国内債券投資のメリットとデメリット
記事作成日:2015年11月21日
最終更新日:2021年11月16日
国債や社債、債券中心の運用をする投資信託などの国内債券投資のメリットとデメリットについて説明しています。国内債券に投資する方法は主に国債や社債など個別の銘柄に直接投資する方法と、国債や社債などに投資している投資信託に投資し間接的に債券に投資する方法があります。国債などに直接投資する方法と、投資信託で間接的に投資する方法では多少メリットやデメリットが変わってくることがあります。
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国内債券投資のメリット
国内債券投資のメリットについてです。
価格変動リスクが低い
国内債券投資は、国債や社債などに直接投資した場合には、途中で換金・売却をしないで満期まで保有するのであれば、債務不履行とならない限り価格変動リスクが無いことになります。また、国債や社債などに直接投資場合に途中で換金・売却をする場合や投資信託で間接的に投資する場合でも、債券の価格変動リスクは株式と比べるとかなり低くなっています。
預金よりは利回りが高いことが多い
国内債券投資は、債券の種類や銘柄にもよりますが、通常の銀行などでの預金よりも高い利回りとなることが多くなります。そのため、安全な資産運用を行いたい場合には、リスクを抑えつつ預金よりも高い利回りが得られる債券は魅力的な投資対象となることがあります。
利回りや満期が確定している。
国内債券投資は、国債や社債などに直接投資した場合には、投資した時点で満期と満期時点までの利回りが確定します。そのため、資産運用計画を立てやすくなります。もちろん債務不履行となった場合には、利回りや満期が当初の予定から異なることがあります。
国債などに直接投資する場合でも途中で換金・売却を行う場合や、投資信託で間接的に投資する場合には、購入や売却のタイミングなどによって利回りや満期が変化します。
国内債券投資のデメリット
国内債券投資のデメリットについてです。
時期によっては買えないことがある
個人向けの国債や社債は、投資同士で売買を行う流通市場が発達していないことが多く、発行する時の募集でしか買えないような場合も多いです。そのため、国債などに直接投資する場合には、資産運用を行いたいと考えているタイミングで、望む銘柄が買えないという可能性があります。
なお、投資信託で債券に間接的に投資する場合には、通常は時期に縛られず投資信託の購入や売却を行うことができます。
個人では銘柄の選択の幅が少ない
個人向けの国債や社債は株式のように投資対象がバラエティに富んでいるわけではありません。そのため、銘柄の分散が難しいことがあったり、投資対象の選択の幅がなかったりすることがあります。
なお、債券を中心に運用する投資信託であれば、個人では購入できないような国債や社債を組み入れていることがあります。
社債は最低投資金額が高い場合がある
個人向け社債は最低投資金額が10万円のようなものもありますが、100万円といったものも多くあります。そのため、直接社債に投資しようと思った場合は、株式に直接投資する場合よりも必要な資金が多くなることがあります。
ただし、資産運用はある程度まとまった金額を運用しないと意味がないため、デメリットとは言えない側面もあります。また、債券を中心に運用する投資信託であれば少額からの運用が可能です。
流通市場が発達しておらず売却しづらいことがある
上場している株式であれば、売買するための流通市場が整備されていることから、価格変動に応じて自由に買ったり売ったりできて、値上がり益を追求することができます。
しかし国債や社債などの債券では流通市場が発達しておらず、値上がり益を狙うための売却が自由にできない場合が多いです。そのため、満期保有を前提とした投資が中心となり、償還差益は得られても値上がり益が得られない場合があります。 なお、債券を中心に運用する投資信託は自由なタイミングで売買ができます。
利回りは高くない
低金利の環境下では、債券の利回りは債務不履行となる可能性が比較的高いような債券などでない限り、低水準にとどまっていて投資をしてもほとんど収益が挙げられない場合があります。そのため、収益の面から投資をしてもしなくてもほとんど変わらないような場合もあります。
投資信託は低金利下でコスト倒れの危険も
投資信託で間接的に債券に投資する場合、投資信託には信託報酬などのコストが発生するため、低金利下で利回りが低いような場合には収益を投資信託のコストが上回ってしまう場合があります。
また、コストが収益を上回らなくても、収益が低い水準であればコストを差し引いた後にはほとんど利益が残らないということも考えられます。
償還されない可能性(信用リスク)がある
債券は発行体が危機に陥り、利息や償還金が支払われない信用リスクが存在します。仮に社債の発行企業が経営破たんした場合、利息や満期の償還金が支払われず元本割れとなる可能性があります。
投資信託で債券に間接的に投資する場合には、銘柄分散が行われていることが多くリスクが分散されているため、1社の債務不履行の影響が抑えられることになります。
まとめ
- 国債や社債などの国内債券投資は株式投資と比べると価格変動リスクが抑えられていることがメリットです。
- 一方で、国債や社債などの国内債券投資は株式投資と比べると通常は通常は利回りが低くなることがデメリットです。