ハイリスクでノーリターンやローリターンの投資
記事作成日:2016年7月18日
最終更新日:2022年5月10日
ハイリスクでノーリターン、ハイリスクでローリターンのリターンが低くリスクが高い投資についてです。投資のリターンとリターンのばらつきの大きさを示すリスクは、普通はリターンが高くなるとリスクが高くなり(ハイリスクハイリターン)、リターンが低くなるとリスクも低くなる(ローリスクローリターン)という関係があります。
しかし、世の中には、リターンが低いのにリスクが高いというようなリスクとリターンのバランスが崩れてしまっているハイリスクノーリターン、ハイリスクローリターンの投資案件(金融商品)があるのです。そんな効率が悪い投資案件には投資するはずがないと思っているかもしれませんが、気づかないうちに投資をしていることもあります。
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ハイリスクノーリターン・ローリターンの投資案件
リターンが低くリスクが高い投資案件はリターンとリスクのバランスが崩れてしまっていてハイリスクノーリターン、ハイリスクローリターンの効率が悪い運用なので、投資すべきではありません。しかし、世の中にはリターンが低いのにリスクが高いような投資案件はたくさんあります。
リターンが低くリスクが高いハイリスクノーリターン・ローリターンの投資案件には主に4種類あり、架空・詐欺の投資案件、流動性が低いことや情報が限られているため価格変動が極端に大きくなってしまっている投資案件、投資戦略や投資手法が市場の動きに合っていない投資案件(ファンド・投資信託)、手数料が高い投資案件の4つです。
- 架空・詐欺の投資案件
- 価格変動が極端に大きい投資案件
- 投資戦略や投資手法が合っていない投資案件
- 手数料が(過度に)高い投資案件
架空・詐欺の投資案件
今も昔も架空の投資案件、詐欺の投資案件は後を絶ちません。上手い儲け話が向こうからやってくるはずがないので、おいしい話はないと思うしかありません。手口は様々ですが、リスクが低くてリターンが高いと謳い、出資や投資を勧誘します。
投資しても、お金を奪い取られるだけなのでノーリターンです。場合によっては、本物の出資・投資であると錯覚させるために、一部だけ配当金を出すような場合もありますが、疑わしい投資案件の誘いに乗ってはいけません。
何らかの理由で価格変動が極端に大きくなっている投資案件
市場での価格形成は必ずしも合理的ではない場合があるため、極端な値動きをしてしまうことがあります。市場での流動性が少ないため需給のバランスが崩れやすく大きな値動きをしやすいような投資対象資産や投資対象銘柄、投資対象の情報が極端に不足しているために合理的な価格形成が行われないような投資対象資産や投資対象銘柄などが考えられます。
本質的にリターンが低くリスクが高くなりやすいため投資には向いておらず、合理的な市場価格の形成が行われるようになるまでは投資対象と考えない方がお金を守ることができます。
投資戦略・手法が市場の動きに合っていない投資案件
投資信託などのファンドで採用されている投資戦略や投資手法が市場の動きに合っていないため、リターンが低くなってしまうような場合もあります。要はダメな投資信託です。
投資戦略や投資手法が根本的に市場の動きに合っていない場合は多少の改良では、リターンの改善が望めないこともあるため投資には向いていないと考えるべきです。
手数料が高い投資案件
普通のリターンとリスクの関係がある投資案件であっても手数料がたくさんかかってしまうとその分リターンが少なくなってしまうため、結果的に低いリターンと高いリスクの投資案件になってしまうことがあります。
手数料が高いことを十分に意識しないまま投資をしてしまっていることは案外多いので、リターンが低くリスクが高い投資案件に投資をしていないか注意する必要があります。
典型的な例は手数料が高い投資信託
投資信託には様々な種類があり投資対象の資産にも様々なものがありますし、投資戦略・手法にも様々なものがあります。投資信託の中には信託報酬などの手数料が低い投資信託もあれば、手数料が高い投資信託もあります。
インデックスに連動するのではないアクティブな運用を行う投資信託、特殊な資産に投資する投資信託、海外の運用機関が運用を行っている投資信託などは手数料が高くなる傾向があるので注意が必要です。
確かに信託報酬(運用管理費用)は資産運用に対する対価であって、手数料として正当なものかもしれませんが、リターンを得るためのコストがかかり過ぎている場合、リスクとリターンが見合わなくなってしまいます。
信託報酬(運用管理費用)が3%を超えるような投資信託もありますが、リターンが低下するため、低いリターンで高いリスクの投資案件になりやすいことに注意が必要です。手数料が高い投資案件はそれだけで不利な可能性があります。
見えづらい手数料にも注意する
投資信託の信託報酬は手数料率が明示されていますが、運用資産から引かれていき、投資家に別途直接請求されるわけではないため、体感しづらい手数料であると言えます。投資信託に限らず、他にも体感しづらい、見えづらい手数料が徴収されている投資案件はたくさんあります。
明確に手数料が徴収されない場合でも手数料が含まれている場合があることに注意しましょう。例えば外貨預金では日本円を外貨に換える場合に用いられる外貨を買う為替レートと外貨を日本円に換える場合に外貨を売る為替レートが異なっていてレートの差が金融機関の利益になる部分、実質的な手数料です。
また、貯蓄性がある保険がありますが、保険料の中に保険会社の利益が含まれているため、支払った保険料と保険料で運用した成果が被保険者にすべて戻ってくるわけではなく、実質的に手数料がかかっています。
手数料、費用を払っている実感がなくても、手数料を払っている場合があり、かつ、その手数料が相対的に高くなっている場合があるので、手数料の仕組みをよく理解することが大切です。
まとめ
- 世の中にはリターンが低くリスクが高いハイリスクノーリターン、ハイリスクローリターンの投資案件がありますが、運用の効率が悪いので投資は避けた方が無難でしょう。
- リターンが低くリスクが高い投資案件には、架空・詐欺の投資案件、価格変動が極端な投資案件、投資戦略・手法などが市場に合っていない投資案件、手数料が高い投資案件があります。