必死になってしまい、かえって時間の自由を失ってしまうことがあるのです。
自己管理が必要になる
会社員であれば始業時刻や終業時刻は基本的に決められていますし、会社が仕事の進捗管理を行うため、会社の指示に従って動いていれば仕事を進めることができます。
しかし、起業をした場合には仕事の進め方や時間配分は自分が決めなければいけません。逆に言うとさぼろうと思えばすぐにさぼれてしまうため、自己管理ができない人が起業をすると、働く時間が乱れてしまったり、仕事の進捗管理が上手くいかなくなったりして、事業の運営に失敗してしまうことがあります。そのため、起業をするのであれば自己管理が必要になるのです。
体調を崩すと事業に影響が出る可能性がある
起業をすると自分が事業の責任者になります。個人事業主として事業を行う場合や法人化をしても法人の規模が小さい場合などは事業における自分の役割が大きいため、自分が抜けてしまうと事業が立ち行かなくなってしまうことがあります。
自分の他に事業を一時的に任せられるような人がいない場合、自分が体調を崩してしまうと事業に影響が出てしまうことがあります。また、自由に休めなくなってしまうことがあります。
失敗をすると借金を残してしまうことがある
起業をする時に借り入れをしていると、起業に失敗した時に借金が残ってしまう可能性があります。法人化をしていても代表者が個人保証をしてしまっていると、会社が傾いた場合には個人として会社の借金を背負わなければいけない場合があります。
また、家族が事業の借金の連帯保証人になっている場合には家族にも借金を背負わせてしまい、迷惑をかけてしまう場合があります。
まとめ
- 起業のメリットは、好きな仕事をできるようになる、仕事のやり方や時間の使い方を自由にできる、自分の努力が報われやすくなる、上司が存在しなくなる、などがあります。
- 起業のデメリットは、起業は失敗することがある、忙しくなりかえって時間の自由を失うことがある、などを挙げることができます。