積立投資とは・メリットとデメリット
記事作成日:2020年4月1日
最終更新日:2022年4月27日
積立投資とは、毎月など定期的に一定金額の株式や投資信託、金などの投資商品を購入していく投資手法のことを意味します。少ない金額から始めることができ、毎月一定金額が自動的・強制的に投資されていくために資産形成に役立つ場合があります。また、定期的に購入するため時間分散効果があります。
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積立投資のメリット
積立投資のメリットとして少額から始められる、強制的・定期的に投資ができる、時間分散ができる、手間がかからないといったことが挙げられます。
比較的少額から始められること
積立投資は比較的少額から始められるため、手元にまとまったお金がないという場合でも始めやすいことがメリットです。少額であれば家計への影響も少ないため続けやすくなります。また、少額ずつ投資していけば投資への抵抗感を和らげることができます。少しなら失敗しても大丈夫、と考えることができ、気軽に始めることができるのです。
強制的・定期的に投資ができる
積立投資の大きなメリットが一度始めたら定期的に強制的に投資が行われ、資産が貯まっていくということです。積立貯金などでも同じことが言えますが、定期的に一定金額を積み立てていく積立投資は投資の成果が振るわなかったとしても、時間が経てばある程度まとまった資産となるため、資産形成に役立つと考えられます。
時間分散ができる
積立投資は、定期的に投資対象を購入していくため、時間分散をすることができます。投資対象の価格が変動しても定期的に購入していくため、購入価格がならされて平均的な価格となるため、平均で見ると高過ぎず、安過ぎない価格で購入することができます。つまり平均的にみれば、極端な高値掴みをしなくなるのです。いわゆるドルコスト平均法と呼ばれる手法です。
自動的に投資ができ手間がかからない
積立投資は最初に購入する手続きをすれば、基本的にはその後定期的に投資対象が自動的に買われていくため、購入の手続きの手間もありませんし、投資に時間をかける必要がなくなります。もちろん、投資対象の入れ替え・変更などをする場合もあるかもしれませんが、投資対象を頻繁には買えない場合、手間がかからないことが積立投資のメリットとなります。
投資判断を迷わなくていい
積立投資は一度投資を始めたら、定期的に購入されていくため、購入の都度今は投資に適した状況かどうかという投資判断をする必要がなくなります。投資するかどうかでその都度迷っていると結局買い時を逃してしまうこともありますし、あれこれと悩む結果決められなくなってしまったり、投資につかれてしまったりすることもあります。一度投資を始めたら投資判断に迷わなくても良いということは積立投資のメリットとなりえます。
相場の動きを追わなくてもいい
積立投資は一度投資を始めると、定期的に投資対象を購入していくことになりますが、忙しくて時間がないという場合は、敢えて相場の上げ下げを追わずに、長期的な視点でどっしりと構えて投資をするということも可能です。相場動向を日々追っていると相場の変動に振り回されて神経がすり減ってしまうこともありますし、時間も取られてしまいます。そのため、あまり相場を気にせず投資が継続できるという点は積立投資のメリットとなることがあります。
積立投資のデメリット
積立投資のデメリットとして購入手数料などが相対的に割高になる場合がある、少額から投資を始めた場合はまとまった金額の利益が出るまで時間がかかることがある、などが挙げられます。
購入回数が多くなる分手数料が割高な場合も
投資におけるコストは売買に関するもの(購入手数料)や保有に関するもの(運用管理費用)などがあります。このうち、購入時の手数料は売買代金に応じて発生する傾向がありますが、一度に多額の取引をした方が分割して取引した場合よりも取引手数料が割安になる場合があるため、一定期間ごとに購入する積立投資は一度に投資を行う一括投資と比べると同じ金額を投資した場合に手数料が割高になることがあります。
タイミングを無視して機械的に購入してしまう
積立投資は、定期的に買うことから、投資タイミングを考えなくても時間分散ができることがメリットですが、逆に考えると購入タイミングを吟味せずに購入してしまうというデメリットでもあります。意識して相場環境を監視して、売買を止める手続きをしない場合には、割高な場合でも積立投資で購入することになるため、適したタイミングを狙うことによる利益は得られなくなってしまいます。
少額投資の場合は利益を上げるまで時間がかかる
積立投資は最初に多額の金額を一括で投資するのではなく、長い時間をかけて少額をコツコツと積み上げていきます。投資の利益は「投資金額×上昇率」なので、積立投資は投資金額が増えるまでは目立った利益を上げられないことがあります。最初は利益が上がらないので、まとまった利益が上がるまでに面白味を感じられずに積立投資をやめてしまうこともあります。積立投資は少額の積み立てで始めると利益を上げるまで時間がかかることがあるのです。
時間分散により大きく儲けることは難しい
時間分散は、時間をずらして定期的に投資対象を購入していくため、投資時期の違いによる価格変動リスクを中間的な大きさにならす効果があります。価格が高い時期、価格が低い時期に時間を分散して購入していくため、購入価格は時系列でみた場合に平均的な価格になります。購入価格の平均が高くなりすぎる危険は減りますが、購入価格の平均が安くなりすぎる可能性も減ります。そのため大きな値幅を期待しづらくなることがあるのです。
時間分散は資産の本質的なリスクを低減しない
時間分散は、購入タイミングの違いによる価格変動リスクを中間的な大きさにならす効果がありますが、投資対象が備えている本質的な価格変動リスクを無くすわけではありません。価格変動リスクが高い株式と価格変動リスクが低い債券があった場合に、積立投資で株式に投資したとしても、株式そのものが備えている価格変動リスクの高さがなくなるわけではありません。
放置してしまいがち
積立投資は、購入の都度投資判断をしなくても良い、投資環境を調査しなくても良い、時間がかからないといったことがメリットになりますが、簡単で手間がかからない分、関心が薄れてしまい放置をしてしまうことがあります。もちろん、何も考えずに放置してほったらかしにする投資も考え方の一つですが、いつの間にか資産が大きく減っていた、思ったほど増えていなかった、という結果になってしまう恐れもあります。
まとめ
- 積立投資とは、毎月など定期的に一定の金額ずつ株式や投資信託などを購入していく投資方法です。
- 積立投資は、少額から始められ、継続することによりまとまった金額を自動的・強制的に投資できることがメリットです。