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転換社債型新株予約権付社債(CB)とは

記事作成日:2019年9月8日

転換社債型新株予約権付社債とは、一定の期間内に一定の条件で社債を株式に転換することができる権利が付いた社債のことを意味します。昔は「転換社債」と呼ばれ、英語では「Convertible Bond」なので、現在でもCBと呼ばれることがあります。転換対象株式の株価が値上がりすると株式に転換することで株価の値上がり益を享受できます。転換対象株式の株価が値下がりした場合はそのまま債券として保有することで満期時に額面で償還を受けることができます。

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新株予約権とは

新株予約権とは、一定の期間内に会社の株式をあらかじめ決められた価格(権利行使価額)で購入することができる権利で、新株予約権を行使し、払込みを行うと株式が交付されます。権利は行使しないこともできます。

社債とは

社債とは、企業が資金調達の手段として投資家から債務を負う(借金をする)際に発行する有価証券で、投資家から資金の提供を受ける代わりに、発行期間中に利息の支払いと満期時点に元本の償還を行います。社債を保有している投資家は利払い日ごとに利息(クーポン)の支払いを受けることができ、満期日になると元本の償還を受けることができます。

新株予約権付社債とは

新株予約権付社債とは、新株予約権が付いた社債で新株予約権を行使すると株式を取得することができます。新株予約権付社債は大きく分けると、社債が株式に転換して手元に残らないもの(転換社債型新株予約権付社債)と、株式を取得しても社債が残るもの(狭義の新株予約権付社債)に分けられます。

転換社債型新株予約権付社債

転換社債型新株予約権付社債(Convertible Bond(CB)、旧転換社債)とは、社債部分と新株予約権部分は一体化していて分離譲渡はできない新株予約権付社債で、新株予約権を行使する場合は、社債部分の全額が償還されて払込みに充てられ、別途の払込みが必要ない仕組みとなっています。転換社債型新株予約権付社債は、社債が手元に残らず、株式を取得するため、社債が株式に転換する形となります。発行時に決められた転換価格で社債を株式に転換することができます。新株予約権を行使できる期間は決まっています。

狭義の新株予約権付社債(旧非分離型新株引受権付社債・非分離型ワラント債)

狭義の新株予約権付社債とは、社債部分と新株予約権部分は一体化していて分離譲渡はできない新株予約権付社債で、新株予約権を行使すると払込みをを行い株式を取得しますが、社債がそのまま残ることが特徴です。旧非分離型新株引受権付社債、非分離型ワラント債が該当します。日本ではあまり一般的ではありません。

新株予約権と社債の扱いで新株予約権付社債ではないもの

新株予約権付社債と似ていますが、一体化した新株予約権付社債とは扱われず、新株予約権と社債として別々に扱われるものです。

新株予約権と社債が分離可能なもの(旧分離型新株引受権付社債・分離型ワラント債)

新株予約権付社債に似ていますが、新株予約権と社債に分離できるため、新株予約権と社債が同時に販売されても新株予約権付社債と扱われないものがあります。旧分離型新株引受権付社債・分離型ワラント債が該当しますが、新株予約権と社債が別々にに独立して扱われるため、別途取引が可能です。新株予約権付社債に似ていますが、単に新株予約権と社債です。

(参考)旧転換社債とは

旧転換社債とは、一定の条件の下で株式への転換が可能である社債のことで、株式への転換の権利を行使すると社債が株式に転換されます。株式への転換が行われると社債はなくなり、株式となります。2002年4月1日の改正商法施行により、転換社債は新株予約権付社債と位置づけされることになり、旧転換社債に該当するものは転換社債型新株予約権付社債と呼ばれるようになりました。

(参考)旧ワラント債とは

旧ワラント債とは、社債に新株引受権(ワラント)が付いたもので、社債とワラント部分が分離できる分離型(分離型新株引受権付社債・分離型ワラント債)と、分離できない(非分離型新株引受権付社債・非分離型ワラント債)があります。ワラントの権利を行使し、現金の払込みをすると株式の発行を受けることができ、社債は手元に残ります。2002年4月1日の改正商法施行により、非分離型は新株予約権付社債、分離型は新株予約権と社債とと区分されることになりました。

転換社債型新株予約権付社債の特徴やメリット

転換社債型新株予約権付社債は、「社債」と「コールオプションの買い」を組み合わせた特徴を持っていて、転換対象株式の株価が値上がりした場合は株価上昇の利益が得られ、株価が値下がりしても債券として保有し続けることで損失が限定的(あるいは損失とならない)ことが特徴・メリットです。

転換社債型新株予約権付社債は「社債+コールオプションの買い」

転換社債型新株予約権付社債は、社債(債券)にコールオプションの買いを組み合わせたものです。転換対象株式の株価が上昇すれば、コールオプションを行使して社債を株式に転換し、株価が下落すればコールオプションを行使しないで社債のまま保有することになります。

転換社債型新株予約権付社債は投資家が権利行使を選べる

転換社債型新株予約権付社債は新株予約権の権利を行使するかどうか機械的に決まるのではなく、投資家が選ぶことができます。もちろん、通常は投資家に有利になるように権利行使をするので、転換対象株式の株価が上昇すれば新株予約権を行使し、株価が下落すれば行使しないという選択になります。

転換社債型新株予約権付社債は株価が上昇すれば利益を得られる

転換社債型新株予約権付社債は株価が上昇すれば、新株予約権を行使し株式に転換することで利益を得ることができます。転換対象株式の株価の値上がり分だけ利益を得ることができ、理論上は上限はありません。

転換社債型新株予約権付社債は株価が値下がりしても損失が限定的

転換社債型新株予約権付社債は、クーポン利率は低くなりますが、債券の安全性と株式の収益性の良いところを組み合わせたような設計となっています。転換対象株式の株価が値下がりしても、株式に転換しないで社債のまま保有していれば額面金額で償還を受けることができるため、償還が予定通り行われるのであれば、転換社債型新株予約権付社債の損失は限定的となります。額面金額と購入金額、クーポン利率次第では全く損失が発生しないこともあります。

転換社債型新株予約権付社債の損失と利益のイメージ

転換社債型新株予約権付社債は、転換対象株式の株価が下落すると債券のまま保持することになり、発行体の破たんなどがなければ、額面金額で償還されます。債券のままの場合、額面金額の償還とクーポンの受け取りが得られるお金になります。株価が下落しても、収益・損失の水準は変動しません。

なお、額面金額で償還された場合に損失となるか利益になるかは、転換社債型新株予約権付社債の購入金額と償還金額の関係や、クーポンの受取金額次第なので、転換社債型新株予約権付社債によってどうなるかは異なります。

転換対象株式の株価が上昇した場合は株式に転換することになり、株式を売却したら売却益を受け取れます。株式転換後に売却した場合、株式の売却益と株式転換までにクーポンが得られるお金になります。株価が上昇するほど、利益は多くなります。

転換社債型新株予約権付社債の損益イメージ

転換社債型新株予約権付社債のデメリット

転換社債型新株予約権付社債は株式に転換できる権利がある分だけ投資家に有利であるため、一般的に通常の債券よりもクーポン利率が低めに設定されます。

転換社債型新株予約権付社債はクーポン利率が低い傾向

転換社債型新株予約権付社債を購入するということはコールオプションの買いのオプション料を負担することになるため、オプション料の分だけ同様条件の通常の債券よりもクーポン利率が低くなる傾向があります。クーポン利率で調整しない場合は購入金額が額面金額より高く設定し、コールオプションを購入しなかった場合は損失が発生する仕組みも考えられます(購入金額>額面金額)。

転換社債型新株予約権付社債は早期償還される場合がある

転換社債型新株予約権付社債にもよりますが、早期償還の条件が設定される場合があります。早期償還された場合、株式に転換できずに株価の値上がり益を受け取り損ねる可能性があるほか、クーポンを途中までしか受け取れないといった可能性もあります。

まとめ

  • 転換社債型新株予約権付社債とは、一定の期間内に一定の条件で社債を株式に転換できる権利が付いた社債で、CBと呼ばれることがあります。
  • 転換社債型新株予約権付社債は転換対象の株価が大きく下落した場合は債券のまま償還を受けることができ、株価が値上がりしたら株式に転換し値上がり益を得ることができます。

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【転換社債型新株予約権付社債(CB)とはの記事は終わりです】

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