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投資の種類

記事作成日:2018年12月13日
最終更新日:2022年5月23日

投資の種類

投資の種類は大きく分けると、金融資産への投資、実物資産への投資、自分の事業への投資、自己投資があります。金融資産への投資には、株式、債券、通貨、商品(コモディティ)、投資信託などへの投資があります。実物資産への投資は不動産、金などへの投資があります。自分の事業への投資は、自らが個人事業主や会社経営者として行う事業にお金を投じることを意味します。自己投資には、教育投資、仕事の能力を高める投資があります。

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金融資産投資

現金、預金、株式、債券などお金そのものかお金を何かの形で得られる権利である金融資産への投資です。

預金(国内預金・外貨預金)

銀行などに対してお金を預ける預金も投資の一形態です。金利が高い時は預金でも預金金利が数%得られるため、十分な投資成果を上げることができます。ただし近年では日本の金利は著しく低いため、銀行などの金融機関に対する預金では殆ど利益が得られなくなっています。

外貨建てで預金を行うこともできます。外貨預金は国内預金よりも預金金利が高いことがありますが、外貨預金は外貨の価格変動リスクを負うほか、日本円から外貨、外貨から日本円に交換する時の手数料が高い場合があることなどに注意が必要です。

株式(国内株式・外国株式)

企業が発行する株式に投資して、株価の値上がり益(キャピタルリターン)や配当金や株主優待(インカムリターン)を狙います。企業の業績が良くなり、企業の魅力が高まれば株価の値上がりが期待できます。出資の一形態で、株式を保有すると株式会社から配当を受ける権利だけでなく、議決権の行使などを通じて経営に参加する権利を得ることができます。

株式には、大きく分けて国内株式、外国株式があります。外国株式には、アメリカ株式、中国株式などがあります。

株式投資には基本となる現物株式投資のほか、信用に基づいて投資金額以上の取引を行う信用取引、より少額から投資できるミニ株、定期的に一定額ずつ投資する株式累積投資、従業員が勤務先の会社の株式を購入する従業員持株会、従業員などが勤務先の株式を一定価格で購入できる権利を持つストックオプション、新規公開株式に投資をするIPOなどがあります。

債券(国内債券・外国債券)

債券とは国や企業などがお金を借りる時に発行する借用証書です。近年は基本的にペーパーレスなので債券の発行が行われないことが多いです。国や企業などが発行する債券に投資して、クーポン(利子)や満期時の償還金などを狙います。国が発行するものは国債、地方自治体が発行するものは地方債、企業が発行するものは社債です。個人向けの国債、地方債、社債などがあります。

債券には国内債券と外国債券があり、日本の個人投資家が投資しやすいのは当然ながら国内債券ですが、日本の金利水準は低いため、国内債券は投資妙味が薄い傾向があります。

通貨(外貨・外国通貨)

外国通貨(外貨)に投資を行うこともできます。単純に米ドルやユーロなどの外貨を購入して保有することも通貨投資の一種ですし、外国資産を購入することも通貨投資の一種となります。外国株式や外国債券、外貨預金、外国不動産など外貨建ての資産は外貨の価格変動リスクも負うためです。

FX(外国為替証拠金取引)も通貨投資の一種です。FXは少額の金額を元手に、元手以上の金額の取引が行える(レバレッジを掛けられる)ことから、ハイリスクハイリターンの投資となりますが、儲かった時の利益が大きいため一部の個人投資家に人気があります。ただし、読みを外した時の損失が大きいため、初心者にはお勧めできない投資方法です。

投資信託

株式や債券、不動産に直接投資するのではなく、投資家から集めた資金を運用する投資信託に投資する方法があります。投資信託とは、投資家から集めたお金を株式、債券、不動産などに投資する仕組みを持った金融商品で、ファンドとも呼ばれます。

株式に投資を行う投資信託

株式を中心に投資を行う投資信託を株式投資信託といいます。株価指数(インデックス)に連動するように投資を行うインデックス型投資信託(パッシブファンド)や、株価指数(インデックス)を上回る投資成果を目指すアクティブ型投資信託(アクティブファンド)などがあります。

債券に投資を行う投資信託(公社債投資信託)

日本では債券に投資を行う投資信託の1つに公社債投資信託があり、公社債のみに投資を行う投資信託を指します。MRFやMMFなども公社債投資信託の一種です。

商品(コモディティ)に投資を行う投資信託

金や原油などの商品(コモディティ)に投資を行う投資信託があります。金やプラチナなどは純金投資など実物資産投資を行う方法もありますが、個人投資家による原油や農産物などへの投資は難しいこともあるため、商品投資をしたい場合に投資信託が活用されることもあります。

ETF(上場投資信託)

ETFとは金融商品取引所に上場された、株価指数などに連動することを目指した投資信託のことを指します。ETFの連動対象は株価の指数のほか、債券の指数、商品(コモディティ)の指数など多様な種類があります。

ETFは上場されているため、取引がしやすいほか、価格の値動きが分かりやすく、手数料(運用管理費用(信託報酬)など)も低めであることから、投資の初心者におすすめと言われることが良くあります。

J-REIT

J-REITとは不動産投資信託のことで、J-REITに投資することによって実物不動産に投資したのと同じような効果を得ることができるため、不動産投資に良く活用されます。投資家から集めた資金をJ-REITが不動産に投資することによって、不動産から賃料収入などを得ます。J-REITによる不動産投資では、不動産から賃料が安定的に入るため分配金が安定しやすいことが魅力となります。

海外REIT

海外の不動産に投資をする不動産投資信託に投資をすることで、海外の不動産に投資したことを同じ効果を得られる場合があります。安定した分配金が得られることなどが魅力となる場合があります。

ヘッジファンド

ヘッジファンドとは先物取引などの金融デリバティブ(金融派生商品)などの取引手法を活用することでより高いリターンあるいは低いリスクを目指して運用が行われるファンドで、投資信託などとして投資できる場合があります。絶対的な収益を追求するようなものなど様々なものがあります。もちろん、投資信託としてではなく、ヘッジファンドに直接投資する場合もあります。

金融デリバティブ(金融派生商品)

金融デリバティブとは元となる資産(株式、債券、コモディティなど)を対象に将来の価格を取引したり(先物取引)、売買の権利を取引したり(オプション取引)、原資産から発生するお金の流れを交換したり(スワップ取引)するなど、派生した取引のことを意味します。

金融デリバティブは、リスクを回避(リスクヘッジ)するために用いられるほか、少額の投資でより高い投資効果を得る(レバレッジ効果)ために用いられます。

保険

個人年金保険などの貯蓄性がある保険を契約することも投資の一形態となります。貯蓄性がある保険への投資は通常の投資と比べると流動性が低くなること、保険会社の取り分があるため投資効率が悪くなることなどからあまりお勧めできませんが、生命保険料控除で個人年金保険料を所得控除することができる仕組みを活用すると高い利回りを得られる場合もあります。

また、保険への投資には貯蓄性がある保険への投資以外にも、生命保険や損害保険に連動する証券(保険リンク証券)への投資などもありますが、日本の個人投資家には一般的ではなく、投資も難しい部分があります。

税制優遇がある投資制度

税制優遇がある金融資産への投資制度としてNISAやiDeCoなどがあります。

NISA・つみたてNISA

NISAとはNISAの口座内で毎年一定金額の範囲内で購入した金融商品から得た利益に税金がかからなくなる制度(非課税となる制度)です。

つみたてNISAは、NISAと同様に利益が非課税となりますが、定期的に継続して購入する累積投資を対象としていて、非課税となる投資金額は少額ですが、非課税となる期間が長いことがメリットとなる投資方法です。

NISAとつみたてNISAは税制上の優遇があるため、個人投資家におすすめと言われることがある運用方法です。

iDeCo

iDeCoとは個人型確定拠出年金のことで、一定の金額を拠出し、自ら運用方法を指図して、資産形成を行っていく年金制度のことです。積立時の掛金、運用時の利益、受取時の所得に対して一定の税制上の優遇があるため、個人投資家におすすめと言われることがある運用方法です。年金を自分で準備するために用意された制度です。

実物資産投資

実物資産とは、金融資産以外の物で、基本的に形があり現実的に何らかの用途を持っているものです。

株式や債券、投資信託といったような金融資産ではなく、不動産などの実物資産に投資する方法もあります。有名な実物投資は不動産投資ですが、国際的な富裕層の間では美術品投資なども行われます。

不動産・インフラ

投資信託を通じて不動産に投資するのではなく、不動産に直接投資する投資方法です。個人の場合、アパート投資やワンルーム投資などが有名です。不動産投資には主に不動産投資は賃料収入を狙う場合と、不動産価格の値上がりを狙う場合があります。

賃料収入を狙う場合には不動産の入居者募集や管理などが重要となるため事業という側面が強くなる一方、不動産価格の値上がりを狙う場合は値上がりする物件の選定が重要になり金融商品投資に近い色彩を帯びます。

太陽光発電施設などインフラ施設に投資を行う場合もあります。

金・プラチナ

ETFなど金融商品化された金ではなく、実物の金に投資することも可能です。金の実物投資は実際に購入した金を金として引き出すことができることが魅力です。プラチナ(白金)なども実物投資が可能です。

美術品

日本ではあまり一般的ではなく、市場規模も小さいですが、国際的には富裕層の間で一定規模の美術品取引市場があり、美術品は投資対象であるとみなされています。

腕時計投資などの実物資産

高額な腕時計などの実物資産は投資対象とされることがあります。

自分の事業への投資

他人が行っている事業への投資は基本的に株式投資ですが、ここでは自ら行う事業への投資としての事業投資を指します。個人事業主あるいは会社経営者として、事業を行うことに投資することを意味します。

自ら事業を行うため、成功すれば莫大な利益を得ることができる場合もありますが、失敗すれば投資した資金を失ってしまう可能性もあります。

自己投資(自分への投資)

自己投資とは、自分にお金を使うことで自分のお金を稼ぐ能力を高めることを意味します。学校教育への投資、語学や資格の勉強への投資、仕事の能力を高めるための投資(書籍の購入、研修の受講など)などがあります。身体能力を向上させたり、健康状態を改善させたりするために使うお金も自己投資と位置付けることができます。

自分の子どもなど自分に近い人に対してお金を使うことも広い意味では自己投資の一種と考えることもできます。

他人の事業への参加

親族や友人・知人などの事業への参加も一種の投資となります。形としては、お金を貸す、出資する等が考えられますが、お金の貸し借りは反復継続の意志を持って行うと貸金業法の対象となると考えられ、個人間でお金を貸す行為については問題が生じる可能性があるためここでは除いて考えます。事業に参加する場合、株式の他にも持分(合同会社等)での参加もありうるため、株式投資と分けて位置付けています。また、いわゆるソーシャルレンディングも表面上お金を貸すようにみえる場合がありますが、貸金業法等との兼ね合いから基本的に投資の形をとっていると考えられます。

仮想通貨(暗号資産)

投資とは言い難い側面もありますが、仮想通貨(暗号資産)にお金を投じることも投資の一形態です。実質的に投機となってしまっているような場合もあります。

まとめ

  • 投資の種類は大きく分けると、株式などの金融資産への投資、不動産などの実物資産への投資、個人事業主などとして自ら行う事業への投資、自分への投資(自己投資)などがあります。
  • 投資方法によっては、税制面での優遇を受けられるものがあります。

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