嘱託社員とは・嘱託の意味と嘱託社員のメリットやデメリット
記事作成日:2018年11月28日
嘱託社員とは何かということや嘱託社員のメリットやデメリットについてです。嘱託とは「仕事などを頼む、任せる、ゆだねる」という意味です。嘱託社員とは、言葉の上では仕事を任せれた社員という意味となりますが、一般的には定年後などに再雇用されて働く有期雇用契約を結んだ労働者を指します。嘱託社員はいわゆる非正規雇用で、労働日数や労働時間は正社員より少ない場合があり、待遇も正社員には及ばないことがあります。
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嘱託とは・嘱託の意味
「嘱託」の「嘱(しょく)」には「頼む、ゆだねる」という意味があり、「託(たく)」には「任せる、預ける、ゆだねる」という意味があり、「嘱託」とは「(仕事などを)頼む、任せる、ゆだねる」という意味になります。
嘱託社員とは・嘱託社員の意味
嘱託社員(しょくたくしゃいん)とは、法令上定義がある用語ではありませんが、一般的に定年退職した人などが引き続き一定期間再雇用されて働く社員を指すことが多いです。臨時職員、非常勤職員というような扱いとなることもあります。会社によって扱いが大きく異なる場合があります。
また、嘱託社員を定年後の再雇用社員という意味ではなく、正社員に次ぐ準社員と言う意味で用いる場合があります。なお、専門的な業務を専門家に依頼する際に「嘱託」という言葉を使うことがありますが、その場合には労働契約というよりも「業務委託」という意味絵で用いられている場合があります。
嘱託社員の法令上の位置付けは明確ではない
嘱託社員の法令上の位置づけに関して、e-Gov電子政府の総合窓口の法令検索で法令用語検索で法令(法律・政令・省令等)の条文中での「嘱託社員」の用語を検索すると、(記事作成日時点では)該当がありませんでした。そのため、「嘱託社員」という言葉は法令上の明確な定義がある用語ではないと言えます。
嘱託社員は有期雇用の社員
嘱託社員は、雇用期間の定めがない正社員とは異なり、雇用期間の定めがある有期雇用の社員となります。契約期間の定めがあるため、契約が更新されない可能性があります。有期雇用で契約期間があるという点では、契約社員と似ています。契約社員の一種だと捉えるような考え方もあります。いわゆる、非正規雇用(非正規社員、非正規職員)となります。
嘱託社員の待遇
嘱託社員の給与などの待遇は正社員よりは低いことが多いですが、正社員に近い場合もあり、会社によって扱いが異なります。労働日数や労働時間については、定年退職後の再雇用の場合は、正社員よりも少なくなることがあります。労働日数が正社員より少ない、労働時間が正社員より短い場合があります。
嘱託社員と契約社員の違い
嘱託社員と契約社員は雇用期間の定めがある有期雇用契約であるということが共通しています。
一方で、一般的な扱いとして、嘱託社員は定年後の再雇用の労働者、契約社員は単に正社員ではない有期雇用労働者という違いがあります。また、嘱託社員は労働日数や時間が正社員よりも短いパートタイム労働者となることがある一方、契約社員は労働日数や時間が正社員と変わらないフルタイム労働者であるという傾向があります。なお、契約社員でも労働日数や時間が正社員より短い場合もあります。
嘱託社員のメリット
定年後の再雇用として働く場合の嘱託社員のメリットです。
職探しをしないでも一定期間働き続けることができる
嘱託社員として定年後に再雇用されれば、定年後も一定期間働き続けることができます。定年後の再就職先を探すのは職種が限られたり、待遇面で折り合わなかったりするため難航することもありますが、同じ会社で再就職できれば職探しの手間が省けます。
収入を確保できる
嘱託社員として継続して働けるので、年金以外の収入を確保できます。年金などに不安がある場合には心強い支えとなります。定年前の正社員の時よりは収入が減ってしまうかもしれませんが、定年後の収入として助かる面があります。
社会との関わりややりがいとなる
定年後にそのまま仕事から離れてしまうと、社会との関わりが薄れてしまったり、生きがいや仕事のやりがいを感じられなくなったりしてしまい、時間を持て余してしまうこともありますが、嘱託社員として働き続けることで社会との関わりを保ち、仕事のやりがいを感じることができます。人間関係の面でもメリットがあります。
同じ企業での勤務であれば働きやすい
定年前に働いていたのと同じ会社で嘱託社員になれれば、同じ職場になるので働きやすいことがメリットです。定年後の再就職で新しい職場で働くようになると、新しい職場に慣れなければいけませんが、嘱託社員の場合は同じ環境で働ける場合があり、今までの知識・経験や人脈を活かせるのです。仮に子会社や関連会社での再就職でも、何らかのつながりがあれば全く新しい環境で働くよりは気が楽な場合があります。
労働日数や労働時間を調整できることがある
嘱託社員は正社員と同じ労働日数や労働時間となることもありますが、労働日数や労働時間が少なく、どれだけ働くかを調整できる場合があります。定年後に体力面で不安がある場合や、少し自分の時間を持ちたい場合は、自分の希望に合わせて働くことができます。
嘱託社員のデメリット
定年後の再雇用として働く場合の嘱託社員のデメリットです。
契約期間の定めがある有期雇用契約である
嘱託社員は、正社員とは異なり契約期間の定めがある有期雇用契約です。そのため契約期間が満了すれば労働契約は終了となります。労働契約が更新がされれば働き続けることができますが、更新されるとは限らないため、不安定な雇用形態となります。
正社員とは仕事内容が変わってくることがある
嘱託社員は正社員と同じような仕事内容となる場合もありますが、正社員とは異なる仕事内容となる場合や、正社員よりも責任が軽い位置づけとなることがあります。正社員との違いを感じてしまい、疎外感などから労働意欲が削がれてしまうような場合もあります。立場や地位も低い位置づけとなることがあり、定年後の働き方として受け入れがたいと感じることもあるかもしれません。
待遇は正社員ほどではない場合が多い
嘱託社員の給与などの待遇は正社員には及ばない場合があります。定年後の再雇用の場合は、出世や昇給といったこととは関係がなくなってきてしまいますし、収入面では物足りなさを感じてしまうことがあります。
まとめ
- 嘱託とは仕事などを任せる、ゆだねるという意味があり、嘱託社員は一般的には定年後などに再雇用されて働く社員のことを意味します。
- 嘱託社員は、正社員とは異なり雇用期間の定めがある有期雇用契約の労働者(非正規雇用)で、労働日数や時間は正社員より少ない場合があり、待遇も正社員には及ばないことがあります。