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リスク許容度とは・リスク許容度に影響する要因

記事作成日:2019年3月9日

リスク許容度とは、投資をする上でどの程度収益(リターン)の変動(リスク)を受け入れることができるか、投資の損失(マイナス)をどの程度までなら受け容れることができるかという程度・度合いを意味します。投資では高いリターンを求めようとするとリスクが高まるため、リターンとリスクをどのように考えるかが重要になります。

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リスク許容度とは

リスク許容度とは、投資において資産の配分を決める際に用いられる概念で、投資をする上でどの程度投資資産の価格変動のリスクを受け入れることができるか、投資によって生じる可能性がある損失(マイナス)を受け入れることができるかの程度を示したものです。

リスク許容度が高い場合は積極的に投資のリスクを取ることができ高いリターンを追い求めることができ、収益性を重視した投資を行うことができます。リスク許容度が低い場合には投資のリスクを抑え、低いリターンで我慢する代わりに、安全性を重視した投資を行います。

現代ポートフォリオ理論において、平均分散アプローチで資産配分を決める際に効用関数の中で数値化したリスク許容度を利用することがありますが、リスク許容度を適切に数値化することが難しいという問題があります。

リスク許容度と投資

リスク許容度が高いほど投資でリスクを取ることができ、リスク許容度が低いほど投資でリスクを取りづらくなります。リスクを調整する方法としては、投資する資産を変える、投資する金額を変えるなどの方法があります。

投資する資産を変える方法は、リスクが高いとされる株式などに投資するのではなく、リスクが低いとされる債券などに投資をすることです。投資する金額を変える方法は、自分の資産のうち50%を投資に振り向けていたのを10%に減らすといったように、投資金額を調整することでリスクを変えることです。

リスク許容度が高い場合には、自分の総資産のうち投資が占める割合を引き上げる、ハイリスクな資産への投資を増やすことで高いリターンを目指すことができる場合があります(ただしリスクも上がります)。リスク許容度が低い場合には、自分の総資産のうち投資が占める割合を引き下げる、ローリスクな資産への投資を増やすことでリターンを犠牲にする代わりに、リスクを減らすことができます。

リスク許容度に影響する要因

リスク許容度の高低に影響する要因には次のようなものがあります。

リスク許容度に影響する要因
要因リスク許容度の傾向
高い低い
年齢低い高い
運用期間長い短い
運用目的余裕資金生活資金
資産規模多い少ない
資産構成金融資産中心実物資産中心
負債少ない多い
収入多い・安定少ない・不安定
雇用安定不安定
支出少ない多い
家計収支余裕がある余裕がない
経験知識多い少ない
家族構成扶養家族あり扶養家族なし
性格楽観的心配性

(注)あくまで傾向を示したもので、状況によっては上記と異なる場合があります。

リスク許容度と年齢

年齢が若いほどリスク許容度は高くなり、年齢が高くなるほどリスク許容度が低くなります。年齢が低いほど色々な意味でやり直す機会がある、挽回する時間があるため、多少失敗しても取り返すことができるからです。定年によって収入が減る時期まで時間があるため働くことによって稼ぎ、損失を補うことができます。

一方、年齢が高くなるとやり直しが難しくなるためリスクを取りづらくなります。特に60代の定年の時期を過ぎると働くことによって稼げる金額が少なくなるため、大きな損失を出すと金銭面で苦境に陥る可能性が高くなります。

リスク許容度と運用期間

資産運用の期間が長くなるほどリスク許容度は高くなる傾向があります。資産運用の期間が短いと逆に短期間で大きく稼ぐためにリスクを取ろうとする投資行動をする場合がありますが、運用期間が短いと挽回する時間があまりないため資金計画が破綻する可能性があります。

例えば、3年後に大学の入学費や授業料に充てようと思っているお金を高いリスクにさらしてしまうと失ってしまった場合に挽回する時間が無くなってしまいます。このような場合は安全性を重視して運用した方がライフプラン上は有益である可能性が高いです。

リスク許容度と運用目的

余裕資金で純粋に資産形成を行う場合にはリスク許容度は高くなりますが、教育資金や老後資金など何らかの支出目的があるお金、すなわち生活資金の場合にはリスク許容度は低くなります。

なくなってしまっても直ちには困らないお金はリスクを取りやすいですが、使いみちが決まっているお金は無くなってしまうと困るためリスクを取りづらいのです。生活のために絶対必要なお金は安全性を重視して運用する必要があります。

リスク許容度と資産規模

資産が多くなるほど一般的にリスク許容度は大きくなります。資産が増えると多少の損失を出しても困る可能性が少なくなるからです。例えば、1億円ある人は半分資産を失って5,000万円の損失をだしてもまだ5,000万円あります。5,000万円は大きな金額なのでだいぶ減ったとしても、まだお金はあります。

資産が少ない人、例えば100万円しか資産がない人は半分失うと50万円の損失となり50万円が残ります。損失の50万円は5,000万円よりは少ないですが、残った金額50万円は心もとない金額です。資産が少ないとリスク許容度は小さくなります。

ただし、考え方によってはリスク許容度が逆になる場合もあります。少ない資産だから失っても問題ないと考えればリスク許容度は大きくなりますし、大きな資産だから失いたくない、損失の絶対額が大きくなると考えればリスク許容度は小さくなります。

リスク許容度と資産構成

金融資産が中心の資産構成の場合は換金しやすく流動性が高いためリスク許容度が高くなる傾向があります。一方、不動産や美術品などの実物資産が中心の資産構成の場合は換金がしづらく流動性が低いためリスク許容度が低くなる傾向があります。

例えば、資産が住宅ローンで購入した自宅の場合は資産が自宅でかつ住宅ローン付きの不動産であるため換金は難しく、資産面で余裕がないためリスク許容度は小さくなります。

特殊な例としては、従業員持ち株制度で勤務先の株式を大量に保有している場合は、労働収入の依存先と資産である株式の裏付けが同じ勤務先の会社となり、著しくリスクが偏ることになるため、リスク許容度は低くなると考えられます。

リスク許容度と負債

住宅ローンや教育ローン、奨学金、カードローン、キャッシングなどによる借金(負債)がある場合には、リスク許容度は低くなると考えられます。負債の金額が大きければ大きいほど、負債の資産に対する割合が大きいほど(借金の存在感が大きいほど)リスク許容度は下がります。負債が少ないか、全くない場合にはリスク許容度は大きくなると考えられます。

お金を継続的に返さなければいけない状況では、そもそも投資をする余裕はあまりないと考えられますが、投資によって資金を失ってしまうと返済が上手くいかなくなり、生活などに大きな影響が出てしまう場合があります。

リスク許容度と雇用

公務員として働いている、勤務先の業績が安定している、正社員として雇用されているといったように雇用の不安がなく、雇用が安定しているという場合には収入も安定しているはずですから、リスク許容度は高くなります。収入の見通しが立ちやすいので投資でお金を失っても労働収入で補えるからです。

一方、勤務先の業績が不安定である、契約社員やパート社員など非正規雇用であるといったような場合は雇用が不安定で、いつ職を失ってもおかしくないためリスク許容度は低くなります。

また、個人事業主など一部の経営者も事業の不安定さからリスク許容度が低くなることがあります。

リスク許容度と支出

支出が多いほどリスク許容度は低くなる傾向があります。また、将来の支出計画でお金の使いみちが決まっていて、使う予定のお金が多い場合もリスク許容度は低くなる傾向があります。

お金をたくさん使う必要があるのであれば、今あるお金を減らしてしまうと困ることになります。支出が多い場合は収入が多くてもすぐになくなってしまうため損失を出すと挽回が難しくなります。

また、将来使いみちが決まっているお金は減らしてしまう訳にはいきません。結婚資金、教育資金、住宅取得資金、介護資金、老後資金などお金を使う予定がある場合はお金を減らすと困る可能性があります。

リスク許容度と家計収支

家計の収支状況が良くない場合、例えば赤字の場合や黒字が少ない場合はリスク許容度は低くなります。大きな損失を出してしまうと家計が破綻してしまう恐れがあるからです。リターンは犠牲になりますが、慎重な資産運用によってお金を減らさないような工夫が重要ンあります。

家計の収支状況が良い場合には、投資で損失を出したとしても家計のやりくりによって補うことができるため、ある程度積極的にリスクを取ってリターンを追い求めても何とかなる場合もあるため、リスク許容とは高くなる傾向があるのです。

リスク許容度と投資の経験や知識

投資の経験や知識が豊富な場合にはリスク許容度は一般的に高くなると考えられます。もちろん、投資は経験や知識があっても儲かるとは限りませんが、経験や知識があることによって投資のリスクを理解し、リスクを抑えやすくなるため、経験や知識がない人よりもリスクを取りやすくなるのです。

投資の経験や知識がない人が、良く分からないまま金融商品に投資をして、損失が出てしまう大きなリスクをとってしまっているような場合もあります。投資のことが良くわかない場合は慎重な投資を行い出す必要がない損失を避けるようにすることも大切です。

リスク許容度と家族構成

養うべき家族がいる場合にはリスク許容度は低くなります。配偶者(妻や夫)がいる、子どもがいる、生活の援助をしている両親などの親族がいるといったような場合には、投資で大きな損失を出してしまうと身近な人にも迷惑をかけてしまう恐れがあるため、慎重な運用が求められるようになり、リスク許容度が低くなるのです。

投資で損失を出してしまった場合、家族を扶養することができなくなり、家族関係にひびが入ってしまう場合さえあります。特に家族間で十分な相談や説明をしないままハイリスクな投資を行って大きな損失を出してしまった場合、不信感を生み出してしまうことさえあります。

リスク許容度と性格

心配性な人はリスクが高い投資に向いておらず、リスク許容度は低いと考えられます。株価の値動きが気になってしょうがないような場合、損失を出してしまうと大きなショックを受けてしまう場合、心配性な場合などはリスクが高い投資をすると精神的な負担が強くかかり、冷静な投資判断が出来なくなる可能性があります。

おおらかな性格、楽観的な性格の場合は、リスク許容度は高くなると考えられます。楽観的過ぎるのも問題がある場合はありますが、心配しすぎも体に良くないのです。

まとめ

  • リスク許容度とは、投資をする上でどの程度投資のリスクを受け入れることができるか、損失が出ることをどの程度受け入れることができるかを示したものです。
  • リスク許容度を左右する要因としては、年齢、資産運用の目的、資産、収入、投資の経験や知識、性格などがあります。

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【リスク許容度とは・リスク許容度に影響する要因の記事は終わりです】

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