生活に役立つお金の知識と情報です。
※本サイトは広告を掲載しています。

金融政策とは

記事作成日:2015年8月21日
最終更新日:2022年5月7日

金融政策とは

金融政策とは、中央銀行の金融に関する政策です。政策金利の変更や市場での国債の売買、準備率の変更などによって、金融環境を調整します。金融緩和とは、政策金利を引き下げる、市場で国債の購入を行う、準備率を引き下げることで、金利が低下します。金融引き締めとは、政策金利を引き上げる、市場で国債の売却を行う、準備率を引き上げることで、金利が上昇します。

スポンサーリンク

金融政策の目的

多くの場合、金融政策は物価の安定を最大の目標とします。物価が急激に上昇すると、賃金の上昇が追い付かず国民生活が混乱するためです。

また、物価が急激に変化すると物やサービスの適正価格が分からなくなり割高な価格で商品を買ってしまったり、割安な価格で商品を売ってしまったりして損をする人も出てきます。

将来の予測が困難になるので、お金の使い方や貯金などの行動が合理的にできなくなります。

更に、物価上昇時は現金を持っていると損をし、物価低下時は借金をしている人が損をするため、資産保有状況によって不公平が生じることになります。そのため、物価の安定が経済の安定につながるため、中央銀行は物価の安定を重要視します。

そのほか、経済成長や雇用の安定、通貨価値の安定、国際的な資金移動の安定、金融システムの安定などが金融政策の目的として重視されます。

金融緩和とは

金融緩和とは、政策金利の引き下げ(利下げ)、国債等の購入による資金供給、準備率引き下げによる流動性の供給(貸出促進)などを指します。金融緩和により金利が低下します。

金融緩和により、市場の金利が低下するため、企業は借り入れなどで資金調達を行っても利息負担が少なくて済み、設備投資などが増えて、経済活動が活発化します。

金融緩和は、株価の上昇要因、金利の低下要因(債券価格の上昇要因)、自国通貨安要因(円安要因)、物価上昇要因となります。

金融引き締めとは

金融引き締めとは、政策金利の引き上げ(利上げ)、国債等の売却による資金吸収、準備率引き上げによる流動性吸収(貸出抑制)などを指します。金融引き締めにより金利が上昇します。

金融引き締めにより、市場の金利が上昇するため、企業は借り入れなどで資金調達を行うと利息負担が多くなるため、設備投資などが手控えられるようになり、経済活動が停滞します。

金融引き締めは、株価の下落要因、金利の上昇要因(債券価格の下落要因)、自国通貨高要因(円高要因)、物価低下要因となります。

金融政策の手段

金融政策には主に3つの手段があります。

政策金利の変更

1つ目は政策金利の変更です。中央銀行は市場への資金供給を変化させることなどによって操作がしやすい金利を政策金利とし誘導目標を設定します。公開市場操作などを用いて、政策金利の指標となる金利を誘導目標に近づけていきます。

政策金利は、短期の金利が用いられることが多く以前の日本では無担保コールレートのオーバーナイト物が利用されていました。政策金利を上げたり下げたりすることで、他の期間の金利も影響を受けるため、市場の金利を動かすことができます。

公開市場操作

2つ目は公開市場操作です。中央銀行は市場で国債などを売買することで資金供給量を調整することにより金利を動かす方法です。近年では政策金利の変更以外に、中央銀行による資産買い入れも金融緩和の有力な手段となっています。

市場から国債などを買い入れることで中央銀行は国債を受け取る代わりに資金を渡すため資金供給量が増えます。資金供給量が増えると、お金を入手しやすくなるので金利は低下します。また、国債を中央銀行が買い入れることで国債需給が引き締まることも金利低下要因になります。

逆に市場に国債を売却すると中央銀行は国債を渡す代わりに資金を受け取ることになるため、市場から資金が中央銀行に吸い上げられ資金供給量が減ります。資金供給量が減ると、お金が入手しづらくなるので金利は上昇します。また中央銀行から国債が市場に売却されるので国債需給が緩むことも金利上昇要因となります。

準備率操作

3つ目は準備率操作です。準備率とは支払準備率、預金準備率などと呼ばれるもので、民間の銀行が預金の引き出しに備えて貸し出しなどに回さず準備して取っておかなければならない準備金の預金に対する比率です。預金の引き出しに備える準備金は日本では日本銀行に預け入れることになっています。

近年、日本では準備率操作による金融政策調整は行われなくなりましたが、海外では準備率を用いた金融政策調整を行っている国もあります。

準備金の比率を高くすると銀行が貸し出しなどに回せるお金が減ることになるため、資金供給量が減りお金を入手しづらくなるので金利が上昇します。逆に準備金の比率を低くすると銀行が貸し出しなどに回せるお金が増えることになり、資金供給量が増えお金を入手しやすくなるので金利が低下します。

まとめ

  • 金融政策は、中央銀行が政策金利の変更、公開市場操作、準備率の変更を行うことによって行われます。
  • 金融緩和とは、政策金利を引き下げる、市場で国債の購入を行う、準備率を引き下げることで、金利が低下します。金融引き締めとは、政策金利を引き上げる、市場で国債の売却を行う、準備率を引き上げることで、金利が上昇します。

スポンサーリンク

【金融政策とはの記事は終わりです】

「資産運用|お金を増やす」のページに戻る



SNSでシェア・ブックマーク・後で読む

Twitter Facebook LINE はてな Pocket
最近よく読まれているページ
家計・節約のおすすめページ

ページの先頭へ