転勤のメリットとデメリット
記事作成日:2019年3月28日
転勤のメリットとデメリットについてです。転勤は、自分の意思とは関わりなく会社都合で行われることが多いため人生設計が難しくなるため、一般的にはメリットよりもデメリットの方が大きいと考えられています。転勤のメリットとしては新しい経験が積めることなどがあり、デメリットには人生設計が難しくなる、引っ越しに手間がかかる、新しい環境に慣れるのが大変、子どもの教育や配偶者の仕事に影響する、などがあります。
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転勤のメリット
転勤は自分の意思とは関係なく命じられることもあり、人生設計上は望ましいものではないことも多いのですが、会社員として働く場合は、転勤を前向きにとらえた方が良い場合もあります。転勤には、転勤を受け入れて頑張ることで会社に評価されやすくなる、新たな経験となり成長につながるなどのメリットがあります。
受け入れて頑張ると会社に評価されやすい
転勤を素直に受け入れる人は会社に評価されやすい傾向があります。転勤は誰もが望むことではないため、受け入れてくれる人は会社にとって価値がある人材なので会社に評価されやすくなります。
もちろん転勤には、地位や役割が高まるようないわゆる栄転とされるようなものばかりではなく、厄介払いされてしまい、地位や役割が重要ではない職務に追いやられてしまう左遷もあります。
しかし若い時期から転勤を命じられている場合は、会社が様々な経験を積んでもらいたいと考えていることが多く、出世コースに乗っていることも多いです。
そのため、会社に転勤を命じられたからといっても、必ずしも後ろ向きに受け止める必要はないのです。特に期間が決まっている転勤、本社など元の場所に戻ってくることが明らかな転勤は、人事評価上は前向きに考えることができるものなのです。
新たな経験を積むことができる
転勤によって新しい場所で働くことは自分にとって新たな経験となってスキルアップに役立つため、成長につながります。場所が変われば、同じ会社の中であっても働く人、働き方は変わってきますし、違った場所での生活は良い経験となります。
もちろん、暮らしやすい場所への転勤ばかりではないのですが、良いことも悪いことも含めて自分にとっての貴重な経験になるのです。
会社に転勤を命じられることがなければ、とても行くような機会がなかったような場所で働くことができる可能性があるのです。転勤を言われなければできなかったような発見ができる可能性があるのです。
新鮮な気持ちで働くことができ気分転換になる
変化が速い時代ではあっても、同じ場所、同じ環境で働き続けているとどうしても飽きを感じることやマンネリ化してしまうことがあります。
しかし、転勤によって勤務地が変わることで、職場環境だけではなく、生活環境も大きく変わることになるため、新鮮な気持ちで働くことができて、気分転換になることがあります。
停滞感を感じていたり、変化のなさに退屈さを感じていたりする時は、転勤が良い刺激となって働く意欲が高まることがあります。
転勤費用の多くを会社に負担してもらえる
会社に転勤を命じられた場合は、転勤に関する費用の多くを会社が負担する場合が多いです。もちろん、会社によって違いはありますが、引っ越し費用などは大半の部分を負担してもらえることが多いです。また、転勤に伴って何らかの手当を貰えるようになることがあります。
転勤をすることで様々な場所に住むことができますが、自分で住もうと思うと引っ越しの費用がかかるばかりではなく、仕事も自分で見つけなければいけません。
しかし、会社に命じられる転勤であれば、仕事は当然確保されていますし、引っ越し費用の自己負担が少なくて済むのです。
様々な場所で暮らしてみたいと思う人にとっては転勤はありがたい制度だと感じられる場合があるのです。
人間関係を変えられる
転勤をすると、仕事の面でも、生活の面でも人間関係がリセットされます。もちろん、これまで親しかった人たちとも物理的に距離が離れてしまうため、デメリットもあるのですが、これまでの人間関係があまり良くなかった場合はメリットとなることがあります。
望ましいものではなかった人間関係から離れて、新たな人間関係を得るチャンスとなることがあるのです。
また、深入りをしない人間関係を望む人にとっても転勤はメリットとなることがあります。転勤で頻繁に職場が変わる場合は、いつかいなくなることが分かっているので人間関係が深入りしづらく、適度な距離感を保ちやすい場合があるからです。
転勤のデメリット
転勤のデメリットはメリットよりも大きいと考えられ、人生設計が難しくなる、引っ越しに手間がかかる、新たな生活環境に慣れなければいけない、子どもの教育に影響する、配偶者の仕事に影響する、持ち家の扱いが問題となる、などがあります。
会社の都合で行われるため人生設計が難しくなる
転勤は自分の希望を聞いてもらえることもありますが、会社の業務上の都合で行われることが多いです。そのため、自分の意志に関わらず、急に命じられるものであるため、十分に準備ができないまま、慌ただしく転勤しなければいけないことがあります。
転勤があるかもしれない会社で働いている場合は、いつ転勤があるかわかりませんし、どれくらいの転勤期間となるかもわかりません。どんな場所に転勤するのか、返ってこれるのかといったことも問題になります。
そのため、結婚、出産、住宅購入、教育、介護、老後生活といった人生設計を立てづらくなってしまうことがあります。
住居探しや引っ越しに手間がかかる
転勤をするということは住む場所が変わるということになります。そのため、新たに住む場所を見つけなければいけませんし、新居に引っ越さなければいけません。住む場所は会社が用意してくれるかもしれませんが、引っ越しは自分でしなければいけません。
家族の人数や荷物の量などによっても変わってきますが、引っ越しはとても手間がかかります。荷造りをして運び出し、新居で荷解きをし、新たな場所に配置するということはとても大変なことなのです。
また、引っ越しをする時は、住所変更など各種手続きもしなければいけないため、更に手間がかかります。数年後に戻ってくる場合には、転勤を命じられると少なくとも2回引っ越しをするということになるのです。
子育てや子どもの教育に影響する
転勤は家族同伴で行う場合でも、単身赴任する場合でも、子育てや子どもの教育に大きな影響を与えます。家族同伴の場合は子どもも一緒に引っ越しをするため、就園・就学している年齢であれば基本的に転園・転校となります。高校や大学などに通っている場合は遠距離でも通える場合がありますが、遠距離の場合や子どもがまだ小さい場合は転園・転校となります。
転園・転校になるとこれまで仲が良かった友達と離れて、誰も友達がいない環境に飛び込むことになるため、転園・転校が子どもにとって悪い影響を与えてしまうこともあります。新しい環境は子どもにとってもストレスとなりえます。
単身赴任する場合でも、子どもの元を父親あるいは母親が離れることになるため、子どもの教育上少なくない影響を与えます。前向きに受け止めることができる場合もありますが、家族の絆が失われてしまうこともあります。
配偶者(妻や夫)の仕事に影響する
夫婦共働きの場合、夫か妻のどちらかが転勤をすることになると、相手の配偶者の仕事が問題になります。別々に離れて暮らすというのであれば、お互い仕事は継続することができますが、お互いの生活が変わってしまいますし、家族が離れ離れになってしまいます。
家族が同伴するということであれば、配偶者の仕事が問題となります。近年は転勤についていく配偶者が辞めないように同じように近隣の支店や事業所などに転勤を命じる良心的な企業もありますが、仕事を続けていくことが難しい場合は転職をするか、仕事を辞めることになります。
転職をする場合には転職活動をしなければいけませんし、新たな職場に慣れる必要があります。数年後に再び転勤する場合はその時にも仕事をどうするかという問題が出てきます。配偶者が仕事を辞める場合は、配偶者のキャリアプラン(働き方)や家計の収入面にも影響が出てきます。
新たな生活環境に慣れなければいけない
新たな場所で新しい生活をするということは以外に大変です。日々の買い物をするお店を新たに見つけなければいけませんし、けがや病気をした時に頼りにできる病院なども新たに探し出さなければいけません。女性であればお気に入りの美容院などを新たに見つけなければいけなくなることもあります。
新しい土地でゼロから新しい生活を築いていくということは大変で、新しい職場になれるだけではなく、新しい生活にも慣れなければいけません。転勤後数か月間は落ち着かない日々を過ごさなければいけないこともあります。
家族の介護などがある場合は難しくなる
自分や配偶者の親などの介護が必要な場合、転勤によって介護が難しくなってしまうことがあります。介護離職という言葉があるくらい、介護はとても深刻な問題ですが、身近な人を介護している場合は転勤をすることで介護ができなくなるため、介護をどうするかという問題が出てきます。
介護が必要な人は住む場所が変わることによって人間関係が失われ健康面に悪影響が出てしまうことがあるため、介護する人を連れていくということは基本的に難しいです。そのため、配偶者などが残って介護をするか、介護に関連するサービスを利用するかということになりますが、現実問題として難しい場合があります。
持ち家があると扱いに困る
既に持ち家がある場合には転勤時に自宅をどうするかという問題が出てきます。よく住宅ローンを借りて自宅を購入すると転勤を命じられるということが言われますが、持ち家があってもなくても転勤の可能性があります。
転勤をしても数年後に確実に戻ってこれる保証があればよいですが、いつ戻ってこれるか分からないという場合、仕事を辞めないのであれば自宅を手放すことも選択肢となりえます。
数年後に戻ってくる場合でも、自宅をそのままにしておくのか、賃貸として貸し出すのかという問題があります。住宅ローンを抱えている場合は、何もしないままにしておくと住宅ローンの返済が負担になってしまうことがあります。
単身赴任となることがある
転勤で大きな問題となる可能性があることとして単身赴任が挙げられます。家族がいる場合は転勤をする時に家族同伴で転勤するか、家族と離れて単身赴任するかということが大きな問題となります。配偶者の仕事の問題、子どもの教育の問題、家族の介護の問題、自宅の問題、転勤先の安全の問題など様々な理由が考えられますが、単身赴任を選ぶ場合があります。
そうなると家族が離れ離れとなってしまいますし、家族の生活拠点が2箇所になるため、行き来する費用や住居費、生活費の負担が重くなってしまうことがあります。
何より、家族が一緒にいることができなくなってしまうため、精神的につらさを感じてしまうことがあります。
結婚や恋愛の障害となる
転勤を命じられた時に家族がいない場合であっても、恋人やそれに近い存在の人がいる場合は結婚や恋愛の障害となる可能性があります。転勤についてきてくれるのであればまだ良いのかもしれませんが、転勤に一緒についていくことができない場合は遠距離となってしまうため、結婚や恋愛が難しくなってしまう場合があります。
特にどれくらいの期間で戻ってくるか分からない、本当に戻ってくるのか分からないといった場合は、人生設計をしづらくなってしまうため、結婚や恋愛が難しくなってしまうことがあるのです。
友人などの人間関係が疎遠になる
人間関係は物理的な距離が近いか、遠いかにも影響を受けます。どれだけ仲が良い間柄であっても、遠く離れてしまうと気軽に会うことはできなくなります。そのため、友情自体は変わらないかもしれませんが、直接会って話すことができなくなると、人間関係が変わってきてしまうことがあるのです。
転勤によって悪い人間関係をリセットできるというメリットがある一方、転勤によってそれまで構築した人間関係や人脈と疎遠になってしまうデメリットがあるのです。
まとめ
- 転勤はメリットよりもデメリットが大きいと考えられますが、転勤のメリットとしては新たな経験を積むことができる、転勤を受け入れて頑張ると会社に評価されやすいということが挙げられます。
- 転勤のデメリットは、人生設計が難しくなる、引っ越しの手間がかかる、新しい環境に慣れなければいけない、子どもの教育や配偶者の仕事に影響する、持ち家の扱いに困る、今までの人間関係が疎遠になるなとがあります。