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個人での社債投資には難しい問題も

記事作成日:2015年11月7日

資産運用を行う場合、投資対象として債券を組み入れると、債券は満期保有の場合には利回りが決まっているためデフォルト等がなければリターンが安定し、ポートフォリオのリスクの分散にもつながります。債券には国債など公債の他に社債があり、社債の方がリスクが高くなる分、利回りも高くなりますが、日本国内では個人の社債投資はあまりお勧めできません。個人の社債投資がお勧めできない理由について説明しています。

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流動性が低く相対取引である

社債の流通市場は株式投資の流通市場ほど売買が活発ではありません。銘柄によってはほとんど流動性が期待できないようなものがあります。流動性が低下していると、適切な市場の価格形成を期待することは難しく、価格形成が歪んでしまうことも考えられます。

特にリーマンショックのように金融危機が発生し証券市場全体が混乱している時や、特定の企業の経営危機が報じられ売りたい投資家が殺到した時などには、極端な価格形成が行われる可能性があります。

社債は基本的に証券会社との相対取引となるため適正な取引価格よりも高く購入することになったり、安く売ることになったりする可能性がある点も課題です。

格付けは参考にならない場合もあり信用力評価が難しい

社債投資で最も重要なことは発行体がデフォルト(債務不履行)するのかどうかという信用力の評価です。格付会社の評価は参考にはなりますが、リーマンショックの時に実際見られたように安全だとされる格付けが付与されていても安全でないということはたくさんあります。

企業が経営危機に陥る場合には売り上げが不振で経営が傾いてしまうパターンと突発的なイベントが発生して経営が傾いてしまうパターンがあります。業界自体が衰退しているとか、徐々に売り上げが減少しているとか比較的予測しやすい状況であれば格付けもある程度有用なのかもしれませんが、突発的なイベントを予測することは困難で格付け会社の格付けは参考にならない場合もあります。

ニュースなどで経営不振が明らかになってから後追いの形で格下げが行われることも多く、先回りして格付けが引き下げられ経営危機を予測するのに役立つということばかりではありません。

信用力を評価することが重要ですが、株式投資よりも低いリターンが想定される債券投資のためにどこまで力を割くべきか手間暇を考えたほうが良いと思います。十分な調査を行っても信用力の評価は難しい部分もあります。

個人向けである背景にも問題が潜んでいる

社債といえば通常は機関投資家が投資を行います。しかし、敢えて個人向け社債を発行するということは何か事情があるとも考えられます。機関投資家では通常投資対象としないような低い格付けの銘柄である、機関投資家が高い利回りを要求するが低い利回りで発行したいなどの事情があると考えられます。

個人向けに社債の募集を行うのは機関投資家とは違った手間がかかりますし、社債の金額が1億円未満となる場合などには社債管理者を設置しなければならずやはり手間がかかるからです。

敢えて個人向けに発行される社債は、条件が良いとは言えない投資対象である可能性があります。

個人では社債の銘柄分散が難しい

社債のリターンは限られている一方で、デフォルトの損害は大きなものなので社債投資ではデフォルトする銘柄を選ばないことが基本です。特に特定の銘柄にリスクが集中していると万が一デフォルトしてしまった時のダメージが大きくなります。デフォルト銘柄を基本的には選ばないことが重要ですが、万が一デフォルトしてしまった時にも銘柄を分散していれば損失が軽減されます。分散投資はあらゆる投資の基本です。

そのため、社債投資を行う場合も銘柄を分散して投資を行いたいところですが、個人で社債投資を行う場合、銘柄の分散を行うためには多額の資金が必要となりますし、投資対象の銘柄自体もそれほど多くはありません。また流動性も劣るため株式投資のような機動的な銘柄の組み替えも困難です。

分散投資を行う場合には投資対象の企業の調査や研究が必要となります。しかし、社債のリターンはそれほど高くないため、株式投資のように個別の企業について企業調査を行い信用力を評価するだけの手間暇をかけて行うべきかどうかかなり疑問が残ります。

そのため、個人で社債に投資する場合には銘柄分散は容易ではなく、手間暇をかける価値があるかどうかも疑わしいと言えます。

分散投資をする投資信託があれば望ましいですが

個人が社債投資を行う場合に、銘柄を分散して投資できるように、個人では投資が難しいような社債も投資対象とするような、多様な社債を組み入れた投資信託があれば利用したいところですが、単純にベンチマークに連動するような運用でない場合、信託報酬などが高くなってしまうため、リターンが高くない社債投資では活用がかなり難しいです。

特に低金利の時代にはリスクが高い債券でないと高い利回りが期待できないため、安全な運用を目指すなら利回りがかなり低くなります。そうなると投資信託のコストでリターンが吹き飛んでしまうということにもなりかねません。

まとめ

  • 個人の社債投資は流動性が低い、相対取引である、信用力評価が難しい、条件が良くない場合がある、銘柄分散が困難など、多くの課題があるため、積極的にはお勧めできません。
  • 社債に分散投資するような投資信託があれば活用したいところですが、コストなどの問題から日本ではなかなか良いものが見当たりません。

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【個人での社債投資には難しい問題もの記事は終わりです】

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