会社員(サラリーマン)のデメリット・リスク
記事作成日:2015年5月25日
最終更新日:2016年7月5日
会社員(サラリーマン)のデメリットやリスクについてです。会社員(サラリーマン)にはメリットも数多くあります。毎月同じ日に会社から給料が支払われます。取得率が低いと言われていますが有給休暇を取得できます。風邪をひいて会社を1週間休んでも会社はつぶれないでしょうし、給料はもらえます。仕事のミスはチームでカバーしてもらえます。社会保険だって健康保険や厚生年金保険、介護保険、雇用保険、労災保険などの保険料は事業主が相当な金額を負担します。周りには相談できる人がいるし、会社員であれば住宅ローンは組みやすいですし、クレジットカードの信用も得やすいです。しかし、会社員(サラリーマン)にはデメリット・リスクもあります。
スポンサーリンク
会社員(サラリーマン)のデメリット・リスク
会社員には有利な点が多いですが、それと引き換えに重大なデメリット・リスクを抱えています。
それは、自分の収入や時間など人生の重要な部分が基本的に会社に委ねられているということです。
仕事は人生の大事な時間
日本では会社員として働くのであれば、大学や高校を卒業後から働き始めて、年金が受給できる60歳代半ばくらいまで働くことになります。人生が約80年とするとその半分の40年が会社員人生となります。老後の生活も現役時代の稼ぎや人間関係、家族関係などが影響してくることを考えると、老後の生活にも会社員時代の過ごし方が影響してくることになります。つまり、会社員としての人生の過ごし方がその人の人生の過ごし方そのものになってくるということです。
会社員の収入の面でのデメリット・リスク
会社と労働契約を結んで働くわけですが、労働に関する規制はあっても基本的に経営者が優位となることに変わりはありません。自分の収入は基本的に経営者、会社の上司に委ねられることになります。
業績評価や人事評価は、客観的な評価が可能なものばかりではないため、人の好き嫌いの部分も意識的、無意識的に相当程度影響します。上司に嫌われてしまうと給料の査定に影響することがほとんどです。
また、自分の収入は会社の業績にも左右されます。自分がどれだけ高い業績を上げていても会社の経営が傾いていたら収入は増えないでしょう。会社の経営が傾くかどうかは経営者の手腕にかかっています。
なお、会社員であれば規模や業種などによって多少の違いはありますが、会社員の生涯賃金は相当幅がありますが1億円半ば~3億円が相場となります。2億や3億と言えば相当大きな金額に感じられますが、実際には税金や社会保険料が引かれるので手取りは少なくなります。資産運用や副業をしない限り、それ以上収入が増えることはありません。
副業が制限されている場合も
大企業で多いですが、就業規則で副業を制限している場合があります。そうなると働くことによる収入は勤め先でのものに限定されます。何か自分が儲かるアイデアがあってそれを試してみたいと思っても会社員のままでは実行に移すことができなくなります。
株取引が禁止されている場合も
インサイダー取引防止などの観点から金融系を中心に一部の企業では株取引が禁止されている場合や制限がある場合があります。通常は投資信託などは制限がかかっていませんが、資産運用の選択肢が狭められる場合があります。
会社員の雇用の面でのデメリット・リスク
雇用も収入と同じような関係になりますが、会社の業績に左右される場合があります。会社の業績は自分一人の問題ではなく、経営者の問題であることがほとんどです。
会社が倒産してしまった場合、通常は失業してしまいます。また、業績が傾いた場合にはリストラが実施される場合があります。リストラは会社の意向を基に進められます。単純に成果を挙げていればリストラされづらいというわけではなく、成果を挙げていても高給取りであればリストラ対象となる可能性もあります。
会社員の出世の面でのデメリット・リスク
昇給や昇格などいわゆる出世も会社の判断に委ねられています。出世には経営者か上司に高い評価をもらうことが必要となりますが、経営者や上司に気に入られるようにしないといけません。
経営者や上司との人間関係がこじれてしまっては出世できないでしょう。また、出世を判断する基準は会社ですから会社が自由に判断することができます。自分の努力では出世できないことがあるかもしれません。
会社員の住む場所に関するデメリット・リスク
小規模で事業所が本社1つしかない場合なら別ですが、ある程度の規模になると複数の事業所があると思います。会社が転勤を命じれば、通常は会社員は転勤しなければいけませんから、自分が住む場所も自分では決めることができないということになります。もちろんある程度の希望は聞いてもらえるかもしれませんが、最終的に判断するのは会社です。
住む場所を自分で決めることができないということは、休みの過ごし方を自分がやりたいようにできなくなる可能性がありますし、配偶者の働き方や生き方、子供などの教育環境にも影響を与えるかもしれません。
特に海外への転勤ということになれば影響は大きいでしょう。自ら望んだものであれば問題はないのかもしれませんが、望まない転勤だってたくさんあると思います。
会社員の時間の面でのデメリット・リスク
労働時間は会社と労働契約を結ぶ際に定められますが、通常は残業があります。労働時間は会社の意向に左右され、会社の繁忙期やトラブル発生時には対応のために残業をしなければいけなくなるでしょう。
上司の意向で帰りづらい、残業しなければいけないというような風潮も会社によってはあるかもしれません。多くの会社員にとっては、残業をするかしないかは自分の裁量では決定できず、自分の時間の使い方をコントロールすることは難しい場合も多いと思います。
会社員の休日の面でのデメリット・リスク
会社員には有給休暇がありますが、自分が思うように自由に取れるという人ばかりではありません。多くの会社員にとって有給休暇を取得する場合、会社の繁忙期を避ける、チーム内で調整する、上司に取り過ぎと思われないようにする、など自由に取れない空気があるはずです。
休む日も自分では自由に決めることができません。有給休暇の取得率は会社によってかなりばらつきがあります。
場合によっては休日出勤もあります。
会社員の人生のイベントでのデメリット・リスク
例えば両親の不幸や、男性の場合の配偶者(女性)の出産など人生のイベントに自分が立ち会いたいと思っても、会社員では仕事の都合でままならない場合があります。
労働時間内であれば、休暇を取得しなければ会社に拘束されます。休暇も必ずしも思い通りに取得できるわけではありません。
会社員の仕事の進め方に関するデメリット・リスク
どんな仕事をするかや、仕事の進め方も会社が決定します。もちろん意見を述べる機会もあると思いますが、最終的に会社の業務は会社が決定します。
会社の意向次第では自分がやりたくない仕事をやらされるかもしれませんし、仕事の進め方も自分が良いと思った方法ではなく会社が命じた方法でやらなければならないかもしれません。
会社員の気持ちの面でのデメリット・リスク
会社では、法律には触れていなくても、倫理的あるいは道徳的に問題があるような行動を求められるような場面もあります。自分の意に反してでも問題があるような行動を強制される場合があります。
場合によっては法令違反となる行動を求められる可能性すらあります。そのような場合には会社を辞めるのが筋だと思いますが、収入を会社に依存している場合、経験している仕事の幅が狭かった場合にはすぐには転職できないかもしれません。
会社員の健康に関するデメリット・リスク
多く残業することを命じられた場合、健康を害するかもしれません。思うように休みが取れなくても、健康を害するかもしれません。意に反することを強制されると、心を病んでしまうかもしれません。
上司は基本的に絶対的な存在なので、上司からパワハラやセクハラと言われるような嫌がらせを受けても、助けを求められない状況に追い込まれるかもしれません。その場合、精神的に追い詰められてしまう可能性もあります。
会社員の能力・スキルの面でのデメリット・リスク
会社の業務範囲や会社の人事方針によっては、自分が業務の中で経験できることが著しく偏ってしまう場合があります。例えば、会社の中でしか通用しない固有の業務を中心に経験した場合には、社会人としての一般的な能力が高かったとしても、転職市場で即戦力として評価されるような業務経験がなく、転職を希望しても難しくなる場合があります。
まとめ
- 会社員(サラリーマン)にはメリットも多いですが、デメリット・リスクも多くあります。
- 会社員(サラリーマン)は会社に仕事内容や収入、住む場所などの運命を握られていることがデメリット・リスクです。