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機関投資家とは・強みや弱点などの特徴と個人投資家との違い

記事作成日:2019年5月7日

機関投資家とは、法令上は適格機関投資家という用語がありますが、一般的には個人などから集めた資金をまとめて管理・運用する法人等の投資家を意味します。「機関」とはエネルギーを変換する装置という意味のほかに、仕組み、組織、機構といった意味があります。

機関投資家には、信託銀行・信託会社(年金信託等)、生命保険会社、損害保険会社、年金基金、銀行、投資信託委託会社(投資信託)、政府系金融機関、農協、共済組合、財団、ヘッジファンドなどが含まれます。日本ではヘッジファンドを機関投資家に含めない考え方もあります。

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機関投資家の特徴(強み)

機関投資家の一般的な特徴として巨額の資金を運用するということが挙げられます。また、運用期間は長いことが多くなります。たくさんの情報が入ってくるということも機関投資家の特徴・強みです。

資金が豊富

一般的に機関投資家は巨額の投資資金を扱います。そのため売買金額が多くなり、市場に影響を及ぼす場合があります。例えば、時価総額が小さい資産や銘柄の投資では市場価格の形成に大きな影響を及ぼすことがあります。また、投資資金が多すぎる場合、一定規模以下の資産や銘柄には投資が困難な場合があります。

運用期間が長め

一般的に機関投資家は年金の資金や保険の資金などを運用するため、運用期間が長くなる傾向があります。短期売買を繰り返して値幅を取るというよりも、投資資産の本質的な価値に注目して中長期的な値上がりを狙うという投資手法が中心となる傾向があります。ヘッジファンドなどは短期的な価格変動を積極的に狙った投資を行うことがあります。

投資対象の資産が多様

機関投資家は、個人投資家では投資が難しいような資産クラスの資産に投資することができます。個人では投資が難しいような地域の資産、債券、オルタナティブ資産などの案件でも機関投資家は資金力があるため投資が可能となります。

そのため、リターンとリスクの特性が通常とは異なる値動きが多様な資産を組み合わせて分散投資することができるようになります。

投資手法が多様

一部の機関投資家は先物取引やオプション取引、スワップ取引など金融デリバティブなどを駆使して投資を行います。先物取引などを活用することによって、相場が上昇、下落、横ばいなどどのような状態にあっても投資機会とすることができるようになり、利益を上げられる可能性がでてきます。また、先物取引等によってリスクヘッジをしやすくなります。

情報量が多い

機関投資家は、証券会社などからレポートやデータなどの情報提供を受けられることから得られる情報が多いことが特徴です。また、アナリスト等を多数擁しているため、投資対象企業の取材も入念に行うことができます。資金力があるためニュースや情報、経済・市場データ等を提供する会社から情報等を購入することもできます。

情報やデータの分析能力が高い

機関投資家は集めたデータ等を分析する能力も高いことが特徴です。情報やデータの分析ツール等にお金を沢山投じることができますし、データ分析の専門家を多数擁することができるためです。また、資金が豊富であるため、外部の機関と連携して情報やデータの分析を行うこともあります。

投資に集中できる

機関投資家は投資をすることが本業、つまり仕事になります。個人投資家の場合は専業で投資を行っている場合もありますが、他の仕事をしながら投資をしていることもあります。機関投資家は投資をすることが仕事なので、投資を担当してる人は投資に専念しています。投資に集中することができるのです。

他人の資金を運用していることが多い

機関投資家は、自己資金を運用する場合もありますが、多くの場合は顧客などから預かったお金を運用しています。要は他人のお金を運用しています。他人の資産を運用しているため、厳格な規制がかかっていたり、顧客との間で詳細な運用ルールが定められたりしていることがあり、投資行動にも影響する場合があります。

パフォーマンスを上げることが求められる

機関投資家は運用期間は長期間ですが、短い期間ごとに一定の運用成績が求められます。機関投資家は通常は顧客から預かった資金を運用しているため、運用成績が悪ければ資金を引き揚げられてしまうからです。短い場合は3か月ごと、長い場合は半年や1年ごとの運用成績が意識されます。

相場から離れられない

機関投資家は個人投資家と違って相場から離れることができません。預かった投資資金は原則全額投資する必要があります(フルインベストメント)。「休むも相場」は機関投資家には通用しないのです。機関投資家は市場が急落しそうな場合などは一時的にキャッシュなどの安全資産に資金を引き上げることがありますが、ずっと引き上げたままということはないのです。

機関投資家と個人投資家の違い

機関投資家を個人投資家と比較した場合は次のような違いがあります。

機関投資家と個人投資家の違い
項目機関投資家個人投資家
資金多い少ない
投資期間長め短め
投資対象広い限定的
投資手法多様限定的
情報量多い少ない
分析能力高い限定的
時間投資に専念専念できない場合も
資金源他人資産自己資産

一般的な傾向を示したもので当てはまらない場合もあります。

(出典)fromportal.comの担当者が作成。

機関投資家は個人投資家と比べて、資金や情報量が豊富で、市場の分析能力も高くなっています。また、投資対象となる資産は広く、投資手法も多様です。本業としてやっているため、投資に十分な時間をかけることができます。運用している資産は他人のお金ですが、年金や保険のお金であるため、長期的な運用となる傾向があります。

機関投資家の弱点(主に個人投資家と比較した場合)

機関投資家は個人投資家よりも資金や情報量などで優れていますが、弱点もあります。機関投資家の弱点として、リスクを取りづらいことがある、投資銘柄に制約がある、機動力がない、常に市場で投資をしていなければいけない、パフォーマンスを求められるといったことが挙げられます。そのため、個人投資家でも機関投資家に運用成績で打ち勝つことは可能なのです。

リスクを取りづらいことがある

機関投資家は年金など中長期に安定的な運用が求められている他人の資産を運用しています。そのため、慎重な運用が求められるため、リスクを取ることができる場面でも、多くのリスクを取ることができない場合があります。また、ハイリスク投資はそもそも難しい場合があります(もちろんハイリスク投資が望ましいとは限りません)。

投資銘柄に制約がある

機関投資家は資産規模が大きいため、時価総額が小さい銘柄は価格に影響してしまう、換金しづらい(流動性がない)などの理由から投資できない、あるいは少額の投資しかできない場合があります。機関投資家では投資しづらい銘柄があるため、銘柄選択を上手く行えば、個人投資家が高い運用成績を上げられる可能性があります。

機動力に欠ける場合がある

機関投資家は、個人投資家と比べると、意思決定が遅い場合があるほか、運用資金が多いため売買の小回りが利かない場合があります。そのため、運用に機動性がない場合があります。迅速な投資判断を行うことができれば個人投資家は機関投資家よりも高い運用成績を上げられる可能性があります。

常に市場で投資をしていなければいけない

機関投資家は常に市場で顧客などから預かった資金を運用する必要があります。そのため、不透明感が強く先が読めないような相場、値動きに自信を持てない相場でも、運用をしなければいけません。しかし、個人投資家であれば、一旦投資資金を引き上げて、運用環境が良くなるまで休むこともできます。

パフォーマンスを求められる

機関投資家は、機関投資家同士で運用成績を競っています。運用成績が悪い機関投資家は顧客などに見捨てられてしまうからです。そのため、機関投資家は高い運用成績(パフォーマンス)を求められることがありますが、プレッシャーとなり、逆に慎重な投資行動を取ったり、おかしな投資行動を取ったりすることがあります。

まとめ

  • 機関投資家とは、個人などから集めたお金を運用する組織的な投資家のことを意味し、信託銀行、保険会社、年金基金、銀行、投資信託委託会社、ヘッジファンドなどが含まれます。日本ではヘッジファンドを含まないで考える場合があります。
  • 機関投資家の強みは、資金や情報が豊富で分析能力が高いということですが、リスクを取りづらい場合がある、常に市場で投資していなければいけない、運用の機動力に欠ける場合があるなどの弱点・弱みもあります。

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【機関投資家とは・強みや弱点などの特徴と個人投資家との違いの記事は終わりです】

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