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投資はトータルリターンとリスクで考える

記事作成日:2015年8月19日
最終更新日:2022年5月16日

投資はトータルリターンとリスクで考える

トータルリターンとは投資から得られる全ての収益でキャピタルゲインとインカムゲインが含まれます。投資の運用成果はインカムゲインとキャピタルゲインを分けで考えるのではなく、全てを含めたトータルリターンで考えなければいけません。安定的な収入を得る場合にはインカムゲインに注目して投資するというようなことが言われる場合がありますが、必ずしも適切だとは言えない場合があります。インカムゲインがあれば安定的な収益になるとは限りません。

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トータルリターンとは

トータルリターンとは投資から得られる全ての収益でキャピタルゲインとインカムゲインが含まれます。キャピタルゲインとは資産価格の変化によって得られる収益で、インカムゲインとは資産を保有していることによって得られる収益で利息や配当金、家賃などがあります。配当などによるインカムリターンがプラスでも、価格変動によるキャピタルリターンがマイナスとなってしまい、トータルリターンがマイナスということがあります。手元に配当金などでお金は入ってきていても、実はトータルリターンがマイナスというような状況も考えられます。

運用成績はトータルリターンで判断する

老後の生活資金のためにインカムゲインが得られる資産に投資しようとか、不労所得のためには安定的なリターンが必要なのでインカムゲインが得られる資産に投資しようというようなことが言われることがあります。

例えば、資産運用の方法として不動産を取得して賃貸経営を行うという方法があります。不動産投資では、家賃収入が得られるため毎月一定の収入が期待できます。ただし、家賃には空室リスクや家賃が下がるリスク、支払いが滞るリスクがあり、安定した収入になるとは必ずしも言えない部分もあります。

また、家賃収入が得られても、賃貸している不動産の価格が下落してしまった場合には、全体では損をしている可能性があります。家賃収入で得られる金額以上に、不動産価格が下落してしまえば、家賃収入の分を帳消しにしてしまいます。

賃貸している不動産は売却しないから値下がりは気にしないと考えていたとしても、値上がりしていれば売却することで家賃収入以上の利益が得られる可能性があったかもしれません。

インカムゲインだけに注目してしまうことで、トータルリターンに意識が向かなくなってしまい、損をしてしまうか、得られるはずの利益を逃してしまうことになりかねません。

株式投資でも同様です。配当金や株主優待に着目することは悪いことではないのですが、インカムゲインはプラスでも、キャピタルゲインがマイナスになってしまい、トータルリターンがマイナスでは投資としては失敗していることになります。

投資はリスク(標準偏差)で考える

インカムゲインなら安全とか、インカムゲインで安定収入という考え方も必ずしも適切ではないことがあります。インカムゲインであれば毎月安定的にお金が得られるようにも思えますが、インカムゲインだから安定しているのではなく、資産の本質的なリスクの内容によって収益が安定するかどうかが決まります。

資産運用によって安定的な収益を上げたいのであれば、インカムゲインや毎月の収入に拘るのではなく、期待されるトータルリターンの水準とトータルリターンの変動度合いを示すリスク(標準偏差)の大きさに注目することが大切です。

リスクが小さい資産への投資を多めにして、運用資産全体のリスクを抑えることで、トータルリターンをある程度安定させることができます。

キャピタルゲインは変動が大きいから安定的な資産形成に向かないかといえばもちろんそんなことはありません。リスクが低い資産を多めに保有したり、相関が小さい資産同士を組み合わせたりすることで、資産全体の価格変動を抑えることによって、収益の安定性を高めることができます。

まとめ

  • 投資の成果はキャピタルゲインとインカムゲインに分けて考えるのではなくトータルリターンで考えます。
  • 安定した収益を上げたい場合は、インカムゲインに拘るのではなく、トータルリターンのリスク(変動度合い)を抑えることが大切です。

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【投資はトータルリターンとリスクで考えるの記事は終わりです】

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