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平均分散モデルとは・メリットとデメリット

記事作成日:2017年10月12日

平均分散モデル(平均分散アプローチ、平均分散法)とは、資産運用において各資産のリターンの期待値(平均値)と分散(標準偏差の2乗)に注目して、資産の組み合わせ比率・保有比率を決める方法です。実際には、いくつかの前提(制約条件)を置いた上で、あるリターン(期待収益率、期待リターン)の下でリスク(標準偏差)が最小となるような資産の組み合わせ比率を求めることになります(最適化)。

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リターンが同じならリスクが小さい方が望ましいという考え方

通常は同じリターンであれば、リスク(価格変動の大きさ)がより小さい投資方法が選ばれる傾向があります。例えば、2つの投資案件があり、1つめの投資案件Aは100円を投資すると絶対確実に200円になって戻ってきます。もう1つの投資案件Bは、100円を投資すると、50%の確率で400円になって戻ってきますが、50%の確率で1円も戻ってきません(つまり0円)。

この場合、どちらの投資案件も戻ってくるお金の期待値は200円(0×50%+400×50%=200)なので、期待される収益は100円(200-100=100)、期待収益率は100%(期待収益100÷投資資金100=1=100%)となります。慎重な人は同じリターンの期待値であるならばより確実にリターンを得たいと考えるため、確実に200円がもらえる投資案件Aを選ぶことになります。

資産運用においては、不確実なリターンよりもより不確実性が低いリターンの方が価値があると考えられており、同じリターンであればリスクが低い投資方法を選択するのが望ましいという考え方があります。この考え方に基づくと、同じ期待リターンの投資案件が複数あった場合には、より価格変動のリスク(標準偏差)が低い投資案件を選ぶことが合理的であると考えることになります。

平均分散モデル・平均分散アプローチでの資産配分の決定方法

平均分散モデル・平均分散アプローチは、投資する資産の組み合わせ方法(ポートフォリオ)を決める方法です。平均分散モデル・平均分散アプローチでは、ポートフォリオのリターンとリスクから、実際の資産の保有比率を決定するため、ポートフォリオのリターンとリスクを求める必要があります。

ポートフォリオのリターンとリスクを求めるためには、ポートフォリオに組み入れる資産のリターン(期待値)、リスク、資産間の相関係数を求める必要があります。

各資産のリターン、リスク、資産間の相関係数から、候補となる複数のポートフォリオのリターン(期待値)、リスクを算出し、最終的なポートフォリオを決定します。

  • 各資産の期待リターン、リスク、資産間の相関係数を計算する
  • 候補となる複数のポートフォリオの期待リターン、リスクを計算する
  • 期待リターンに対して最もリスクが低くなるポートフォリオを選択する

平均分散モデル・平均分散アプローチのメリット

理解しやすい

平均分散モデル・平均分散アプローチは投資理論の中でも比較的直感的に理解がしやすく、親しみやすい方法であると考えられます。同じリターンなら、リスクが小さい方がいいという考え方は単純明快です。

計算がしやすい

平均分散モデル・平均分散アプローチのメリットの1つに計算がしやすいということが挙げられます。投資理論は、複雑な計算が必要と考えがちですが、平均分散モデル・平均分散アプローチによるポートフォリオの資産配分比率(アセットアロケーション)の決定方法は比較的容易に計算ができます。

平均分散モデル・平均分散アプローチに必要な、ポートフォリオのリターン、リスクは比較的容易に計算でき、エクセルなどの表計算ソフトでも一定のリターンの下でリスクが最小となるポートフォリオの組み合わせの決定はソルバーの機能を使うことによって分析が可能だからです。

専門的なソフト、アプリケーションなどを必要とせず、自分で計算ができることは大きなメリットです。

平均分散モデル・平均分散アプローチのデメリット

求めるリターンの水準をどう決めるか難しい

平均分散モデル・平均分散アプローチでは、各リターンの水準ごとに最もリスクが低くなる資産配分の組み合わせ方があります。つまりリターンを自由に変化させられるのであれば、資産配分の組み合わせの選択肢は無限となります。そのため、どのくらいのリターン(期待値)を求めるのか決定しないと、ポートフォリオを決定できないことになります。

効用関数を用いて望ましいリターンとリスクを求める

そこで最終的なポートフォリオを決定するために効用関数が用いられる場合があります。効用関数を用いる方法では、リターンが大きくなるほど望ましいものの、リスクが大きくなると不確実性によって投資の満足度(効用)が下がると考えて、リターンとリスクの関係から満足度(効用)を求める関係式を求めて、ちょうどよいリターンとリスクを求めます。

効用関数の例

例えば、平均分散モデル・平均分散アプローチでは次のような効用関数が用いられます(一部分かりやすくするため簡略化しています)。

(効用)=(期待リターン)-(1/リスク許容度)×(標準偏差の2乗)

この効用関数では、期待リターンが高まるほど資産運用の効用(満足度)が高まります。しかし、リスク(標準偏差)が高まるとその分だけ効用が損なわれていきます。しかし、リスクに対する受け止め方は人それぞれなので、リスク許容度によってリスクの影響を調整しています。

効用関数ではどこまでリスクの上昇を許容できるかということをリスク許容度を関係式に盛り込むことで、ちょうどよいリターンとリスクの数値を求めることができます。

リスクを受け入れられる人(リスク許容度が高い人)はリスクが高まっても期待リターンが高い方が良いという結果が導かれ、リスクを受け入れられない人(リスク許容度が低い人)はリスクが高まると期待リターンに対する満足度が下がるため、期待リターンが低くてもリスクが低い方が良いという結論が導かれます。

リスク許容度の数値化や効用関数の設定は客観的にできない

リスク許容度や効用関数を用いた方法は一見合理的に見えるのですが、仮定・前提の上に成り立つ恣意的な方法でもあります。リスク許容度は数値化されますが、自分のリスク許容度はいくつか、なんてことは数値化が容易にできるものではありません。また、効用関数はあくまで想定したものであって、都合よく作られているものにすぎまず、一つの仮定に過ぎません。

効用関数を用いたポートフォリオの決定は判断の参考にはなりますが、客観的なものであるかと言えば必ずしもそうではないのです。

リターンの期待値(期待リターン、期待収益率)の計算が難しい

平均分散モデル・平均分散アプローチでは各資産のリターンとリスク、各資産間の相関係数が重要になります。リスクや各資産間の相関係数は過去の実績値を使って求めることが一般的ですが、期待されるリターン(期待収益率)は単純に過去の実績値を使って求めるのは不適切である場合があります。

各資産の期待リターンの求め方には、過去の実績値をそのまま使う方法(ヒストリカル法)、いくつかのシナリオを作成して求めるシナリオ法(シナリオアプローチ)、ビルディング・ブロック法(ディマンドサイドアプローチ:投資家側からのアプローチ)、配当割引モデルなどによる方法(サプライサイドアプローチ:企業側からのアプローチ)などがあります。

しかし、将来の期待リターンを求めることは困難で、あくまでも前提・仮定を置いた上での推計になります。理論的なようで、主観的な要素がかなり混じってしまって客観性を欠くことがあるのです。

まとめ

  • 平均分散モデル(平均分散アプローチ、平均分散法)とは、資産運用において各資産のリターンの期待値(平均値)と分散(標準偏差の2乗)に注目して、資産の組み合わせ比率・保有比率を決める方法です。
  • 平均分散モデル(平均分散アプローチ、平均分散法)は、分かりやすく、比較的計算がしやすいことがメリットですが、期待リターンの推計などで客観性・合理性を欠いてしまう場合があり、結局は主観的な推計に陥りがちであることがデメリットです。

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【平均分散モデルとは・メリットとデメリットの記事は終わりです】

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